長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

さて、今日からお仕事。

31日の夜、「大晦日だから」と言い
缶ビール2本を飲み干し顔を赤らめていた相方。

1日は「元旦だから」と昼からやはり缶ビールぐびり。
ALS患者となり4年目。
1日1日、人生を楽しんでおります。

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元旦の昼食はコープで頼んだますの寿司を頂きました。

年末年始は介護体制が弱くなるので、少々きつかったですが、
1年前に比べるとそれも軽減。
ゆっくりと過ごした日々でした。

さて、今日(4日)からお仕事です。
みなさま、今年もよろしくお願いいたしますm(__)m

2019年の簡単なふりかえり

今日は事務所に出て最後のお仕事。
講師依頼がメールでひとつあった。
ほか、原稿書いて送ったり、事務所の片づけを少ししたり。
で、終わりが見えたので、恒例の1年のふりかえりやっておきます!

【1月】
2日映画『こんな夜更けにバナナかよ』鑑賞。大泉洋が鹿野さんを好演。
12日林精研労組の旗びらきで労組のそもそも講演。
思えばこれがきっかけで
93期岡山労働学校の林から12名の大量受講につながる。
20日久しぶりに北海道で講師仕事。
25~27日岡山民医連の平和ゼミで沖縄FW。

【2月】
2日静岡県評女性部で「対話でひらく、労働組合運動」の講演。
こういうテーマ大事。学習会自体も対話中心で。
7日医労連看護要求実現全国交流集会で講演。
この講演がきっかけで芋づる式に講演依頼が増える。
11~12日山形へレスパイトひとり旅。上山温泉の古い旅館でまったり。

【3月】
1日映画『ボヘミアン・ラプソディ』鑑賞。クイーンのCDも勢いで購入。
3日石川民医連の看護・介護活動交流集会で相方の介護話を中心に講演。
15日~21日「行っとこう旅in沖縄」6泊のゆとり旅最高!
相方が「民医連新聞」に連載していたエッセイが大好評のうちに完結。
全24回。

【4月】
学習協専従22年目に突入。4日、後楽園に相方と花見にでかける。
18日岡山民医連平和ゼミ6期目・全10回が終了。
24日岡山県学習協54回総会。
27日~5月2日まで「行っとこう旅in秋田」へ。
白神温泉ホテルでまったり。
菜の花と桜のコラボレーションが素晴らしかった。青森もちょい。

【5月】
7日ソワニエ看護専門学校での「ものの見方・考え方」の
授業14年目がスタート(全15回)。
10日学習協「人権講座2019」がスタート(全5回)。
あらためて人権を深める機会に。
12~13日姫路市の家島にレスパイトひとり旅。割烹旅館の夕食が絶品!
23日蒜山高原に相方とお出かけ。

【6月】
滋賀、福岡、東京、福井、香川、青森、広島、愛知。
県外講師仕事が8回もあり忙しく動き回る。
相方のエッセイをまとめた『ひめは今日も旅に出る』が
日本機関紙出版センターから出版。
ALSデーである21日に山陽新聞で相方が紹介される。
30日プチ出版パーティーをわが家で。

【7月】
やはり7月も学習会多く、バタバタと過ぎ去る。
19~22日「行っとこう旅in神戸」。神戸の中心部のホテルで、
夜景も素敵で、食事も最高。大満足の都会旅に。
21日参議院選挙投開票。低投票率を高める特効薬はない。
下からの運動をつくっていく重要性をあらためて痛感する。

【8月】
6~7日レスパイトひとり旅in青森。念願のねぷた祭りに。
五所川原の圧巻の23メートルたちねぷた。身震いがした。
10日地元のお祭りに相方と。打ち上げ花見を堪能。
17日コープおきなわ労組で講演。初の日帰り沖縄(笑)。
93期岡山労働学校の募集本格化。1対1対話を積み重ねる。

【9月】
引き続き93期岡山労働学校の募集に全力。引き続き1対1対話を重視。
目的とゴール、目標と行動計画を整理し実践。
毎日の行動計画を書いては考え、考えては書く日々。
13日45歳の誕生日。5年後の50歳をみすえてあれこれゴールを設定する。
14~16日「行っとこう旅in淡路島」。旅計画が詰め切れず、
少し消化不良に。でも景色はすばらしかった。

【10月】
3日岡山労働学校の93期「ものの見方・考え方教室」が開校。
第1講義は32名の参加で大成功。積み重ねてきた努力が実った形に。
6日全医労全国女性集会で講演。看護師さん中心の労組活動に驚き。
13~17日「行っとこう旅in青森」。紅葉を満喫。
美味しい料理と温泉。青森最高!

