長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

無事に帰ってきました。

無事に、沖縄から帰ってきましたー!

半年ぶりの飛行機旅で準備もたんへんでしたが、
やっぱり沖縄はいいですね。
相方も1年半ぶりの沖縄を満喫しました。

私は咳ゴホゴホがなかなか引かずに体調イマイチでしたが、
なんとかもちました。

詳細はまたブログでご報告します。

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4泊したお宿のお部屋からの眺め。
天気は前半悪かったですが、後半は晴れました。

明日から行っとこうツアー第6弾

明日(2日)から6日まで、
「行けるときに行っとこうツアー2018 第6弾in沖縄」に
行ってきます!
(学習協にメールをいただいても見れません返信できません)
(ブログの更新もありません)

10月上旬、体調をくずした相方でしたが、
予定した京都旅をキャンセルし、
着々と体力を回復させてきています。

準備は万端です。
1年半ぶりの沖縄旅、良い時間になりますように!

ぶらり、時間散歩 (第1回)

月刊誌『学習の友』の11月号から、
「ぶらり、時間散歩」というエッセイの連載をはじめました。
お気軽にお読みくださいませ。

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第1回「いのち=もっている時間」

 
「残業って、人権侵害という認識はありますか?」
 最近、学習会で時々お話していることです。残業は、
契約時間以上に仕事をすること。そのぶん、職場にい
る時間は長くなり、自分の時間は削られます。
 もちろん私たちは、仕事においても「自分の時間」
を使っています。ただし雇われて働く労働者の場合は、
業務命令の枠のなかでの時間。使い方を自由に選べま
せんし、使用者に「使わせている」時間ともいえます。
まっさらで好きなように使える時間とはいえません。
 自分で選び方を決められる時間は、私が私でいられ
る時間です。人権とは、私が私でいることのできる自
由や権利のことですから、自分の時間が削られるとい
うことは、私の人権が削られることではないでしょう
か。
 昨年亡くなられた医師の日野原重明さんは、絵本
『いのちのおはなし』(講談社)のなかで、小学四年
生の子どもたちに「いのちとはなんだろう」と問いか
け、「いのちとは、きみたちのもっている時間だとい
えます」と語られています。
 いのち=もっている時間。たしかに、私たちは誰で
もいつの日か「死」をむかえます。時間は有限です。
1度きりの人生の時間は、誰にとっても貴重でかけが
えのないもの、不当に奪われてはいけないものである
はずです。そしてまっさらで好きなように使える時間
が多ければ多いほど、「私らしく生きる」ことができ
やすくなります。
 でも私たちは普段、無意識に時間のなかで生活して
いますし、時間に追われ、時間について考える機会が
少なくなっているのではないでしょうか。
 「とてもとてもふしぎな、それでいてきわめて日常
的なひとつの秘密があります。すべての人間はそれに
かかわりあい、それをよく知っていますが、そのこと
を考えてみる人はほとんどいません。たいていの人は
その分けまえをもらうだけであって、それをいっこう
にふしぎと思わないのです。この秘密とは―それは時
間です」
 時間への深い考察をふくんだ児童文学『モモ』(ミ
ヒャエル・エンデ、岩波少年文庫)からの一節です。
 ふしぎで貴重な時間について、これから分け入って
みたいと思います。

林精神医学研究所で4年目職員研修

きのう(30日)午前中は、
林精神医学研究所(民医連加盟)の4年目職員研修。
林での研修会は久しぶり。

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12名の参加で、
3つのグループに最初から分かれてのスタート。

なぜ職員研修で憲法? から入り、
憲法とは、人権とは、を考えてもらう前半。
うーん、やっぱり厳しい。憲法入ってない。
民医連職員ですら…と思ってしまいます。

人権感覚をみがくトレーニングと場所がたくさん必要だなと。

後半は、上流と下流の話なども。
感想はそれぞれ受けとめよく、今後につながる
きっかけになればいいなと思います。

感想文用紙に関するイチ考察

先日の長野での講演のなかでも
「いい感想文用紙って?」の一文をレジュメに書いていました
(詳しくは話せませんでしたけど)。
感想文用紙、テキトーに作ってませんか? と。

