長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

石川民医連看護介護活動研究交流集会にて

きのう(3日)は、
朝イチの新幹線で石川の金沢へ。
10時過ぎから、
第33回石川民医連看護介護活動研究交流集会での記念講演でした。

タイトルは「私らしく生きるために~ひめは今日も旅に出る」。
そうなんです。私と相方の話がメインでした(笑)。

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で、石川民医連といえば城北病院。
城北病院といえば、『笑って死ねる病院』(テレビ金沢)。
ということで再読しながらの移動でした。
もう10年も前に相方から「読みなさい」と言われて
読んだ本ですから、細かい内容は忘れていたのでありますが、
なんと最後がALS患者さんの話でした。

まだ介護保険もない時代の発症。家族介護が中心のしんどさ。
本人と家族のどうしようもなくつらい気持ち。
でもそのなかで生きる喜びも。娘さんの結婚式。
寄り添う医療者たち。
石川に向かう特急サンダーバードの車中で、ひとり涙しました。


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会場のようすです。参加者との距離がちょっと遠くて、
反応がイマイチよくわかりませんでしたが・・・。

相方の病気のこと、介護者として考えたこと、
旅のこと、人権感覚をみがくこと、などなど。
休憩はさみ1時間40分ほど。
伝えたいことをお話できました。

『笑って死ねる病院に』に登場される
柳沢医師も参加されていて、ご挨拶も。
参加は120人ぐらいだったかしら。ありがとうございました。


終了後は石川在住の叔母とランチに。
いろいろと近況報告、交流。
14時20分の特急サンダーバードに乗り、帰宅は18時半。
まあ4時間ですね。

新人研修、そして今年も幹部養成基礎講座

今日(2日)午前中は、
生協労組おかやまの新人研修。
前回を昨年5月にしてから、ようやっと2回目。
日程調整がなかなかたいへん。

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で、みなさん生協で働きはじめて1年近くたち。
前半は職場や労働条件でおかしいな、
困っている、違和感があることを出しあいながら交流。

ある特殊であろうセンターの職場につとめる人は、
なんと入職してから1度も定時で帰っていないとか。
ちょっと話聞いてても異常。
あと共通する課題としては出勤前賃金不払労働。
など、もろもろ。

後半は労働組合の春闘要求もふまえつつ具体的に
「変える」ためにどうするかのやりとり。
1年目だから、当然職場ではいちばん下(力関係で)。
だから「言えない」「動けない」というのはあると思う。
でも、こうした
「声にだせない声」をひろうのが、労働組合だとも思う。

ただ実際にこうした要求を解決するには、
「圧倒的多数の声」にしていく作業が必要。難しい。
今日も、もやもや感が残ったかも。

地道に、こういう対話の積み重ねをしていくことも大事。
あとは戦略だろうな。今は何を勝ち取りに行って、
さらに次の要求への道筋を描く戦略。


午後も、職場に出て少しだけお仕事。
メールで、
2019年度の広島民医連・幹部養成基礎講座(全7回)の
メイン講師の依頼があった。昨年に引き続き。
こうした継続的な学びの機会に関われるのは、
参加者の変化が直接見られるので、やりがいが大きい。
うれしい。がんばります。

よかったー。ボヘミアン・ラプソディ。

きのう(28日)、あまりに疲れていたので、
今日は丸1日お休みとした(いまその途中)。

午前中、岡山イオンに電車で行って、
ピザ屋さんで本読みながらピザ食べる。
休日気分で、グラスワインを注文してしまう。
お昼からアルコール。まさに開放日。

その直後に観た映画『ボヘミアン・ラプソディ』。
もしかしたら寝てしまうかも・・・
との不安はまったくの杞憂に終わり、
全編くいいるように、そしてノリノリ気分で
クイーンの世界にはまったのでありました。

いやあ、ほんと良かった。
とくにウワサに聞いていたあの最後の
コンサートシーンの臨場感とメッセージ性。
その場にいる感覚になれました。

クイーンのこと全然知りませんでしたが、
何曲かは聞いたことあり、
「うお。これクイーンだったのか」というヨロコビも。

その後、イオンのなかのカフェで読書。
あとちょっと買い物して帰ります。

ナイス休日になりそうです。
明日からまたがんばります。

児島歯科にて「ものの見方」学習会

きのう(27日)は午後、
倉敷医療生協の児島歯科診療所にて職員学習会。

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昨年12月に新築・移転したばかりでピカピカ。
となりがケーキ屋さんという立地がまたあれですね(笑)。

学習会テーマは「ものの見方・考え方~民医連職員として」。
2時間たっぷり。

グループディスカッション聴いたり様子をうかがってると、
すごく雰囲気よくて。
ふだんからいい職員チームなんだろうな。

ぶらり、時間散歩 (第5回)

