長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

幹部養成基礎講座からの労働組合そもそも

金曜日(30日)は14時から、
広島民医連の2019年幹部養成基礎講座の3回目。

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この日は前半、それぞれの自己満足度の分析、
「がんばるスイッチ」「ブレーキスイッチ」を交流。
まわりのスタッフを多面的にみる眼を養いました。

後半は日本国憲法制定の歴史的背景や平和主義についての
講義とディスカッション。
日本の近現代史、侵略戦争についての話がみな印象に残ったと。
若いスタッフに継承していく苦労や工夫も語り合われました。

さすが幹部候補のみなさんなので、
ディスカッションでの深まりと気づきあいが活発だなと。
よい時間になりました。

お役目おわり、広島駅に戻ると、
赤い人がいっぱい! そこらじゅう赤い!
カープの試合があったようであります。
優勝きびしくなりましたなあとタクシーの運転手さんとも。

18時過ぎの新幹線で岡山に戻り、
19時から生協労組おかやまの新役員研修会での講師仕事。

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いつもの労働組合そもそも話を25分、
感想交流15分。これやるのが大事です。

考える時間。それが楽しい。

最近、コーチングの本に感化されてか、
行動計画や目標をたてまくっている。

いろんな本を読んで、勘所がつかめてきたけど、
概念整理や方法論が理解できれば、
最後に大事なのは(そして難しいのは)、
「ひとりで考える時間をつくる」ではないかと思う。

そして考えたことを、書く。

これができれば、自分のすることが
客観視できて、明確になる。
最近、その時間を意識的に増やしてきた。

介護体制も拡充してきて、
仕事に力を入れられる心身の準備ができたのかもしれない。

毎日、毎日、考えている。
未来を構想している。
それが楽しい。

ぶらり、時間散歩 (第11回)

『学習の友』の時間エッセイ11回目です(9月号掲載)。

第11回「ヒマの復権を」

 哲学活動家・高田求さんの『学習の方法―学び方の
弁証法』(学習の友社)のなかに「「急ぐこととゆっ
くりすることの弁証法的統一」という言葉があります。
 弁証法とは、あるものごとのなかで、対立しあい排
除しあう傾向や要素が、じつはお互いの存在を前提に
していて離れられず、そのぶつかりあいによってもの
ごとは動いていく、という見方をします。ややこしい
ですね。
 「急ぐこと」と「ゆっくりすること」は、真反対の
傾向です。でも、急ぐことを求めるがゆえに、「ゆっ
くりすることの価値」が再発見できる。ゆっくりすす
むという傾向があるからこそ、急ぐことへのパワーが
生み出される、そんなふうに私はこの言葉をとらえて
います。弁証法的時間とのつきあい方です。
 資本の時間に支配された社会では、急ぐことの対極
にある「ヒマ」という言葉は評判がよろしくありませ
ん。「あいつはヒマなやつだ」とか、「ヒマをもてあ
ましている」とか、「そんなヒマがあるのなら~をし
ろ」とか。資本はムダを嫌います。余暇を嫌います。
そして人々の内面まで支配してしまうのです。
 三省堂『新明解国語辞典』は「今しなければならな
い仕事などが無くて、自分の好きなことが出来るのん
びりとした時間(状態)」とヒマを定義しています。
いい! ヒマバンザイではないですか!
 そもそも、私の好きな哲学という学問も、ヒマがな
ければ生まれませんでした。古代ギリシャの哲学者は
仕事も家事もせずに、たっぷりとしたゆとり時間があ
りました。つまりヒマだったのです。「自分の好きな
ことができるのんびりとした時間」は、学問、自然科
学、文化の発展の条件となりました。ヒマこそが、人
類を発展させるパワーになったのです。すべての人類
はヒマに感謝しなければなりません。
 何かを「効率よく行う」「急いでたくさんのことを
する」ことにも価値があります。でもそれは、ゆっく
りとできる時間がたっぷりあるなかで、より輝きを放
つと思います。人間らしい急ぎ方ができるようになり
ます。
 いまこそヒマの復権をたたかい取りましょう。生活
のど真ん中にヒマを! 健康で文化的で、ヒマのある生
活を!

