長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

沖縄報道、アメリカの、カジノミクス、あん、夜更け、他力

最近読み終えた本。
今年、あと何冊読めるかな~。


『沖縄報道~日本のジャーナリズムの現在』
       (山田健太、ちくま新書、2018年10月)

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沖縄の米軍基地問題を通して、
日本のジャーナリズムの脆弱性とその構造を明らかに。
新書だから表面的な分析かと思いきや、
歴史的視点や著者の細部にわたる研究が、
本書の内容を重厚にしている。良書。


『アメリカの教室に入ってみた
 ~貧困地区の公立学校から超インクルーシブ教育まで』
           (赤木和重、ひとなる書房、2017年)

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アメリカの公教育の現状の一端が知れる。
先進性と後進性。さらに、
インクルーシブ教育(すべての子どもをふくみ込む教育)について学ぶ。
学習運動にどう活かすかな。


『カジノミクス~「カジノ解禁」「アベ銀行」「年金積立金バクチ」の秘密』
                (大門実紀史、新日本出版社、2018年12月)

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タイトルそのままの内容。
ひと言で表現するとバクチ経済ー目の前の利益や権益しか
目に入らないその場だけ資本主義に。
安倍政権はタコ以下だ、の話がおもしろかった。
大門さんやさしい(タコに)。


『あん』(ドリアン助川、ポプラ文庫、2015年)

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どら焼き屋を舞台に、
ダメ中年男と元ハンセン病患者との交流をていねいに綴った小説。
過酷な運命を強いられた人間が
「生きる意味」をどう見いだしていったのか。
人は人によって翻弄もされ、救われもする。

で、原作読んでからDVD借りて映画見ましたが、
良かったけど、ちょっと原作のエキスを削りすぎかなーと思ったり。


『こんな夜更けにバナナかよ~筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち』
                  (渡辺一史、文春文庫、2013年)

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映画の宣伝でみて、その原作。
難病、筋ジストロフィー患者の鹿野さんと、
支える若いボランティアたちとの関係性を軸にしたノンフィクション。
筆者もその渦の中に入り込んだひとり。良書。


『他力本願のすすめ』(水月昭道、朝日新書、2012年)

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『子どもの道草』の著者なので読んでみた。
親鸞の思想をベースに、自力より他力との主張はわかるのだが、
この考え方を突き詰めると、
どんな不幸もありがたく受け入れなさいとなってしまわないかな。
世界観が違うと処方箋も違ってくる。

来年2月2日に静岡で講演します

どなたでも参加できる企画なので、
お知らせします。

【2019 静岡県評女性部新春のつどい】
*2月2日(土)10時~12時
*労政会館3階ロッキーセンター
*参加費無料

内容は、
「対話でひらく、労働組合活動~『楽しい』を力に」

ワークショップも入れながらの講演です。
お近くの方は、ぜひご参加ください☆

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民医連・北関東甲信越地方協議会の事務幹部養成学校

きのう(21日)の午前中は、埼玉の熊谷にて講師仕事。
民医連の北関東甲信越地方協議会の
2018年度事務幹部養成学校の第2クール。2泊3日の合宿形式です。

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この事務幹部養成学校は、昨年も声をかけていただいたのですが、
ざんねんながら日程あわず。今年は日程あってよかったです。

前日午後は渡辺治さんの情勢講義だったそうです。
前夜は20時半過ぎにお宿に到着したのですが、
みなさんはすでに2次会に突入されており、さっそく合流。
ぼくは主催者側の幹部のみなさんと
お酒を交えながらあれこれお話してました。

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で、この日は9時~11時までの「ものの見方・考え方」講義と
1時間のグループ討論。
講義のあいだにはグループディスカッション
入れながら楽しくできました。