で、日曜日の広島で頂いた
「はたらく女性の中央集会」の資料を
事務所でパラパラと見ていたら、
「参加者アンケート」という感想文用紙が入っていました。
この感想文用紙を題材に、ちょっと考えてみたいと思います。

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■まず目についたのは、全体会や分科会にたいする
アンケートのところ「イ.よかった ロ.普通 
ハ.よくなかった」です。私は、こうした3択とか
4択とかのアンケートは、数字や傾向を出すだけで、
主催者側の自己満足ともいえ、まったく意味がない
と思っています。そもそも「普通」とはいったい何
か? 学習会の評価で「普通」とは。これだけで1時
間ぐらい議論が必要な難題です。「普通」はあまり
見かけませんが「まあまあ」とか、「あまり良くな
かった」とか、とてもあいまいで評価のしにくいワ
ードをのせてくる感想文をよく見かけます。疑問です。

■違和感の2点目。土曜日の全体会では、アーサー・
ビナードさんの記念講演のほかにも、オープニング
での合唱や、被爆ピアノ演奏、被爆証言などが、プ
ログラムなどをみるとあります。この感想文用紙で
は、「全体会に対する感想」スペースはありますが、
書くスペースも小さいですし(講演の感想を書くス
ペースも狭い)、せっかく広島らしい企画を並べて
いるのに、それらに対する感想や受けとめが細かい
ところまでわかりません。せっかく集会のためにご
尽力いただいた演奏者や証言者に対しての敬意が足
りないのではないか、と思いました。

■違和感の3点目にして最大の点。この感想文用紙
は、「63」のところを変えれば、来年も、再来年
も使える内容になっているということです。斜めに
ものを考えるクセのあるワタクシは、「これ、去年、
いやもっと以前から、数字だけ変えるだけで、使い
まわしているのではないか」という疑いも芽生えて
きてしまうのです。つまりどんな感想文用紙にする
のか、参加者のどういう声をひろいたいのか、運動
を前進させるためのステップとして、参加者にどん
な意見を出してほしいのか、の意欲がまったく感じ
られないのです。ただ数字を変えるだけ。せめて、
「講演に対する感想」ではなく、「アーサー・ビナ
ードさんの講演に対する感想」にしてほしかったし、
「来年の集会」ではなくて「来年の仙台での集会」
にしてほしかった。

■私がもし主催者の側で、この集会の感想文用紙を
つくるなら。2日間あるわけですから、1日ごとに
別の感想文用紙をつくります。大きさはA4でなく
A5。感想文用紙の大きさはかなり「書きやすさ」
に影響します。3択とか4択の項目はいっさいなく
して、具体的に全体会や分科会の成否を判断できる
設問を置きます。あと、アンケートが無記名になっ
ているのもよくわかりません(申込みや受付で参加
者全員の名前を把握しているのに)。個人名を書い
てもらって何か不都合あるのでしょうか。誰が書い
たかわからないほうが不都合だと私は思います。


以上、感想文用紙をめぐるイチ考察でした。
日曜日の分科会は楽しかったんですよ、ほんとに。
であるがゆえの、愛のダメだしと思ってください…(笑)。

はたらく女性の中央集会in広島 分科会にて

きのう(28日)は広島へ。
街は日本シリーズで盛り上がっていました。たぶん。
広島駅から徒歩10分の会場へ。

第63回はたらく女性の中央集会in広島。
10時から、第1分科会
「誰もが8時間働いて普通に暮らせるように~私たちの働き方を考える」
の講師のお仕事でした。この分科会は55名の参加。

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最初1時間ほどで前半の問題提起。
長久の介護生活も語りながら、
「8時間でも長い!」という実感から話をしました(笑)。

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さらに、「みなさんの24時間配分はどうなっていますか?」を
考えてもらい、ふせんをホワイトボードに貼ってもらいました。

休む時間が少なめ。4.5時間という人もいました。
仕事時間(通勤時間ふくむ)が12時間以上の人が4人いて、
学校の教員×2、看護師、障害者福祉の職場の方でした。
全体的に長いです。