不思議の、目標達成、歌に、グループ、人間の、僕が

最近読み終えた本。

『不思議の国のアリス』
  (ルイス・キャロル、河合祥一郎訳、角川文庫、2010年)

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松本市立美術館で開催中の
不思議の国のアリス展に行く前の予習で。
児童文学である原作読んだことなかったけど、
かなりハチャメチャな物語だったなー。


『目標達成の神業~No.1プロコーチのセッションブック』
           (馬場啓介、かざひの文庫、2018年)

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物語風にコーチングのキモを学べる。
なにがエネルギーの源(コア・ドライブ)になるのか、
楽しまなければパフォーマンスは上がらないなど、
大事な視点が随所に。馬場さんの他の著書も読んでみよう。


『歌に私は泣くだらう~妻・河野裕子 闘病の十年』
           (永田和宏、新潮文庫、2014年)

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ともに歌人として活躍する夫婦の闘病エッセイ。
永田さんは細胞生物学者。
歌とともに語られる感情の揺れ動き、葛藤や慚愧の思い。
夫婦のぶつかりあいと結びつき。
これだけ繊細に記憶を語れることも驚き。


『グループ・コーチング入門』(本間正人、日経文庫、2007年)

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あんまり目新しいことはなかったような。
質問の内容を整理しよく考えるのは大事。


『人間の尊厳を築く反核運動』(冨田宏治、学習の友社、2019年8月)

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核廃絶の情勢や現代社会の課題がコンパクトに。
来年は2020年NPT再検討会議がニューヨークで。世界大会も。
非常に重要な分岐点で、
5年前もしたような核ZERO連続講座(学習協主催)を
またしたいなと思い浮かぶ。
岡山県原水協の方にも昨日相談。形にします。


『僕がトマト王子になた理由』(馬場啓介、エベイユ、2011年)

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いわるゆ目標達成本。
自分自身に良質な質問をし、期限を設定し、
そこに向けて感情をつくる。
批判的に読むこともできるけど、
「8つの質問」を応用して使うこともできる。
運動・組織に何が活かせるか。いつも考えるのはそこ。

労働学校募集推進ニュース「猛ダッシュ」1号

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これから、
93期岡山労働学校の募集推進ニュース「猛ダッシュ」を
発行していきます。

本気で成功させます。
みなさんのご協力をぜひお願いしたいです。

きのうの1号の見出しは
「新しい受講生が3名申込み!10月3日(木)開校に向けダッシュ!」
となっています。

記事のおもな内容は以下です。

【本日から募集推進ニュースを発行します】
 今日(26日)の午前中、林病院(林精研労組)の若い
職員さん2人から、申込書のFAXが。労働学校は初め
てのお2人。職場の先輩から「一緒に行こうよ」とお手
紙つきでチラシを渡され、参加を決めました。職場で
誘ってくれる人がいるかどうかが、決定的に大事です。
労働学校は存在自体が知られていません。ぜひまわ
りのみなさんに声をかけていただければと思います。
今日から随時、募集推進のニュースを発行していきます。

【入門的な教室内容。学びの面白さを!】
 今期は「ものの見方・考え方教室」で、誰でも入りや
すい、入門的な内容になっています。学ぶことは楽し
い!! ここにくると友だちや仲間ができる!という労
働学校の魅力を体験してほしいと思います。通し受講
の申込みは現在10名。うち労働学校が初めてという
受講生は現在3名です。全体目標は30名。あと1か月、
ぜひ広げてください!


【こんな職場から受講してます】

現在の申込者の所属は以下のようになっています。

*岡山医療生協労組4名
*林精研労組2名
*民青同盟2名
*岡山市職労1名
*生協労組おかやま1名


以上。

第34回長野県医療研究集会で講演

土曜日(24日)は、松本駅前のホテルでゆっくり始動。
なつぞらを久しぶりに見ました。
前回みたときは北海道にいたような。
アニメーター&母親になってました(@_@)

9時半にはお仕事会場に。

午前中、第34回長野県医療研究集会での記念講演。

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の前に、長野県医労連の傳田書記長が基調報告。

私からは、
「人間らしく生きるということ
~医療・介護・福祉労働者がいきいきと働き続けるために」
という長いテーマで休憩はさみ90分。
久しぶりのパワポでの講演でした。