【11月】
『学習の友』に連載していたエッセイ「ぶらり、時間散歩」が全12回で終了。
時間についてあれこれ気軽に、自分の実感をこめて書けました。
21日93期岡山労働学校の全9回カリキュラム終了。
若い人が躍動し感動の労働学校に。今後にむけた貴重な時間になった。
24日倉敷でディズニー・オン・クラシックを相方などと鑑賞。
30日相方の誕生日を京都で。仲間たちがひらいてくれたパーティー。感謝。

【12月】
9日東京出張のついでに両親と姉と久しぶりの会食。
15日初の試み学習協主催「リーダー研修講座」が21名の参加で成功。
今後は、さらに内容を洗練させ、数多くやっていきたい。
26~29日「行っとこう旅in沖縄」。相方との泊り旅は今年7回。
来年もたくさん旅にいけますように…。

 


…やっぱり淡泊になっちゃうな。ツイッターでの連投なので。
今年は仕事も相方との旅生活も、本当に充実でした。
体調もほぼ安定していて、健康でいられることにも感謝です。
介護を支えてくれている方々、仕事で出会い、
関係づくりができたみなさん、ほんとうにありがとうございました。

充実の沖縄旅でした。

昨夜、無事に沖縄から帰ってきました~。
おいしいものたくさん食べ、ちょっと夜更かしのぜいたく。
よい旅になりました。
今回もたくさんの人にお世話になりました。感謝です。

1月2月は寒いため、
風邪をもらってもいけないので冬眠し(笑)、
また3月に旅に行きたいと思います

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沖縄の海と猫さん。

23回目のツアー、行ってきます!

今日(26日)から4日間、
「行けるときに行っとこうツアー2019 第7弾in沖縄」です。

今年もたくさん旅に行くことができました。
相方がALSと診断を受けてから、3年間で23回目の旅です。
人工呼吸器つけた、全介助の障害者ですからね。
すごいなと思います(笑)。

来年も、すでに3月と4月の旅計画があります。
次のゴールをしっかり設定して、人生を楽しみます!

目的達成プログラムづくり

12月15日に行われた岡山県学習協主催の
「変革のための・リーダー研修講座」の報告3回目、これで終わりです。

後半したのは、「目標の達人になろう!」です。
谷口貴彦著『ザ・コーチ』の内容などを参考に、
自分なりに再構築しての問題提起でした。

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最後に、目的達成のプログラムづくりをしてもらったのですが、
慣れないのもあり、みなさん苦戦されていた様子。
ご安心ください! 私も自分のものにするのに1年かかりましたから!
実践してみて体得する部分も多いかなと思うので。

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プログラムづくりは、グループごとに1番いいと思ったものを、
ホワイトボードに書いてもらって全体でシェア。
学びあいの有意義な時間だったと思います。

 

問題提起の概要と、参加者の感想をご紹介します。

 

【目標の達人になるとは?】

目標をつねに達成できる組織になれば、怖いものなし。
が、現実はいつも目標未達成で終わり、総括も不十分…。
ということはないでしょうか。

目標に向かって努力することで、人や組織は成長します。
苦楽をともにすることで、かけがえのない人生の仲間もできます。
さらに目標を達成すれば、それが大きな自信にもつながり、
「自分(たち)はできる」という力が湧き、
次の目標設定に向かうエネルギーになります。

目標を達成するには、それに向けた「行動」を
積み上げられるかが勝負です。
結果は選べません(コントロールできない)が、
行動は選べます(コントロールできる)。
するか、しないか、だけです。
でも、行動が滞ることもしばしば。
「行動する」を阻んでいるものはなんなのでしょうか。

第2部では、目標を達成するための応用性の高い「考え方」
「言葉の意味と関連」を整理し、みなで議論していきたいと思います。

ディスカッション(1)
ある労働組合の「2019年度活動方針(案)」を読んでみて、
感想や気づきを出しあってみましょう。


【目的・ビジョン・ゴール・目標・行動計画、の整理】

「人は、より力を発揮するために、他の人と関わり合います。
誰かと言葉を使って意志の疎通を図ろうとする時、同じ言葉
の解釈が違っていては、伝えたいことが、相手に伝わらなか
ったり、誤解されて信頼を失ったりしてしまいます。人と人
が関わり合って何かを成すためには、前提として、お互いが
使う言葉が、同じ理解の下で交わされているかどうかが、と
ても重要になります」(谷口貴彦『ザ・コーチ』小学館文庫)