こうしてながめると、いろいろ見えてくることありますね。
他者との比較もできて、自分の24時間の見つめなおしにも。

時間主権、自分のもっている時間をどう使うのか。
日本の雇われ組の現状と課題。ジェンダーの問題。
8時間労働は労働者の人権のかなめだということを強調。

1時間の問題提起のあと、
3人の方から感想や報告があり、さらに私がコメントして前半終了。

1時間のお昼休憩をはさみ、後半は12時半~14時半までの2時間。
私からまた30分ほどで問題提起。
人権とは、人権感覚をみがきあう場をたくさんつくろう、
女性たちのあきらめないたたかいの歴史について、など。

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その後、グループに分かれての交流タイムに。これが約1時間。
話はつきないようでありました。

最後に各グループから代表しておひとりが
話し合われたことを全体に共有。
どこのグループの報告も楽しく、意義のある内容でした。

最後にまとめとして、私が若干コメントして終了しました。
とっても楽しい時間でした。
参加されたみなさん、ありがとうございました。

来年は仙台で開催のようです。

ふれあいコンパは過去最高?の出席率。

土曜日(27日)の夜は、
92期岡山労働学校のふれあいコンパでした。
1次会は16名が参加。2次会から参加が2名。

今期、通し受講は運営委員ふくめて20名ほどですが、
ほとんどの人が参加するという過去最高?の
出席率の交流会になりました☆

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個室でわいわいと。
男女比率も半々でバランスがよいです。

自己紹介のところでは、あらかじめいろんな質問を
用意してくじ引きでその質問に答えるという形ですすめられ。
各自のパーソナリティが出ておもしろかったです。

ふだんの講義空間でけでは見られないその人の意外な顔。
交流会の醍醐味ですね。


ただしかーし。
私はこの日、体調下降気味で、日曜日の講師仕事を考えて、
アルコール無しで我慢しました。
なかなかソトノミの機会がないだけに、よけいに残念…。

2次会も10名ほどの参加でした。
参加されたみなさんありがとうございました。

「疑問や怒りを自分の中にとじこめない」

昨夜(25日)は、92期岡山労働学校の第4講義でした。
テーマは「職場におけるジェンダー」です。14名の参加。

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いつものようにグループ交流を入れながらの講義。

職場だけでなく、日常生活のなかに
“こびりついている”ジェンダー。
どのグループでも、
話題には事欠かないようでありました。


以下、レジュメです。


一。ジェンダーとは

 
◇「取り分けるのは誰の役目?」(毎日新聞10月4日付)


   「社会及び家庭における男子の伝統的役割を女子の役割と
   ともに変更することが男女の完全な平等の達成に必要である」
                (女性差別撤廃条約、1979年)

 ◇自分自身が経験・感じてきた「小さな“当たり前”」を出しあってみよう
  *「男なんだから○○」「女なんだから○○」
  *「○○するのは男」「○○するのは女」

二。職場におけるジェンダーに入る前に・・・
 
1。「はたらく女性」をめぐる客観的事実を押さえておきましょう
  ◇賃金格差(国税庁「民間給与実態調査」2016年)
   *男性の平均給与(年収。正規・非正規込み)―521万円
   *女性の平均給与(年収。正規・非正規込み)―280万円
   *正規に限ると、男性540万円・女性373万円(男性の約7割)
  ◇役職に占める女性の割合9.6%(民営・企業規模100人以上)
  ◇女性労働者の割合が高い職種の低賃金…保育、介護、医療
  ◇女性の非正規率55.9%(2016年)。
   女性の非正規労働者の平均給与は148万円
  ◇女性労働者の44.9%が年収200万円以下

  ◇第1子出産後に約半数の女性が離職―典型的なM字型雇用は日本の特徴
  ◇失敗すると職を失う「保育園探し」(保活)…待機児童問題
  ◇妊娠・出産、育児休暇取得を理由とする解雇も
   ―マタニティ・ハラスメント
  ◇男女雇用機会均等法制定から33年たつが…
   *女子を意図的に排除…東京医科大の不正入試問題。
    合格女子の55名が不合格に。
   *これは医大だけのことではなく、就職活動でも実際に
    はびこっている差別

 2。みなさんは、この現実をどう捉えますか? どう思いますか?


