長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

仲間と打とう絆の麺 伸ばして繋ごう絆の輪

全医労(全日本国立医療労働組合)の
青年組合員を対象にした全国集会、
「ダイナマイト・ゼンイロウ inうどん県」の講師依頼があった。
10月。

f:id:benkaku:20200317120049j:plain

で、チラシが送られてきたのだけど、
クオリティが高くてびっくり。
これって、プロに頼んでいるのだろうか。
チラシの美しい浜は香川県三豊市の父母ヶ浜ですね。

相手に伝わる言葉を考え抜く

『月刊 全労連』4月号は、全労連30周年特集だった。

f:id:benkaku:20200316163224j:plain

そのなかで、記念集会での3人の方による
ディスカッションの概要が掲載されていた。
小森陽一さん(東京大学名誉教授)、
上西充子さん(法政大学教授)、
野村幸裕さん(全労連事務局長)の3人である。

労働組合運動の言葉について中心的に議論がされていて、
興味深く読んだ。
なかでも、小森陽一さんの以下の指摘は、重要である。

「労働組合運動のなかで日常的に使用している日本語
というのは、きわめて特殊だということをまずご自覚
いただきたい。ほとんど外国語の世界にいるようだと
いう印象をもったと、労働組合の集会に出た人の感想
をたくさん聞いています。たとえば組合の言葉を方言
で言い直してみると、この漢字二字熟語がもっている
概念や人間社会における日常的な在り方ということが
見えてくると思います。また、小学校一年生にわかっ
てもらうにはどう言ったらいいだろうかと工夫をちょ
っとするだけで、会議での意思統一の在り方や何を議
論したらいいのかが変わってくると思います。もう1
度、組合で使用している1つひとつのキーワードに、
なぜという問いかけを一斉にかけてみると言葉はとて
も豊かになり、社会的な流通性を確保することができ
ると思います」

小学生にもわかってもらうには、という意識、
私も心にいつも刻んでいる。講義で概念やものごとを
説明するときに、小中学生ぐらいをイメージして言葉を考える。
たとえば、憲法とか、人権とか、社会保障とか、
尊厳とか、労働者とか。
それを小学生にもわかる言葉に変換する。
でもそれは、水準を落とすとか、そういうことではなく、
大吟醸酒がお米を削って削って(精米)つくられるように、
具体的なものを捨象していって、本質中の本質をえぐり出す作業。
だから、スッキリした味わいになるのだ(笑)。

つまり、相手のことをイメージすることが大事だということ。
たとえば、
メーデー集会に参加するときにいつも感じるのだが、
メーデーは活動家だけの集まりでもなければ、
活動経験の長い人ばかりが参加するわけでもない。
働き始めたばかりで、労働組合というものを
自分の言葉でとらえられない1年目職員も、参加している。
でも、あいさつなどで登壇する人の発する言葉は、
1年目職員にわかるものではまったくないと思う。
たぶんチンプンカンプン。
自分のことだと思ってくれるような工夫が足りないと感じる。

この内容、言葉で、相手に伝わるだろうか、を
つねに想像する習慣を、私たちは身につけたい。
どのような人が自分の話を聴くだろうか、
文章を読むだろうか。
「あの人が聴いたら」「あの人に読んでもらったら」
というイメージを持ちながら話すし、書く。

神戸女学院大学名誉教授の内田樹さんは、
『街場の文体論』(文春文庫)のなかで、こう述べられている。

「書くとき、目の前に読者がいないときも、僕たちは
仮想の読者を想定して書いています。どんな場合でも、
僕たちは想像上の読者に向けて語りかけている。
(中略)・・・自分のなかにいろいろなタイプの読者像を
持っていること。それが『読みやすい文章』を書くと
いうときの1つの条件じゃないかと思うんです。だって、
少女が読者だと思うと、『少女に通じる言葉づかい』を
するわけでしょう。お爺さんが相手だったら、『ある年
齢以上の人なら当然これくらいのことは知っているわな』
という歴史的事実を論じたり、人名を挙げたり、あまり
使わない語彙を動員したりすることができる。僕はこの
読者像の多様性ということが、文章を書く上でものすごく
大切なことじゃないかと思うんです」

先日の核ZERO講座でも、
反核運動の歴史にふれる機会があり、
「冷戦体制」という言葉をつかわざるをえない場面があった。
しかし、冷戦終結から30年である。
ソ連という国も、もうない。
若い世代は感覚として冷戦がわからない。
だからきちんと説明する。

もちろん、若い世代が参加していない場であれば、
そうした説明を省くことができるが、いるのであれば、省けない。
これは逆もいえて、高齢者が多い学習会では、
最近の言葉、たとえばSNSとか、ワンオペ、
なんていう言葉は、若い人は知っていても、
年配の人だと知らない人もいる。
だから、つねに自分の言葉を受け取る人のことを
想像することを大事にする。言葉はキャッチボールなのだから、
まったく相手のミットに届かない場所に投げては、
伝えあいを生み出せないのである。