目的とは…「成しとげようとする目指す事柄」。「何のために」、
今この活動・行動をしているのかの言語化。目標の先にあるもの。
成しとげたら、新しい自分に出会え、誰かを喜ばすことができる。

ビジョンとは…「将来あるべき姿を描いたもの」。将来の構想。
未来像、その光景。鮮明で、その光景を頭に思い浮かべると、
うれしくなる、わくわくする。感情が動く。ゴールに向けて
行動するための強化剤。

ゴールとは…「目的のための最終的な目印」。目標の最終地点。
期限があり、客観的に検証できるもの。

目標とは…「目的・ゴールに向けての中間目印、途中の目安」。
目的の実現のために設定される。目的は「方向」で、目標は
「地点・距離」(どこまで階段を登ったか)。期限がかなら
ずあり、客観的に成否が検証できるもの。

行動計画とは…「目標にむけての日々の行動実践」。今日、
明日、今週、なにをするかの具体的計画。書き出すこと。
あとはやるだけ。細かいやることリスト(スモールステップ)を
つくり、積み上げながら、目標へと走る。


≪ワーク① マラソン選手編」≫
( )のなかに「目的・ビジョン・ゴール・目標・行動計画」を入れよう

*来年夏の東京オリンピックで金メダルを取る(     )
*10キロのタイムを3か月であと1分短縮する(     )
*自分の可能性に挑戦することで、子どもたちにスポーツの
 素晴らしさを伝えたい(    )
*今月、毎日25キロ走りこむ(     )
*春のレースで自己新記録を更新する(     )
*半年間で脚力を5%強化する(     )
*誰よりも速く走って大声援をあび、気持ちよく疾走する(     )
*毎日の食事を記録し、体調管理を徹底する(     )
*金メダルをみせて、支えてくれた人や家族に感謝を伝え、
 喜びあいたい(     )
*オフの時間に、オリンピック経験者に会いに行き心得を聴き、
 精神的準備をする(    )

≪ワーク ②〇〇県〇〇町の病院統廃合阻止編≫
同じく( )のなかに「目的・ビジョン・ゴール・目標・行動計画」を入れよう

*病院のある〇〇町の首長・議長、議員などと懇談する(    )
*3か月で2万筆の署名を集めて請願行動をする(    )
*統廃合の問題点やねらいを知らせるビラを全戸配布する(    )
*統廃合を最終的に断念させる(    )
*この機に、地域医療の現状や今後の方向性を議論できるネットワーク
 をつくる(    )
*次の地元議会で、統廃合反対決議をあげてもらう(    )
*安心して医療を受けられ、「ここでずっと生きたい」と思える町に
 する(    )
*地元国会議員にアポをとり、協力をお願いする(    )
*統廃合を阻止し、心配していた住民のみなさんの笑顔を取り戻す、
 喜びあう(    )
*病院関係者と毎月懇談を重ねて、ともに運動しあう関係になる(    )
*「阻止連絡会」の代表に、地元の有力者である〇〇さんになって
 もらう(    )


運動や組織の方針は、基本文章だけで書かれているので、
イメージがわきにくい(と思う)。

図式化し、目的やビジョン、ゴールに向かうための目標・行動計画を
鮮明にするのが大事。

道すじは多様。運動・組織の特性にあわせてアレンジし、
フィットするものにしていく。

自分(たち)の目的・ゴールをまわりに公言することも大事。
自分にプレッシャーをかける。協力者してくれる人が増える。

長久の実践―93期岡山労働学校の募集の取り組み。
ゴールを「10月3日に受講生30名で開校をむかえる」に設定。全世界に公表。
目的やビジョンを書き出し、つねに向きあい、モチベーションを維持する。
節目節目に「申込み到達」の目標を設定。1対1対話の人数も目標をつくった。
あとはひたすら目標に向けたスモールステップを積み重ねていった。