三。ジェンダー構造がこびりついている職場のあり方
 
1。仕事内容からはじまる「性差」
  ◇総合職より一般職が多い女性労働者(昇進・昇格の差に)
   *総合職とは、社内の中心的業務にかかわる基幹職のこと。
    一般職というのはその周辺部分の事務処理などを中心
    とした補助職のこと。
   *補助的業務、お茶くみ…。
    女性の離職理由の大きなひとつに「やりがいがない」
  ◇職場はセクハラ・パワハラのデパート
   (力の差がハラスメントを生む要因)

 2。構造的につくられてきた「男は仕事」「女は家庭」
  ◇持てる労働力のすべてを職場に吐き出す男性労働者。
   *職場で生息。ではその男性労働者の「生活」は誰が支えるのか?
    ケアの支え手として、家庭の中の女性労働力が位置づけられる。
    その役割は男性会社人間の周到なメンテナンスと、未来の労働力
    である子どものたちの育成。
  ◇1950年~70年代。女性だけに対する若年退職の強要。
   *『男は職場で過剰労働、女は家庭に全責任』という財界の労働者
    家庭管理政策の一環でもあった。高度成長期後半の労働力不足に
    際して財界は中高年女性のパート活用をすすめ、家庭責任と低賃
    金労働力の両方を強制しはじめる。
  ◇企業にとって都合のいい労働力としての「女性の労働力」の活用
   *雇用の調整弁。人件費抑制の手段。
    賃金抑制を、社会保障・税制で誘導。
  ◇女性が働き続けることを阻む最大の障壁―長時間労働問題

 3。ジェンダー規範は私たちに何をもたらすか
  ◇ジェンダー規範の一般的傾向は、男が上で女が下。不平等の押しつけに。
   *とくに権力や企業から強いられるジェンダー規範は、私たちの
    自由選択への侵害。「こうでなければならない」の押しつけ。
   *ジェンダーギャップ指数で144か国中114位の日本。それは男性も
    女性も、LGBTなどの性的マイノリティの人も、「生きづらい
    社会」「すすむ道を強制されやすい社会」。そして、持っている
    潜在的力を発揮できない社会。

 4。では、どうしたらこの現実を変えられるのか?
   あなたには何ができる?

以上。


以下、何人かの感想文です。

■意識していなくても、ジェンダーギャップ的な
価値観を持ってしまっているところがある。注意
しておきたい。

■ジェンダーの意識は、小中学校を通してつくられ
ているような気がして、いろいろ反省もしました。
とりあえず、教育勅語を使わせない!ことをつらぬ
きたい。ランドセルの黒か赤か論争に、いろんな色
が増えていって、黒か赤かに限らなくなったように、
男か女かにこだわらない、個性を大切にする社会に
していきたい。

■話をしていると、あれもジェンダーこれもジェン
ダーになってしまう。日頃、意識するしないに関係
なく、しばられている事実。この事実を話し合う場
があることが大切。

■あるあるジェンダーがたくさんありすぎて、かな
りおもしろかった。知らず知らず染まっている。そ
れを意識すること。男、女とくくるのではなく、そ
の人らしさを大事に。女性の家庭での力を頼りすぎ
なのが政府。

■どうしたら現実を変えられるのか。マイレボリュ
ーション。疑問や怒りを自分の中にとじこめない。
私らしさを尊重してもらう。同様に、自分以外の
人のその人らしさを尊重する。

■「幸せは他人が決めることではない」というグル
ープ発表の言葉が印象に残りました。「それぞれの
幸せ」を「男だから」「女だから」でジャマされた
くない! そして、つくずく長時間労働は日本から自
由と幸せを奪っているな…と思いました。自分も
知らず知らず、子どもたちに「○○らしさ」を押しつ
けないよう、そういうことに敏感でいたいと心しま
した。そのために、労働学校みたいな場所は大事だ
なと。

「いっしょに考える仲間を増やすこと」

昨夜(24日)は、
岡山市学童保育指導員労組の学習会へ。
開始時間20時! 終了は21時!
労働組合のそもそも話を45分(しゃべりすぎ)。感想交流15分。

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ほぼ毎年呼ばれていますが、
メンバーも毎年のように変化
離職率高いということの反映でもあるわけです。
この国はもっと人にお金かけろよ!と叫びたい。

以下感想文をちょい紹介。

■組合に入ってはいるけれど、ずっと受け身でいました。
自分の大切なものを守る活動だということがようやく理
できたように思います。最後の問いかけ「何ができだ
うか」を常に意識しておかなければならないと感じま
した。ありがとうございました。...