月刊誌『学習の友』のエッセイ5回目(3月号掲載)です。


第5回「時間の節目、時間の色」

 
近代看護の基礎を築いたナイチンゲールは、後輩
たちに次のようなメッセージを送っています。
 「新しい年のくるたびに、私たちひとりひとりは、
自分のあり方を『棚おろし』して吟味してみようで
はありませんか。そうして常に、自分の看護のあり
ようを、良心の計りにかけてみようではありません
か。・・・(略)。
 この新年の『棚おろし』の方法としては、つぎの
ように自分に問いかけてみようではありませんか。
『自分はこの仕事を選んだときの心の動機を今でも
保ち続けているだろうか? 自分はこの仕事をたん
に毎日過ぎればそれでよいものと考えてはいないだ
ろうか? 自分は今でもこの仕事を神に与えられた仕
事だと思っているだろうか? たんなる惰性によっ
てではなく、自分のためや名誉のためでもなく、引
具をつけられた家畜のように、他の人がしているか
ら、仕方がないから自分もするというのでもなく、
本当に他の人々の幸せのために、日常の仕事にひた
すら励んでいるだろうか?』」(『看護婦と見習生
への書簡(6)』1878年)
 ナイチンゲールらしい厳しさがありますが、私は
この文章を読むと、いつも自分の背筋がピンとなる
のです。
 でもここで考えたいのは、その内容よりも、「新
しい年」を節目として自分のありようや立ち位置を
考えるという、人間の時間の使い方です。新年、新
年度、誕生日、○○記念日、創立○○周年・・・。人は、
時間の節目にたったとき、過去を振り返ったり、新
しい目標を立てたり、時間の流れのなかで自分(た
ち)のありようを検討したりします。「今日はあの
震災から何年・・・」というような悲しい出来事も、
立ちどまってその出来事の意味を捉えなおし、記憶
の継承をしたりします。時間の節目を意識するので
す。
 きのうも今日も明日も、同じ1日、同じ24時間
です。時間は無色透明、万人に均質です。でもそこ
に自分なりに意味をつけ加えていく。色を塗ってい
く。過去や現在、そして未来も、人それぞれ、自分
なりの「時間の色あい」を持っていると思います。
 みなさんにとって、2019年はどんな色の時間
になるでしょうか。

ゆらゆらと気持ち揺れ

今週は比較的おだやかに仕事をしております。
細かいお仕事あれこれありますけど。

介護生活もあり寝不足もあり、
中・長期の目標は立てづらいなあ、
まあ流れるままに、と思っているところもあり。

でも目の前の仕事に一生懸命取り組むと同時に、
やっぱり仕事も未来へのビジョンを
もちたいなとも考えていて。

日々ゆらゆらと揺れております。

鹿児島県労連のわくわく講座は4年連続

土曜日(23日)は鹿児島へ日帰り。
岡山から九州新幹線で直通3時間20分ぐらい。
まあ東京行くのと変わりませんね。

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昨年は大河ドラマのせごどんもあり、
鹿児島はさぞ盛り上がったのではないでしょうか(想像)。
会場に行く途中での大久保利通像。

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15時から、鹿児島県労連主催、
わくわく講座閉講式&2019春闘学習会でした。
鹿児島はわくわく講座の学習会で4年連続よんでいただき感謝。
なのでおなじみの人もたくさん。

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この日は春闘学習会もかねてということで、
約30名参加で例年より多め。
2時間持ち時間あったので、偏愛交流から入り、
たっぷりしゃべってもらいました。

終了後、寄り道なしで岡山への帰路へ。
鹿児島はぽかぽか陽気でした。またゆっくり来たいなり。


ひめは今日も旅に出る(22)

「民医連新聞」の相方エッセイ22回目。
わたしが書いております。2回目の登場です。

患者やその家族って、
ほんと医療者の言葉かけやアプローチが大事だなと。
連載も残すところあと2回!

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運不運で左右されるわが国

20回、20回、30回。そして0回。

ここ4日間の夜起きた回数(だいたい)。
相方が寝てる間に痰が上がってきて、
それをティッシュで取るために、ぼくも起きる。
それがここ数日激増。なぜ増えたかは不明。

とうぜん、お互い寝不足。
でも昨夜は泊まりでヘルパーさんが
入ってくれる日(毎週水曜と土曜)で、
ぼくは8時間ぐっすり寝れた。だから0回。

この泊まりで入ってくれる訪問介護事業所さん、
岡山では昨年11月に立ち上がったばかり。
もしこの事業所がなかったら…と思うとゾッとする
(泊まりをしてくれるところなんてほとんどない)。
倒れてたかもね。

