長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

『友』読書会で学習運動2017のスタートなり

今夜(6日)は、『学習の友』読書会・お雑煮つき。
8名が参加。

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学習協のT口常任理事作。うまい! おもちもウマかった!!

『友』1月号をつかい。

*「諦めるなどという贅沢」とは?
*絵本のよさについて
*働き方と健康

などが話題に。
食べ物を囲んでの読書会はやはりイイですね。

今年も『友』読書会、地味に続けていきますっ。

今年さいしょの映画は『この世界の片隅で』

2017年はじめての映画は『この世界の片隅に』。
みてきました。岡山イオンシネマ。

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評判どおり、当時の呉の様子がアニメだからこそ
細部まで再現できていて目を見張りました。

原作はかなり以前に読んでいましたが、
これも評判どおり、すずの声の「のん」が、
それはもうすばらしく“すずらしく”。

内容についてはあちこちで書かれているので。

映画館でみれて満足でした。

栄養素をたくさんまいて耕す、ということでは

今日、「組合員の学習意欲を引き出すには」という
問題意識で2000字書いてほしいと依頼が。

引き出すって、
そこに「在る」場合に引き出す方法が議論の対象となる。
でも社会科学とか労働組合のことを
学びたいって意欲や要求が最初からあるんだろうか?

「学習要求を耕す」のほうがしっくりくると思った。

「なんのためにこれを学ぶのか」のところをはっきりと示す。
とくに労働組合の場合は要求実現との関わりで。

そして学ぶ仲間集団がいて、
学びの場に「楽しさ」の要素がたっぷりあること。
空間の大切さ。カフェ的な。

「あ!」「ええ!」と思う素材を提供できること。
それによって「自分の固定観念が崩れること」を味わう。
自分が少しずつ作り変えられていく感覚。
学ぶ材料(テキストなど)自体がおもしろいこと。

などなど、つまりやることいっぱいあるのね・・・。
そういう一つひとつの具体的な「栄養素」をたくさんまいて耕すこと、
ではないのでしょうか。

笑いながら歩き、書きながら考える。

今日からお仕事開始です。

まず全力投球せねばならないのが、
勤労者通信大学の入門コースのテキストづくりです。
来年度の新開設に向けて、ピッチをあげていかねばなりません。

しかし、昨年夏から教科委員会で議論していますが、
テキストづくりというのは、なかなかたいへんです。
自分の本なら書きたいことをそのまま書けばいいわけですが、
テキストとなると、集団学習での活用も視野に入れねば
ならないし、正確性・系統性も求められます。

なおかつ「入門」という特性を豊かに展開できるものに、
となれば、やはりかなりの大仕事となるわけです。
がんばらねばです。



続いては、書き物仕事。

2つ大きなものがあり、
これを1月中にめどをつけたいというのがあります。
相方の通院などに付き添いで行くことも多く、
パソコンに向かう時間はかぎられます。集中力ですね。

ほか、学習運動の組織強化などもあれこれ。

つまり今年も忙しいです。
でも相方との時間をなにより優先したいとも思います。

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きのうは書き初めも。

笑いながら歩き、
書きながら考える。

そんな2017年にしていきます。

2016年にみた映画

2016年にみた映画(観賞順)。私的評価つき(★)。

『杉原千畝』★★★
『顔のないヒトラーたち』★★★★★
『人生の約束』★★★★...
『明日へ』★★★★★
『オデッセイ』★★★★
『エヴェレスト 神々の山嶺』★★★★
『スポットライト』★★★★★
『牡蠣工場』★★★★
『64 前編』★★★★
『海よりもまだ深く』★★★★
『レヴェナント』★★★★
『64 後編』★★
『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』★★★★★
『さとにきたらええやん』★★★★
『裸足の季節』★★★
『シン・ゴジラ』★★★★
『トランボ』★★★★★
『超高速!参勤交代リターンズ』★★★
『ハドソン川の奇跡』★★★★
『聲の形』★★★★
『幸せのひとりぼっち』★★★★

以上21本。

君の名は、この世界の片隅には、
なんとか上映終わるまでに観にいきたい!