■労働組合のことは詳しく知らないまま加入したが、今
の長久さんの話で少しわかった。いち労働者として、
生活が壊れることがあることを知っておくべきだと感じ
た。他人まかせにしてはいけない。

■組合は人権を守るもの、とても大切なのに、学校教育
は全然教えてもらえない。ブラック企業、ブラックバ
イトで若者がすり減ってしまう原因なのではないでしょ
うか。娘は東京で就職しましたが、精神的に働き続けら
れなくなり、岡山へ戻ってきました。労働条件が最初に
示されたものとドンドン変わっていってしまったようで
す。でも職場ではそれが常識だったので、順応できなく
なったようです

■人権とは何か、自分が持っている人権は何か知ってい
か? と言われた時に、ぱっと出てこなかった。理解で
きていないと、気づけないということ。大人と子どもの
力関係(差)が、ハッキリしている場合は、特に気をつけ
なければいけないと思いました。仕事に、やりがいと質
を求めると同時に、自分の生活にも同じように求めるこ
とが大事なんだなと思った。今日はありがとうございま
した。

■生活の質と労働条件は連動。だから労働条件にこだわ
、他人まかせにしない、自分の生活にもこだわる。あ
らためて、日々、ながされて、これでいいとこのまま過
ごしてはいけないと思いました。いっしょに考える仲間
を増やすことがまず、自分ができることだと思いました。
いつもわかりやすいお話をありがとうございます。

■夜遅い時間にありがとうございました。人権感覚は、
ねに磨き続ける努力がないと脆い…というのは、確か
に!と思いました。人権とは何か?を考えないといけな
いなと感じました。いつも初心にかえらせてくれる長久
先生、ありがとうございました。

■組合が何をするところかもよく分かっていなかった頃、
この仕事を続けるかどうか迷っていた時に続けようと思
たのは、組合の青年部の仲間がいたからでした。今日
の話を聞いて、改めて組合は自分の生活を守るためのも
のと感じたと同時に、あの頃のことを思い出して懐かし
くなりました。つながれる仲間を増やすことは大切です
ね。くちべたな私ですが、新たにつながれる人が増える
よう、がんばりたいと思います。

『独裁体制から民主主義へ』 戦略計画の必要性・・・!

『独裁体制から民主主義へ~権力に対抗するための教科書』
   (ジーン・シャープ著、瀧口範子訳、ちくま学芸文庫、2012年)を読み終える。

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アメリカの非暴力闘争研究者による
独裁政権打倒の戦略と方法論。またその考え方。
なるほどとうなずく内容ばかり。

金曜日、韓国の民主化のたたかいを描いた
映画『1987、ある闘いの真実』に行く予定だけど、
本書の指摘も念頭に観たい。


第6章の「戦略計画の必要性」は、
わが運動界隈に今まさに必要なことであるなと。

「行動を起こす前に戦略的な計画を立てることが
どれだけ大切かを完全に認識している運動家たちは、
実に稀だ。つまり、周到な計画が練られることはほ
とんどないのだ」(78P)

「不運なことに、反体制の民主化運動グループに
属する人々は、戦略的計画の必要性を理解していな
かったり、戦略的に考えることに慣れていない、あ
るいはそう訓練されていないことがよくある」(78P)

「戦略的分析なくして、抵抗勢力側のリーダーは
『次のステップ』が何かを知る由もないだろう。な
ぜなら、勝利を達成するためには、ひとつひとつの
ステップを重ねていかねばならないとしっかり考え
たこともないからだ」(80P)

「戦略的計画を持たないことの結果は、時に強烈
なものとなる。力は消散し、行動は効果を発揮せず、
エネルギーは些末なことに浪費され、利点は活かさ
れず、犠牲は無益なものとなる。戦略的に計画を練
らない民主化勢力は、目標を達成せずに終わるだろ
う」(81P)