参加者のみなさんは次の日の午前中まで缶詰めで学習と交流。
でも質のいい刺激をもらえる時間になっていると思います。

こうやって教育に時間とお金をかけないと、
ほんと組織は後退していきますからね。大事な取り組みです。

京都民医連の役責者研修、無事に4回おわる。

木曜日(20日)の午後は、
京都民医連の役責者研修4回目。さいごです。
まあ当然ですが、話す内容はほぼ同じ。
でも聞いている人は初めてなので、真剣勝負です。

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この日も100人超えでしたが、みなさん集中力高く、
真剣に聴いていただき、交流もされてました。
ありがとうございました。

で、この日はそのまま岡山に帰らず、
さらに東へ。埼玉へ向かいました。

今日は京都で明日は埼玉

今日(20日)は、
午後から京都民医連での4回の研修会の最終回。

それが終わったら、東へ。
翌日9時から埼玉で講師仕事のため、
今日中に移動です。

12月唯一の泊まり出張。

移動中、
本をまとまって読みたいなり(軽い読書の予定ですけど)。

「人権擁護をさまたげるもの」学習会に

今日(19日)は介護休みの1日ですが、午後から、
岡山市内民医連事業所地域包括ケア・連携会議主催の学習会に。
岡山医療生協の会館コムコムにて。イチ参加者です。

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千葉での全国集会以来、
4年ぶりに石川ワルモノ先生のお話を聞きました。

テーマは「人権擁護をさまたげるもの」。
アメリカ中間選挙での変化の背景にある
奥深い動きから入り、
人権の歴史、
日本国憲法がありながら人権後進国であるのは
なぜなのか、などなど。
いつものように時間オーバーでのハイスピード講義。

介護生活に入ってからこうした講演会に参加する機会が激減。
久しぶりに知的刺激を受けました。

あー、でも、人の話を聞くだけって、
学習のなかでも一番ラク!って改めて思いました。
良し悪しありますけどね。

足でかせぐ

毎年、12月後半の仕事の中心は、ずばり集金。

民主団体はこの集金活動がたいへんで、
財政的に崩れていくケースが多いです。
まあ、学習協の集金規模はしれてますけど、
それでもやっぱりお金を頂かないとたちゆきません。

請求書をきちんと送ったりしても、
郵便振替などで送金してくれる人ばかりではありません。

足でかせぐ(稼ぐ)しかないのです。はい。
とにかく動かないとお金は集まりません。

今週は木曜日と金曜日が県外出張なので、
動けるのは水曜日まで。

ということで、
今日もできるだけ時間をとって動きます。

広島県医労連の青年部定期大会で

土曜日(15日)は午後から今年12回目の広島へ。
広島県医労連の青年部定期大会での学習会講師。

定期大会の様子を見学してからだったので、
老婆心的アドバイスで、
もっと自由な発想でやっていいんだという話から。

この人数ぐらいならカフェで定期大会してもいいし、
音楽かけながらやってもいいし、
労組旗もかわいくしたっていい。

労組活動がけっこう大変なのは、
みな活動経験がない初心者だから。
どうしても先輩のスタイルをまねて、となる。
でもそこに違和感や感性の違いがあったら、
どんどん意見も言って、変えちゃっていい。

また、学びは人を自由にする。選択肢を増やす。
労働組合を学ぶことで、
「見えなかった別の道が見える」こともある。

そんな話から入り、人数10人だったので、
1人ひとり名前と職業聞いて、
あれこれ質問しながらの講義。
レジュメは半分ぐらいしかできなかったけどOK。

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最後はグループ感想交流。
それぞれ真剣に
職場のこと労働条件のこと生活のことを交流されてました。

怒りしかない、新基地建設強行。平和ゼミ学習で。

きのう(13日)午後は、
岡山民医連の第6回平和ゼミナール。
来月の沖縄FWにむけた事前学習会2回目。

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異常すぎる対米従属、従属国家の象徴である地位協定など。
人権よりも米軍の自由。国民の生活と命の軽視。
沖縄の民意を無視した独裁政治。
何重にも違法な強行工事。法治国家の崩壊。