2017年もよろしくお願いいたします。

2017年になりました。
今年もよろしくお願いいたします。

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大晦日は相方のご実家がある児島に泊まり、
元日は下津井にて初日の出をながめました。
瀬戸大橋との図が絵になります。

1日になり、まだ何も考えていなかった2017年の目標を
とりあえず簡単に考えてみました。

*相方との時間を大切にする
*書けていない2冊目の本を早々に完成させる
*自分の健康も大事に
*仕事はマンネリに陥らず、戦略をもつ(具体化はこれから…)
*まだ行ったことのない新潟・秋田・岩手・宮城・福島のうち、
 ふたつに行く。

もうちょっと具体的にいろいろ考えますが、
とりあえず、
みなさま今年もよろしくお願いいたします☆

2016年の簡単なふりかえり

さて、恒例の1年の振り返りをしておきます。
来年もよろしくお願いいたします。

【1月】2日に映画『顔のないヒトラーたち』を見たが、これが今年みたなかでいちばん良かった作品。16日に青森・弘前にある健生病院労組の春闘集会で講師。これがきっかけで秋にも青森に呼んでいただく。ご縁に感謝。学習会講師10回。読んだ本14冊。映画3本観賞。

【2月】6日・7日と福岡へ。障害者福祉施設・つくしの里の研修会でものの見方の講義。翌日は福祉保育労九州ブロック。13日に民医連中四国教育委員担当者の研修会で講師。ここからまた広がりが。19日~21日岡山民医連の平和ゼミナールで沖縄へ。学習会講師8回。読んだ本10冊。映画1本観賞。

【3月】平和委員会の若者有志学習会をはじめる。1回目は日米地位協定。以後若いひとの学びの場として毎月開催が定着する。県労おかやまの常任幹事会の前段学習会(連続8回)がスタートする。あらためて労働組合の基本を学び議論する場に。学習会講師9回。読んだ本19冊。映画2本観賞。

【4月】90期岡山労働学校「こんな人に会っちゃった教室」開校。すべて女性講師。ソワニエ看護専門学校での11年目の非常勤講師がスタートする(全15回)。岡山医療生協労組でも労働組合入門講座がスタート(全10回)。22日、岡山県学習協第51回総会。学習会講師14回。読んだ本10冊。

【5月】毎年5月は忙しいが、今年もハードだった。学習会講師19回。県外出張が5回。労働学校、ソワニエ授業、ほかもろもろのお仕事でドタバタ過ぎる。読んだ本14冊。映画2本観賞。

【6月】11日、生協労連大学部会の全国交流会in岡山大学で講師。22日、参議院選挙告示。岡山でも野党統一候補(本気の共闘とは言えなかったが・・・)でたたかう。平和委員会若者有志、医学生、民青同盟など若者との学習会多く、交流が楽しい。学習会講師18回。読んだ本10冊。映画4本観賞。

【7月】10日参議院選挙投票日。改憲勢力が参議院でも3分の2をしめる(一枚岩ではないが)。長野民医連に2年連続で呼んでいただき講師。岡山民医連の平和ゼミナール第4クールがスタートする(全10回)。29日~ひとり島旅で沖縄・伊平屋島へ。学習会講師7回。読んだ本16冊。映画1本観賞。

【8月】2年連続、お盆は徳島の阿波踊りへ。世界でも稀有なすばらしき祭りなり。25日、長野での講師仕事のついでに、松代大本営跡を見学。貴重な歴史を刻印した場。生協労組おかやまの新専従者の連続教室はじまる。学習会講師12回。読んだ本11冊。

【9月】2日長野民医連の看護管理者研修会で講師。7日埼玉で初講師仕事。長年のFB友にも初めてお会いす。13日42歳の誕生日に民青高知の学生合宿で久しぶりに科学的社会主義の講義。新婦人岡山支部で憲法連続講座(全3回)。淡路島1泊旅行。学習会講師19回。読んだ本6冊。映画5本観賞。

【10月】相方が神経難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)との診断を受ける。以後、生活の形が徐々に変化。8日~10日全国学習交流集会inヨコハマ。岡山から8名参加。16日青森県医療研で講師。22~24日日本平和大会in三沢で2週連続青森。学習会講師17回。読んだ本9冊。映画1本観賞

【11月】ALS協会岡山県支部の茶話会に初参加。患者会組織の活動におおいに励まされる。神経難病の専門医との出会いも。25~28日まで相方と沖縄・宮古島の旅。宮古は6年ぶり。30日民医連近畿看護学生委員研修交流会で講師。学習会講師16回。読んだ本13冊。映画1本観賞。