訳者の瀧口さんは、
「訳者あとがき」のなかで、こう語っている。

「初めて原著に目を通した時、私は自分の中に非
常に共鳴するものがあるのを不思議に思ったのだが、
それは、シャープ博士の翳りのない明晰さに加えて、
先進国に住むわれわれの日常においても、権力やパ
ワーを含めた『力』とは決して無縁ではいられない、
ということが理由だろう。政治的ばかりでなく社会
的、経済的、また職場で、あるいは家庭内で、われ
われは大小の力の作用の中で暮らしている。家庭内
暴力や学校でのいじめといった問題がある場合はも
ちろんだが、ごく普通に見える生活の中でも、力に
従順してしまった結果、何らかの不服や不愉快、不
幸を味わう結果になったということは数えきれない
くらいある。本書は、そうしたわれわれにも、力の
成り立ちや自分自身に対する意識、そして不条理な
力に対する潜在力を喚起してくれるものであると思
う」(147~148P)

ゆっくり、じっくり、くいっと

今日は介護休みの1日だけど、夜に学習会あり。


そうですなあ。
あっという間に今年も2か月ちょいですなあ。

この10か月間、
ほとんどドタバタして過ごしてきたけれど、
12月は驚くほど予定がない!!!
(講師は今のところ6回ほどありますけど)

ゆっくり年末を迎えたいものである。
じっくり学習を深めたいものである。
くいっとお酒を嗜みたいものである。

則武真一さん。岡山県学習協の初代会長でした。

先日の「しんぶん赤旗」に、則武真一さんの
訃報が掲載されていました。
10月2日に亡くなられたとのこと。

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則武さんは、1963年に創設された岡山県学習協の初代会長。
2003年の「創立40周年企画」のさいに、
自宅にうかがって直接、当時のことを聞く機会をいただきました。
当時のようすを楽しそうに語られたお姿を今でも思い出します。

またそのとき、「40周年に寄せて」を寄稿していただきました。
則武さんのご冥福をお祈りし、その一文をここに再掲します。


県学習協40周年に寄せて
         
岡山県労働者学習協会 初代会長 則武真一

 
岡山県労働者学習協会が誕生して40年になるそうです。
創立時に会長をひきうけたので、そのころのことを思い出
して一文を寄せます。ともあれ、きびしい職場環境のなか
で労働者の学習運動に取り組んでこられた皆さん方のご苦
労をねぎらい、運動をいっそうの発展を期待しています。
 1960年といえば安保闘争と三井三池のたたかいをま
ず思いだします。この2つのたたかいを通じて、それまで
の経験主義的な労働運動から脱皮し、労働者の団結をもっ
ともっと拡げていかなくてはならないことに気づきました。
マルクスが『共産党宣言』のなかで強調しているように、
労働者は「時々しか勝利しない。しかし、真の勝利の基準
はたたかいを通じて拡がっていく団結である」、というこ
とを日本の労働者が身をもって自覚しはじめたのです。
 そのためには学習をしようという機運が高まりました。
学習することを独自の任務にした学習運動組織の結成が全
国的に提起されたのです。
 私は山陽新聞労組の委員長をしていたので、労働組合の
強化をはかる立場から、職場に『学習の友』による学習会
を組織してがんばりました。県学習協は、私が会長、事務
局長は自治労県本部書記長の鴨川俊作さんでした。県学習
協の任務は『学習の友』の配達、集金、職場へ学習会を組
織したり、学習会のチューターの要請があれば派遣するな
どです。このほか中央から有名講師をよんで、数百人規模
の学習講演会を度々開きました。職場学習会を基礎にして、
学習講演会参加者の職場へも学習会をつくっていきました。
 学習会運動が労働組合の強化に果たした役割を資本家も
いち早く察知、アカ攻撃、労働組合への分裂攻撃をしかけ
てきました。不当解雇、不当配転などありとあらゆる攻撃
が学習グループにかけられました。しかし、一部をのぞい
て、その多くは解決されました。
 学習運動40年の歴史に誇りをもって、『知を力』に、
21世紀の展望をきりひらいていきましょう。