することリスト(とくに、今日、明日の)をいつも書き出し、
実践していく。考える時間をつねにつくろうと意識化した。
寝る前や朝の時間にメモ書きを習慣化。
書くことでワクワクする感情を得られた。
わりきって「これはやらない(できない)」を決め、労働学校に集中した。


【テーマ③ 目的達成プログラムづくりを練習してみましょう】

「目的・ビジョン・ゴール・目標・行動計画」の言葉を使って、
実際に目的を達成するためのプログラムづくりをしてもらいます。
あくまで練習ですので、気軽に。

個人的なものでもOKです(英語習得、ダイエット、資格取得など…)。
運動や組織にかかわるものは、難易度があがります(協力者の
組織が必要なため)。ポイントは、目的やビジョンの共有化と、
各自が行動計画まで落とし込めるか。

■個人発表(1分程度)
今日の研修に参加しての感想、学びになったポイント(を中心に)。
「この人に研修を受けてほしかった」という仲間が思い浮かびますか?
次にやってほしいリーダー研修の内容など。

以上。


【参加者の感想】

◆来てよかったです。関係の質の考え方や目的達成の手法など、
とても勉強になりました。今後、活動に活かしていきたいです。

◆今後、物事を行うとき、目的・ビジョン・ゴール・目標を
しっかりと持って行動していこうと思います。今日学んだことは、
職場や労組に持ちかえって伝えたいと思います。また開催して
いただけたらと思います。グループワークは大変疲れましたけど、
終わってみたらとてもよかったので、次回もまた取り入れて
もらいたいです。

◆丸1日、長いなぁと思っていましたが、あっ!という間に
終わってしまいました。むしろ時間が足りない感じです。
泊りでもおもしろいかも!?と思います。

◆これまでのとりくみが「わくわく」するようなものであったか、
考えるよい機会となりました。

◆目的やビジョンを図式化したり、公言して具体的なイメージ
を共有することが活動を進めていくうえでとても大切だと思った。
そして何事をするにしても、自分自身がワクワクするような
ビジョンを持って、目的達成できるプログラムを作っていきたい。

◆最後に行った目的達成プログラムづくりで、具体的な行動、
めざすことを整理して明らかにする方法がわかった。実践していきたい。

◆みんなで学ぶことの意義を改めて実感しました。とても
すてきな場をありがとうございました。

◆自分の今の仕事のすすめ方を見直すきっかけになりました。
目的・ビジョンを持った考え方、行動を意識し実践することで
成長していきます。

◆改めて、誰でもできるように伝えていくこと、言語化が
とても大切だなと思いました。言語化されるとこんなにも
目が覚めるような学びの楽しさに出会えるのかと感動でした。
何をするにも、特に運動は自分1人ではできないから、
目的とビジョンが共有されてると1人1人の力を最大限に
発揮できるだろうと思いました。集団で議論すると深まる
体験をできました。今回学んだものを実践してこそ本当に
自分のもの(自分が使える)になるのかなと思います。
何度でも何度でも学んだことを確認していきたいです。
こういった研修をみんな求めてると思います。もっと場を
つくってほしいです。そして自分も伝えられる側になれる
よう学びたいです。

今年は136回でした。

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きのう(24日)午後は、
林精神医学研究所(林病院、ひだまりの里病院)の中堅職員研修で
日本国憲法の講義。これで2019年の講師仕事は終了。

今年は136回の学習会で
お話をさせていただきました(うち約3分の1が県外)。
まあ、たぶん、例年と同じぐらいかな。

多くの出会いと、
学びの場づくりに関与できる仕事をしている幸せ。

本当にありがとうございます!

むずかしいテーマ 関係構築

12月15日に行われた岡山県学習協主催の
「変革のための・リーダー研修講座」の報告2回目。
会場設営ワークを終えてから、
中盤は「関係構築」をテーマに学びあいました。

といっても、ここの部分は私自身、
どんなワークをしてもらおうか、どう問題提起すればよいか、
など十分に煮詰めきれていないところ。
私が大事なことだと考え実践してきたことをポンポンと提起し、
参加者どうしの交流に「まかせた」という感じでした。

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参加者も、とても大きなテーマで日頃から悩んでいる問題でもあり、
どれだけ話をしてもスッキリ感が得られにくかったかなと思いました。
まだまだ精進せねばなりません。