【12月】3日マドモアゼルA子さんの結婚を祝う会に参加。10~11日相方のお仕事の先輩を訪ねて境港へ。17日鹿児島県労連わくわく講座閉講式で講師。22日大阪で航空労働者のみなさんと交流。学習会講師11回。読んだ本15冊。映画1本観賞(29日現在)。今年は病気なしの1年で感謝。

今年最後の労働食堂!&ろうどうくみあい講座

昨夜(27日)は、岡山医療生協労組の
「超入門!ろうどうくみあい講座」の8回目でした。
今年最後の講師活動でした(全部で160回でした)。

テーマは「じつはすごい労働組合の歴史」。
歴史を学ぶ意味、労働組合の誕生、日本の労働組合の歴史、
などを超ダイジェストで。

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それにしても!
2016年最後の労働食堂は料理に気合いが入ってました。
元料理人の書記長が腕をふるいました。

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おいしいものは人を幸せにします。
たくさんの仲間が集いました。
来年もぜひ続けてほしいものです。

遠い空、永い言い訳、修羅、患者のカルテに、荒野、呼吸、介護

最近読んだ本。これで2016年は146冊。
目標の年間150冊まであと5日で4冊・・・。いけそうだが微妙。


『遠い空ーシベリア抑留記・病床雑記』(岡本良三、静山社、1988年)

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シベリア抑留を体験し、退職後ALSを発症した著者。
「子や孫のために」と自身の体験をパソコンに1字1字
9か月かけて病床で打ち込んだ記録。内容は客観的かつ壮絶。
地元、岡山の方で入院病院もよく知っている。

そしてじつは、私の自宅すぐ近くに神経内科のクリニックを
出されている難波玲子先生が「病気と共に生きる岡本さん」
という一文を寄せている。
難波先生、とっても気さくな方ですし、
神経難病のプロフェッショナルです。


『永い言い訳』(西川美和、文春文庫、2016年8月)

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胸に食い入る感はてしなく。妻の突然の死。
そして夫たちと「小さなひと」たちとの交差と
「喪失をかかえた生」の始まり。
これは女性でないと書けない小説かもなあ。
映画も観てみたくなった。


『修羅果てしなくー相馬で考える』(中沢正夫、萌文社、2013年)

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精神科医・中沢正夫が東日本大震災と原発事故を受け、
福島県相馬市に支援に入った経験を通じての思索エッセイ。
精神科医ならではの視点になるほどと思いながら読む。
内容は重たいが気張らない文体はいつもどおり。


『患者のカルテに見た自分ー精神科医のノートから』
          (中沢正夫、情報センター出版局、1986年)

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患者のストーリーを中心に。人間的とはなんなのかなあ、
などとフト読む手が止まり考えてしまう内容であった。
不可解さを本質的に持ち合わせているのが人間。
心とはじつにヤッカイである。


『だから荒野』(桐野夏生、文春文庫、2016年11月)

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はてしない荒野とも思える日常から
「逃げ出し」「解放されたい」という思い。
強弱や質は違うけれど「違った人生」「やり直し」を
求める人間的欲求はたくさんの人に在る思いだろう。
家族関係を軸にした主婦の「逃避行物語」。


『ねころんで読める 呼吸のすべて
 ~ナース・研修医のためのやさしい呼吸器診療とケア』
          (倉原優、MCメディカ出版、2015年)

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今すぐためになるところは少なかったけど、
安心のために手元に置いておこう。


『私と介護』(島田洋七・春やすこ・ねじめ正一・酒井章子
      ・大久保朱夏・新藤風・南田佐智恵・安藤桃子
      ・富田秀信・城戸真亜子・関口祐加・秋川リサ
      ・岡野雄一・岩佐まり・野中真理子・沖藤典子
      ・香山リカ)、新日本出版社、2016年12月)

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しんぶん赤旗日曜版での連載をまとめた1冊。

いちばん苦しいのはやはり介護負担が1人だけに
加重にかぶさるときだと感じる。
『家事労働ハラスメント』(岩波新書)を著した竹信三恵子さんも、
「分配が加重になるとき、『家事』は、その担い手を
破壊しかねない」(はじめにより)と述べている。

身体的・体力的にもたいへんであるが、
精神面でも負担は大きい。
人間には関係性によっていくつもの顔(属性)を
もっているのであり、生活場面によってさまざまな自分に
変化することで、精神的バランスを保っている。