なぜ学ぶのか、労働組合のそもそも、人権感覚をみがく、
歴史を学ぶと強くなる、という流れ。

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写真はお昼休憩時の微妙な写真。

お昼休憩はさみ、
午後も、長野県医療研究集会の分科会でのお役目。

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第5分科会「地域ケア」で、
「在宅療養の現状」というテーマで1時間ほど
相方を介護している立場からの報告をさせていただきました。

終了後はグループディスカッション。
在宅のおもしろさと難しさ、制度とマンパワー不足、
人権尊重とはなにか、などなど、話はつきないようでありました。
みなさんの受けとめに学ぶことおおし。

16時前に会場をあとにし、松本駅までてくてく歩く。
朝ごはんも美味しくて(漬け物が)、
パクパク食べてしまったので、少しでも運動。

と言いつつ、
松本駅近くのお店でおつかれさまの生ビールぐびぐび。

でも、帰りの移動でもほぼ寝ずに読書。
この2日間でほぼ4冊読めました。
なにせ移動時間が長いですから・・・(笑)。

長野のみなさん、ありがとうございました。

松本で、不思議の国のアリス展に

金曜日(23日)は、
いつものように9時過ぎに自宅を出発し、長野の松本に。
14時過ぎに松本駅着。5時間かかった。
でもこの日は移動だけ。土曜日の講師仕事のための前泊。

松本駅からバスで浅間温泉に向かい、
温泉でまったりしたあと松本市立美術館に。

不思議の国のアリス展をやっているのでありました。
行きの移動中に原作、
『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル、河合祥一郎訳、角川文庫)
を読んで予習。

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アリス展は、
想像力かきたてられる物語の豊かさを存分に味わえました。
挿絵の数々がイメージをふくらませる力に。
原作を読んでから行ったので良かった。

美術館のあと、松本駅近くのホテルにチェックイン。
18時からは長野県医労連の方々と懇親会。
組合活動、学習運動、在宅療養、など話題はあちこちに。

21時前頃、ホテルに帰り、うだうだしつつ、
23時頃就寝。

つづく。

松本でゆっくりの1日

今日(23日)は午前中から長野の松本に移動予定。
明日午前中からの講演仕事のため、前泊。

前々から、今日はなんとしてもゆっくりしたいと、
がんばって仕事をすすめてきました。
おかげで、午前中仕事せずに、
松本に早めに入ることができ、温泉と美術館に行きます。

夜は明日の主催者の方と懇親会。
1日ゆっくりと過ごそうと思います。

コープ北畝で新役員研修

水曜(21日)の夜は、
生協労組おかやまの新役員研修でコープ北畝(倉敷市水島)に。
2階にあがると、だいぶん古い店舗なんだなあと実感。

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19時から労働組合のそもそもを30分ほど話し、
15分ほど感想交流。

後半は参加者の声を聞きながら、
専従の方から具体的役割の説明。

それぞれ条件や問題意識の違う役員のみなさんが力を
発揮できるようにするためには丁寧な交流が必要だ。

「変革のための・リーダー研修講座」を開催します

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20代前半の頃から、
運動論や組織論についての本を読むのが好きでした。
というか、学ぶのは文献しかなかったのです。
あとは前の学習協専従者の背中を見て学んできました。

文献では、労働運動や政治運動の運動・組織論はもちろんのこと、
スポーツのチームづくりや学校教員の教育実践などからも、
応用できるものはなんでも取り入れて、
岡山の学習運動に活かしてきたつもりです。

ただ、それをまとまって学びの場として提供する機会は、
これまでありませんでした。
しかし近年、コミュニティ・オーガナイジングや、
レイバーノーツの「秘密のレシピ」など、
まとまった形での運動論とワークショップ形式での
学びの場が注目されはじめ、
日本でも実践に取り入れている組織が増えてきています。

それに刺激される形で、私もここ数年、
ファシリテーションやコーチングの本をあさってきました。
コミュニティ・オーガナイジングはつまみ食いで
まとまって体験はしてませんが、
なるほどと思える部分を学んできました。

「いつか形にしたい」という思いはしだいに強くなりはじめ、
昨夜の学習協常任理事会で
「変革のための・リーダー研修講座」の企画を提案し、
GOサインがだされました。