相方の進行に合わせたかのようにたち現れた事業所だった。
めちゃくちゃ助かっている。
ラッキーとしか言いようがない。

でも、そんな運不運で介護生活が左右される、わが国の福祉。

運不運で人権が左右される、わが国の現実。

介護離職ゼロ?
安倍政権の6年間で介護や福祉はどうなったんだよ。
どれだけの人が置き去りにされているんだ?
冷酷で残忍な政治、かんべんしてほしい。

声をあげられない人のぶんまで発信したい。

早く政治に希望を見出したい。

82年、春秋山伏、サイレント、生きづらい、去年の冬

最近読み終えた本。


『82年生まれ、キム・ジヨン』
     (チェ・ナムジュ、斎藤真理子訳、筑摩書房、2018年)

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韓国でベストセラーになったジェンダー小説。
つねづね、ジェンダーギャップ指数で
下位の日本よりさらに韓国が下なのが疑問でしたが、
こんな現状があったのだと慄然。
男性のみなさん読んでください。


『春秋山伏記』(藤沢周平、新潮文庫、1984年)

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山形、出羽三山で修行をしながら暮らす
山伏の習俗をもとにした小説。
江戸後期の庄内地域の農村の暮らしがありありと伝わってくる。
方言の表現も。
久しぶりに藤沢周平読んだけど、やはり味わい深いですな。


『サイレント・ブレス~看取りのカルテ』(南杏子、幻冬舎文庫、2018年)

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現役医師による医療小説第1作目。
2作目の『ディア・ペイシェント』は昨年読んだっけ。
こちらは在宅医療のなかでの看取り、
病人からしたら「死に方」を中心に。
多様な生が、多様な死のあり方を生んでいるのだろうな。
よかったです。


『生きづらい明治社会~不安と競争の時代』
        (松沢裕作、岩波ジュニア新書、2018年)

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明治時代の人びとの生活と「通俗道徳」に着目しながら、
現代との共通性についても提示。
いまでいう自己責任論が明治社会の人びとにも
強い規範として存在していた。新書なのでサクッと読める。


『去年の冬、きみと別れ』(中村文則、幻冬舎文庫、2016年)

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ミステリー小説なんだけど、
仕掛けがいろいろありすぎて、
最後はよくわからない感じで終わってしまった。
もう1度読めばわかるかもしれないが…。

『学習の友』読書会に19歳のワカモノが参加

昨夜(18日)はお久しぶりの『学習の友』読書会。
6人参加。初参加は最年少19歳!

とうぜんのことながら、特集にある「春闘」という
言葉がわからず、いろいろ語彙を説明するところから!
でも楽しいね、こういうの。

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そのワカモノが気になったという
「安倍首相はがんばってる?」(吉田豊)の
記事を読み合わせて感想交流。

よく考えたら安倍政権6年続いていて、
13歳からずっと安倍政権。
「民主党政権のこと覚えてる?」とか、
いろいろ盛り上がりました☆

仕事術という、チームワーク論

『プレイングマネージャー 「残業ゼロ」の仕事術』
    (小室淑恵、ダイヤモンド社、2018年)を読み終える。

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本屋でたまたま目に入ってきた1冊で、即買い。
小室さんの本は、
『労働時間革命』(毎日新聞出版社)以来2冊目。

ワークライフ・バランスを実現するために、
1000社以上のコンサルティングを手掛けてきた会社の代表。
だからこその、豊富で具体的な手法が参考になる。
たんなる手の問題ではない、深い課題を提起しているように思う。

活動系の人は、
本屋さんのビジネスコーナーに並んでいるこの手の本を、
「自己啓発っぽい」「もうけのための狭い方法論」と
敬遠することもあるかもしれない。

でも、食わず嫌いはやめよう。
学べることからは、どんどん学ぶ。
優れたものからは、謙虚に学ぶ。

この本は、労働運動や政治運動の
リーダーにこそ、ぜひ読んでもらいたい。
応用できることろがたくさんある。

自分たちの働き方を見直すこともできるし、
組織論・チームワーク論として読むと、
われわれの運動の立ち遅れが突きつけられる。
(シーンとなる会議、仕事の「属人化」とかね)

本書を貫く課題は、「関係の質」向上である。
なんでも言える、思っていることを表現しあえるチームこそ、
高いモチベーションで成果を生み出すことができる。
集団の力、知恵を集められる。

対話の技法(あるいはしゃべらない意味)や、
仕事の「属人化」からの脱却の道すじ。

とくに第2章「『関係の質』がすべて」を読んでほしい。
リーダーがすべきいちばん大事な仕事とは何か。
そのためにどう自分の仕事を客観視し、
「緊急ではないが重要な仕事」の比重をあげられるか。

自分たちの活動や働き方を見直す指針のひとつに、
本書はなるだろう。

ぜひ読んでほしい。