以下、おもな問題提起と、参加者の感想を少しご紹介します。


●問題提起-関係の質をどうつくり高めるか

関係構築とは何か。人が集まると、人と人との間に関係性ができる。
関係性とは、つながりとその強度。相手の名前や人となりを知る。
もっている力や知識、経験を知る。対話をつうじて高まり。
力を貸したり、借りたり。「~しあう」関係ができ、一緒に行動へ。

組織とは、人の集まりであると同時に、関係性の集まりでもる。
関係性の質が、組織の力・パフォーマンスを左右する。
たとえば労働組合=「数の力」とよく言われる。
しかしその「たくさんの組合員」どうしの関係の質によって、
発揮できる力は変わってくる。
「たくさん」とあわせて「関係の質」を高める。
そして難しいのは、数が多ければ多いほど関係の質の構築に
困難さが生まれるということ。リーダーがたくさん必要になる。

余談だが、グループワークの人数も7人を超えると
「社会的手抜き」という現象が起こるといわれている。
関わりの薄い人がでてくる。

意識的に関係性を育てる(リーダーにとって優先順位の高い課題)。
どういう関係性を構築していきたいのか(時間は限られているので戦略的に)。
関係性のないところでは、まず話しかける。連絡をとってみる。場に出かける。

すでに運動や組織があり、一定の関係性があるところでは、
より関係性の深化をめざす。会議の場、集会の場で。学習会の場で。
目的をもった企画の場で。交流、レクリエーションの場で。
1回1回が関係構築の貴重な時間であり、真剣勝負でのぞむ。

岡山労働学校の実践―まず関係の質を高める。1回目は交流に重点をおく。

「関係の質を高めるために大切なのは対話」
(小室淑恵『「残業ゼロ」の仕事術』ダイヤモンド社)

ファシリテーションの理論は関係性の促進、
という点で有効活用できる。
『ファシリテーション革命―参加型の場づくりの技法』
(中野民夫、岩波書店)など参照。

運動では、相手の価値観や問題意識とこちらの
「目的(要求実現)」を“つなぐ”こと。

1対1対話(意識化しないとつくれない。ルーチンの会議や企画とちがう)。

「Eメール、携帯メール、ビラ、フェイスブック、ウェブ
サイト・・・どれも立派な運動の手段です。でもそのどれ
もが1対1の対話にとって代わることはできない…(略)。
人を運動に引き入れ、行動しようという気にさせるには、
じかに顔を合わせて話をするのが、いまだに最良の方法」
(『職場を変える秘密のレシピ47』日本労働弁護団)

対話の場所やシチュエーションも大事
(やはり物理的環境に影響を受けるため)。
長久の実践―93期岡山労働学校の成功のための1対1対話。

聴くことが基本。まず相手を知る。
形式的な方法論ではなく、相手の価値観や問題意識に
あわせて質問をしていく。
そのさい、「わたし」がなぜこの活動をしているのかを語ること、
組織の目的や「今の課題・問題意識」もかみあわせながら
対話をしていくのが基本。

対話のしかたも技術化が一定必要。
アメリカで発展してきたコミュニティー・オーガナイジング(CO)は
このあたりの技術をかなり体系化している。

ともに行動し、時間を共有するなかで、さらに関係の質が深まる。

「1対1の話し合いが、人々との関係を築くための唯一の
道だとは思いません。それというのも、実は、関係構築の
次の段階というのは、何かのキャンペーンなどに一緒に
取り組む過程で実施されるからですし、さらには、最も
緊密でエキサイティングな関係というのは、何かの闘争を
一緒にくぐり抜けるときに育まれるからです」
(『人と人がつながる社会へ』連帯社会ブックレットより)

関係構築におけるリーダーの役割。戦略的に場をつくる人。
全体の活動量を客観視して、何に資源(人、時間やお金)を
投入するか判断(方針づくり)。

観察力。個人の把握。関係性の把握。集団の把握(しきれないのが大事)。
リーダーの影響力のなかでは、「安心」と「信頼」が先決。
意見・批判・相談が集まる。
心理的安全性を生むのは「強み」ではなく「弱み」。
自己開示の大事さ。言葉で人を励まし、風土をつくる。

「チームや組織において、リーダーも含めたメンバーが
相手を認める言葉や、貢献に対する感謝の言葉をいつも
届け合っているいると、それがチーム全体のエネルギーの
源になります。そして外部から見ても、やる気や活気が
伝わってくるチームになります。そんなチームの風土を
作る最初のきっかけをもたらすのは、…リーダーの役目です」
(谷口貴彦『ザ・コーチ2』プレジデント社)