平野啓一郎さんは、『私とは何か-「個人」から「分人」へ』
(講談社現代新書)のなかで、
「いつも同じ自分に監禁されているというのは、
大きなストレスである」と指摘されている。

24時間、毎日、『介護者』『母親』という属性に
「監禁」される状況は、その人らしさの「枠」を
極端に制限することになり、大きなストレスとなる。
たまには「違う自分」でいられる時間や場をつくらないと、
人間は「やってられない」のである。

2017新春!お雑煮つき『学習の友』読書会

【お知らせ】
2017新春!お雑煮つき『学習の友』読書会。
月刊誌を読み合わせて感想交流するだけですが、これが楽しい!
2017年最初の読書会は1月号を使います。

そしてお雑煮つきです。マイおわん持参してください。
1月6日(金)18:30~地方自治会館2階。
参加費300円。どなたでも参加できます☆

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憲法の心に耳をすます~連載5回目

毎月、山口県の医療生協健文会の機関紙「健康のひろば」に
連載している憲法の話、5回目です。

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 「何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵
されない」
 みなさんは、日本国憲法22条2項にこうした条文があ
るのをご存知でしょうか。

選べる自由がある
 
外国に移住する自由は、一時的な旅行も含まれていると
されています。そしてなにより、私たちは日本人でなくな
る自由も、日本国憲法によって保障されているのです!
(私はそれでも日本人であることを選んでいますが)
 国籍離脱の自由は、根本的には、国家のために個人があ
るのではなく、個人のために国家があるという考えをあら
わしています。これは、「お国のため」として個人の命や
自由が犠牲になった歴史をふまえ、「個人の尊厳」を高く
かかげた日本国憲法の全体に貫かれている大原則です。
 そうです。私たちはどのように生きるのかを、主体的に
選択できるのです。どういった職業につくのか、どこに住
むのか、なにを学ぶのか、だれをパートナーに選ぶのか、
どんな考えや良心をもつのか・・・。
 選ぶことができる、ということは、その人らしさをつく
るもっとも大切な条件です。つまり自由です。私たちは人
間として生きているかぎり、自由を与えられており、それ
が幸福の前提なのです。

憲法はあなたの味方
 
「すべて国民は、個人として尊重される」と憲法13条
はうたっています。一人ひとりが、かけがえのない一度き
りの人生を生きています。命はひとつであり、私は私しか
いません。モノや道具のように取り替えがききません。だ
から尊くて重たいのです。
 「お国のため」「家のため」「会社のため」に個人があ
るのでもありません。犠牲にしていい命や人生などないの
です。
 生活や仕事のなかで、「息苦しい」「なんだか違和感が
ある」といったことを感じることがあると思います。そう
したとき、憲法に書かれている条文を読みかえしてみると、
じつは自分のモヤモヤを解決するヒントがあるかもしれま
せん。憲法は、いつでもどこでも、自律的生を生きようと
するあなた(個人)の味方なのです。

ケイコさん宅にケイコの豚まんを持参し晩餐会

伊丹空港に行く機会があった22日。

大阪のケイコさんのご自宅に
岡山のケイコの豚まんを持参しお泊まり交流。
「長久さん歓迎晩餐会」と銘打たれたその会には
ケイコさんのご友人の航空労働者(現役もおひとかた)の方々が…!

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ケイコさんの夫さん・お母さまや、
ケイコさんの講演に必ず登場するあの方や、
ケイコさんとは別会社のよく交流させてもらっているあの方や、
ぼくの『学習の友』9月号の論文を「10回は読みました」というあの方も…!

話題は航空職場の現状から、猫、病気のこと、
航空労働者のたたかいのあれこれ、整備士のお仕事、
あの闘争のたたかい方、パプアニューギニア水産、
コミュニティ・オーガナイジングなどなど…(もっとあった)。
ケイコさん相変わらず視点がキレキレでした。いつも敬服します。...

美味しい料理とお酒をいただきながら、
楽しいみなさんとの時間はあっという間に過ぎたのでありました。

思えばケイコさんの本『ママはスチュワーデス』を読み、
「岡山労働学校で講演してほしい!」とアポをとったのが
カレコレ17~18年前だったかと。
それ以来、何べんも岡山に講演に来ていただき
身震いするぐらいの感動と労働者としての学びを
いつも私たちに提供してくださいました。

素敵なご縁に改めて感謝した夜でした。