そして、きょうにも土砂投入と。
明らかに展望のない新基地建設を強行す思考停止と
対米従属の罪深さ。

もう、怒りしかないですけど、
私には事実を伝えることしかできません。

学習会前に浅田訴訟の高裁判決全面勝訴の報があり、
久しぶりに嬉しいニュース。

ぶらり、時間散歩 (第2回)

月刊誌『学習の友』のエッセイ2回目(12月号掲載)です。


第2回「時間尺度を相対化してみる」

 
私たちの宇宙、少なくともあと1400億年は「安泰」
です。
 こんなニュースに、9月の終わりごろふれました。宇宙
の膨張のありようを調べている東京大学と国立天文台など
のチームが論文を発表して話題に。
 人の一生はせいぜい100年ほどですから、時間のスパ
ンが違いすぎますし、「そんな先のことは関係なし!」と
も言えますけど。でも、はてしなく広大な宇宙のなかの地
球というちっぽけな星の人間という生き物が、宇宙のスケ
ールを測ることができるって、すごいと思いませんか。
 ここで、ひねくれものの私は、こんなことも考えてしま
います。あと数十億年したら、太陽が膨張したり、もろも
ろの要因で地球自体が消滅。あるいは生き物が住めない惑
星になる。人間は、時間の尺度として、太陽のまわりを地
球が一周(公転)する周期性を認識して、それを「1年」
としました。もし人間が他の惑星に移り住んだとしたら、
「1年」の尺度も変わる(自転も惑星ごとに違うので「1
日」の尺度も変わります)。これはややこしい。1400
億年というのは、あくまで地球尺度です。
 たとえば、おとなりの惑星、火星の「1年」は地球の
1.88年に相当するそう。簡単にいえば、約2年かけて太
陽のまわりを一周しているわけです。ちなみに火星の自転
は24時間40分ほどで、ほぼ地球と同じ。太陽を一周す
るあいだに686日(火星時間で)かかるそうです。この
ように、時間を測る尺度というのは相対的なものです。
 さらに、人間の歴史のなかでも「時間の測り方」という
のは、時代とともに変わってきました。暦の作り方も変化
してきましたし、時計技術の未発達だった資本主義以前の
時代には「分」「秒」という単位はありませんでした。1
人ひとりが時計を身につけていなかった時代には「時間に
追われる」なんてこともあまりなかったのでしょう。うら
やましいです。
 人間は時間を認識し、時間とともに生活を営んでいます
が、その時間の測り方は、時代や社会によって変化してき
ています。現代の私たちの「時間とのつきあい方」を相対
化してみると、あたりまえの常識から自由になって、おも
しろいかもしれません。

自分を大切にするために、依存先を広げる

きのう(12日)は、介護休みの1日。
といっても、私ひとりが相方を介護するわけではなく、
ヘルパーさんなどが入れ替わり来てくれます。

最近、うちに週何回も来てもらっていたヘルパーさんが
夫さんの病気をきっかけに退職されるので、
その穴埋め調整が結構たいへんなことに。
(ケアマネさんがご苦労されています)

12月から、新しい事業所さんにも入ってもらう予定です。
介護分野は慢性的な人手不足であることを実感します。
でも、介護の支えがないと、わが家は崩壊です。

よく、「他人に介護される」ことに
拒否感をもつ方もおられます。
家や身体というのはプライベートな部分なので、
その気持ちは一定わかります。

ただ、家族介護だけだと必ず限界がきますし、
「他人」というのも、なんというか・・・、変化するんです。

うちに来ていただいている方で、
長い方だともう2年ほどになります。
そうなると、もう「他人」とは思えなくなるんです。
家族とまではいかないけど、
距離的にはかなり近くなります。

うちの中のどこに何があるかも、
遠くの家族より知ってます。

安心感だってあるんですよ。実際に助けてもらっているし。
介護されている方は、みなやさしくていい方ばかりですし。

一緒にいる時間が多くなればなるほど、
いろんな話もしますし、
のっぺらぼう的な「他人」とは言えなくなるんです。

たくさんの方に支えてもらい、
依存先を広げているからこそ、
私たちが私たちらしく暮らしていける。そう思います。