育成と「担い手補充(リクルートメント)」の方法が
しっかり確立しているか。

「団体が活気づき、社会を変える影響力を持つには、多く
の人の力が必要です。比較的大きな団体でも、その活動が
ペースを落とさずに継続的におこなわれるためには、絶え
ず新しい人が加入していくことが必要となってきます。
つまり、さまざまな人が集まることによって、その団体の
活動の場が広がるのです。ということは、『新メンバーの
リクルートメント方法』がきちんと団体内にあるかどうかが、
その団体の長期的な活動の成否に関係してくると言えます」
(POWER~市民の力/A SEED JAPAN共編『NGO運営の基礎知識』アルク)

「重要なのは、一部の労組役員・専従者を中心とした活動
スタイルではなく、現場の組合員をエンパワーメントして
自発的なリーダーをつくり、そこからさらに雪の結晶
(スノーフレーク)のように次のリーダーや活動参加する
人を広げていくことです。そのためには、年単位100人
規模でオルグ・リーダーを育成していくことが求められ、
『誰もが一定水準の活動家になれる』ようにするため、
体系化されていて再現性が高い実践型のプログラムを導入・
活用することが不可欠」
(『学習の友』2019年11月号、北海道労連・出口憲次事務局長論文)

リクルートするときは、役割や期待を提示する
(消極的理由やメリット論ではなく)。

活動技術の蓄積と継承。

「技術は知識の形によって個人から個人へと伝えられる
もので、しかもその経験法則を一般化しつつしだいに高
められていくものである。模倣が原理の徒弟式訓練は無
意識的であるために長期間を要し、一方、科学的なうら
づけをもった理論による教育は、短時日ですぐれた効果
を発揮するのである。では、技能は技術よりも低いレベル
かというと、そういう関係ではない。技能は技術化され、
新しい技術には新しい技能が要求され、絶えずこれをくり
返しながら技術は発達していく」
(川島みどり『ともに考える看護論』)

「ノウハウを新人に教える(継承する)ことから始めま
しょう。そして、新人に伝えていくべきノウハウ(活動・
組織の実績)を整理して、日頃からしっかりと保存(蓄積)
していくことも、団体としてしなければならないことです。
これらノウハウを文章化してマニュアルをつくるのも有効
な手段でしょう。…『蓄積』と『継承』、この積み重ねが
団体運営の鍵になります」
(POWER~市民の力/A SEED JAPAN共編『NGO運営の基礎知識』アルク)

≪ディスカッションのテーマ≫
自分(たち)の、「関係構築」の現状や具体的実践例を出しあってみよう。
そもそも自分はどうやって今の役割や立場にリクルートされた?
運動・組織のリクルート方法はどうなっている?(新人加入、役員etc)
リクルート対象になる人をどう生み出しているか(育成の仕組み)。


〈参加者の感想〉

■1対1対話の先にも、関係を築くために大切なことを
知れて勉強になりました。

■関係性の質を高めることを、方向性をともなってはっきり
意識したうえで、1対1対話していくことを重視したい。

■意見も批判も相談も集まってくるリーダーは、心理的
安全性(「何でも言っていいよ」と)をメンバーに
あたえる必要があるという点が大きな学びでした。
その実践方法を学びたいです! 無意識にしていることや、
先輩からされてきたこと(役割や期待を提示したりされたり)が、
文字になっている、というか、そういうことだったんだ!!
と腑に落ちて感動しました。メカラウロコでした。

■専従として組合員との関係構築の大切さ、仲間づくりの
ポイントなど、多くを学べたと思っています。対話に
よって人の話をよく聞き、共有できるポイントをみつけ、
過半数組合を目指したいと思います。

■活動の継承をしていくうえで、ノウハウを教えて蓄積
していくことを組織として取り組むことが必要だと認識
してきました。

「ストは労働者の権利だから」

21日(土)付の毎日新聞「経済観測」。
加藤出「フランスのストに思うこと」より。

年金改悪に反対して長期化するストライキ。パリに数日滞在しての雑感。

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「日本で市民がこんな迷惑を被ったら『労働組合は身勝手だ』
と怒りが沸き起こるだろう。しかし、パリでは『ストは労働者
の権利だからしかたがない』と受け止める人がけっこう多い」