第1歩を、ふみだしたいと思います。

12月15日(日)
9:30~17:00の丸1日の研修講座です。

≪タイムスケジュール≫

①9:30~11:50
「運動・組織と“関係の質”~リーダーの役割」

要求を実現していくために、運動・組織を強く大きくしたい!
と思っているみなさん。まず何から手をつけたらいいのか。
それは関係の質を変えること。そのなかでリーダーの役割を考えます。

*昼食休憩11:50~13:00(各自でお願いします)

②13:00~15:30
「目標の達人になる~目的・ビジョン・ゴール・目標」

目標を立てても、いつも未達成で終わる。
そんなことはありませんか。なぜそうなるのか。
目標とはいったい何か。整理します。

③15:40~17:00
「リーダーと学習~成長への原動力」

運動や組織を変えるために、
いちばん手っ取り早く「できること」は「私が変わる」こと。
そのための学びのレッスン。

ところ:岡山市勤労者福祉センター会議室(岡山市北区春日町5-6)
講師:長久啓太県学習協事務局長
参加費:2000円(学生1000円)
参加規模:25名前後(多数の場合は打ち切りあり)

【主催&お問い合わせ先】
岡山県労働者学習協会 TEL&FAX 086-232-3738
E-mail gaku3738@iris.ocn.ne.jp

≪申込みはメールかFAXでお願いします。
申込みがなければ参加できません≫

『学習の友』9月号で紹介されました。

『学習の友』の9月号「本の紹介」で、
ひめ本がとりあげられています。
労教協事務局の長島さんが書いていただいています。
ありがとうございます!

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犬が、神さま、人の、ママは、医療を、親愛なる、知の

最近読み終えた本。


『犬が来る病院 命に向き合う子どもたちが教えてくれたこと』
              (大塚敦子、角川文庫、2019年2月)

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小児病棟にセラピー犬を導入した聖路加国際病院。
小児がんや難病を患う子どもたちと、
トータルケアを実践する医療従事者の記録。終始ウルウル。
細谷亮太先生が子どもに死を語る場面にうなる。


『神さまに質問 筋ジストロフィーを生きたぼくの19年』
             (栗原征史、ファラオ企画、1992年)

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自らの存在の証をたしかめるように、
新聞をつくりつづけた筋ジス患者の著者。
19才とは思えないしっかりとした文体。
障害者差別のひどさ、障害福祉サービスのなかった時代の困難さを思う。


『人の力を引き出す コーチング術』(原口佳典、平凡社新書、2008年)

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わかりやすくコーチングの基本が学べる。
コーチングというのはたんなるスキルじゃなく、
相手の力を信じてそれを支援・引き出すという
姿勢や考え方が基礎にある。
労働運動や政治運動にも応用すべき。


『ママは身長100㎝』(伊是名夏子、ハフポストブックス、2019年5月)

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爽やかで率直な生き方に共感することばかり。
骨の弱い障害「骨形成不全症」というものを初めて知る。
妊娠・出産、子育て生活やヘルパーさんとの関係、
これまでの歩みが具体的に書かれていて、面白いし参考になる。良書。


『医療を民衆の手に~津軽保健生協のたたかい』(津川武一、民衆社、1969年)

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胸アツ。農民とともに、働くものの手に医療を取り戻し、
たたかいの拠点を育てあげた医師の話。
いまの言葉で言えば、農民をエンパワーメントし、
当事者運動を組織した記録。こういうの読むとほんと刺激になる。


『親愛なるナイチンゲール様~あなたが弱き者と共にあったように』
                 (川嶋みどり、合同出版、2019年6月)

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川嶋さんは他の著作でもことあるごとに
ナイチンゲールに触れているが、
まとまって彼女の足跡をたどったのが本書。
さすが川嶋さんという安定の内容。看護師さんに読んでほしいなあ。


『知の体力』(永田和宏、新潮新書、2018年)

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特別新鮮な発見!!というわけではなかったけど、
ひじょーに大事なことがたくさん書かれていたので、
もう1度読み返したい。若い人への良質なメッセージ。
自分のものに少しでもしていきたいと思う。
永田さんのほかの著書も読みたい。