「フランスではデモやストはあたかも民主的な政策決定の
プロセスのひとつのようであり、政府はそれを恒例行事の
ように乗り越えなければならない」

「人々のリタイアに対する考え方が違う。『仕事をやめて早く
年金生活に入りたい』と切望するフランス人は多い。この
年金改革案には、従来より数年長く働かないと受給額がやや
不利になる仕組みが入っているのだが、それにすさまじい
反発が生じた」

「労働組合の強さもあって、フランスの方が賃金が顕著に
伸びており、内需主導で安定成長…。1人あたりの国内総
生産(GDP)でもフランスが若干日本を上回る。ストもせず、
フランスよりも長時間労働に励んできた日本人としては
悲しい面がある」

核ZERO講座・再度のお知らせ

被爆75年。2020年NPT・世界大会inニューヨークの開催。
核兵器廃絶へ、飛躍の1年に!
の思いをこめ、岡山県学習協では来年1月~2月に、
「核ZERO講座2020」を全4回で開催します(チラシ参照)。
岡山県原水協の協賛で取り組みます。

現在、参加申込みは16名となっており。
ぜひとも30名をこえたいところです。
内訳は、林病院・林精研労組4、民青同盟3、生協労組おかやま2、
中央福祉会1、自治労連1、岡山医療生協労組1、
倉敷医療生協労組1、新婦人1、県原水協1、県人権連1。
となっています。

引き続き、宣伝・参加者募集にご協力ください。
よろしくお願いいたします。

【カリキュラム】
・第1回 1月10日(金)「8月6日・ヒロシマ-被爆の実相」
・第2回 1月24日(金)「8月9日・ナガサキ-被爆の実相」
・第3回 2月 7日(金)「反核運動の歴史と被爆者のたたかい」
・第4回 2月21日(金)「核兵器禁止条約と核廃絶をめぐる情勢」

【募集要項】
ところ:岡山市勤労者福祉センター会議室(岡山市北区春日町)
時 間:18:30~20:30(講義のあと感想交流あり)
講 師:長久啓太(岡山県学習協事務局長)
参加費:1回1000円(学生・障害者500円)
主催&お問い合わせ先:岡山県労働者学習協会
TEL&FAX 086-232-3738(メールでの申込も可)
協賛:原水爆禁止岡山県協議会

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広島民医連・幹部養成基礎講座2年目もおわり。

きのう(20日)は午前中、
もろもろのお仕事を分刻みでしたあと、広島へ。

今年最後の県外出張。
広島民医連・2019年度幹部養成基礎講座のお役目でした。

今年も全7回中、5回こさせていただきました。この日が最終回。

佐々木広島民医連会長の45分講義→ディスカッション
→講義全体の学びと具体化の個人発表→長久コメント
→ディスカッション→修了式という流れ。

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佐々木会長のお話。若いときに哲学(唯物論と弁証法)を学んだのが、
今の生き方を選ぶベースになったと。
ほか、広島民医連の長期計画、幹部に期待することなど。
わかりやすいお話でした。

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ディスカッションのようす。

7回の講座を通じて、
じっくりと理念学習をしたり、まちづくりの学びをしたり、
貴重な機会となり、職場を越えた交流を積み重ねました。

たくさんの刺激を得た半年間の講座。

個人発表は昨年同様、
それぞれが自分の課題と結びつけて語られていて良かったです。

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そして今年も感謝状をいただいてしまいました!
受講生お1人おひとりからのコメント。感謝です。

来年も引き続き同じ内容で開催されるようであります。
よろしくお願いいたしますm(__)m

同時取材を受ける相方

きのう(19日)は、ランチとプチ外出で美観地区まで。

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日本ALS協会の会報グラビア記事と、
NHK岡山の同時取材を受けるという1日でした。

外出風景と、自宅風景、両方撮影。
NHKはインタビューもいろいろ。

ALS協会の会報、NHK岡山の放映ともに、
来月の予定です。

さて、どんなことになりますやら・・・
 

年末できなかったことは、年明けに…

バタバタすぎて、ゆっくりブログを書けません。
リーダー研修講座の報告第2弾は、もうしばらく先になります…。

とりあえず、『学習の友』の配達をほぼ終えたので、
あとは集金ですかね。

来週は26日から3泊の行っとこうツアーが
控えているので、年末できなかったことは、
年明けに。うん、それでいきましょう。