私たちは言葉で人と人をつなぎ、運動を構築するしかない。
だから、もっと言葉にこだわり、言葉に執着したい、と思う。

ゴミ清掃員、働き方、働く、基礎理論、戦後日本、雇われないで

『ゴミ清掃員の日常』
    (原作/滝沢秀一、まんが/滝沢友紀、講談社、2019年)

f:id:benkaku:20200316115258j:plain

これは良かった。生活の匂いがする漫画。
ゴミ清掃員さんのお仕事、社会のゴミ事情もよくわかる。
オットが主人公の漫画を妻が描くのもスゴイ。


『働き方の哲学』(村山昇著、若田紗希絵、ディスカヴァー、2018年)

f:id:benkaku:20200316115319j:plain

「働くことの根っこにある概念を一つ一つ、ていねいに
見つめなおす」(おわりに)ことに、わかりやすく成功している。
さまざまなインスピレーションを受けた。
ぼくはぼくの立場で、中身を消化したい。イラストも秀逸。


『働くということ』(黒井千次原作、池田邦彦漫画、講談社、2019年)

f:id:benkaku:20200316115338j:plain

原作の講談社現代新書は約40年前のもの。
働くということを深掘りし、雇われ人としての矛盾や
葛藤をていねいに説いた1冊。
ぼくも何べんも読んだが、なんと漫画になっていたとは。
懐かしい気持ちでページをめくった。


『勤労者通信大学 「基礎理論コース」テキスト』
            (勤労者通信大学、2020年2月、非売品)

f:id:benkaku:20200316115402j:plain

商売アイテムのひとつだが、今年リニューアルされたのがこのコース。
初学者には難しいし、読み物としてもゴツゴツしすぎだけど、
最近の理論的到達を盛り込んでいるので、学びたい人にはオススメ。


『戦後日本 労働組合運動の歩み』(山田敬男、学習の友社、2019年9月)

f:id:benkaku:20200316115424j:plain

タイトルそのままの内容で、コンパクトにまとめられている。
教訓とこんにちにおける困難性。
労働運動の再生は一筋縄ではいかないが、私もその末端でがんばりたい。


『雇われないで生きよう!』(高城幸司、PHP、2004年)

f:id:benkaku:20200316115446j:plain

5月の労働学校講義のなにか参考になればと読んだ1冊。
まあ、内容は起業する人むけの考え方が中心で、
学ぶところはほとんどなかった。
いくつかの点でインスピレーションを得たこと、
読みたい本が2冊生まれたことぐらいかな。

意見がいえる人は貴重

きのう(12日)午前中は、
生協労組おかやまのパート部会新人研修。
いつも私が買い物しているコープ大野辻にて。

f:id:benkaku:20200313102836j:plain

労働組合そもそも講義のあと、若干感想交流。

ある方が、役員選出のやり方などのおかしさを語られる。
もっともな部分あり。
思っていても口に出せない人が多いけど、
場が凍りつくことが予想できても、
こういう意見が言える人って、ある意味、組合活動に必要。

まあでも、その方、講義聴く姿勢がまったくなかったですけど(涙)。
話をしながら、「なんでだろ?」と思ってました。

県労連と共催でリーダー研修講座をします。

 5月16日(土)に、岡山県学習協と岡山県労会議(県労連)が共催し、
「リーダー研修講座」を開催することになりました。
規模は30名前後を予定しています。

f:id:benkaku:20200310134913j:plain


この講座は、昨年12月、岡山県学習協主催が行ったものと
内容は同じです(多少バージョンアップします)。
運動の基本技術を学びあうもので、
おもには、関係構築、目的達成プログラムづくりで、
グループディスカッションやグループワークも入れながらの研修です。

対象は、単産・単組の役員を中心に考えています。
(今回は労働組合の方に対象を限定しています)
県外からの参加も希望があればOKとしています。

ぜひご参加ください。
 
 
【昨年12月の参加者の感想文の一部】

■来てよかったです。関係の質の考え方や目的達成の手法など、
とても勉強になりました。今後、活動に活かしていきたいです。

■今後、物事を行うとき、目的・ビジョン・ゴール・目標を
しっかりと持って行動していこうと思います。今日学んだことは、
職場や労組に持ちかえって伝えたいと思います。また開催して
いただけたらと思います。グループワークは大変疲れましたけど、
終わってみたらとてもよかったので、次回もまた取り入れてもらいたいです。

■目的やビジョンを図式化したり、公言して具体的なイメージを
共有することが活動を進めていくうえでとても大切だと思った。
そして何事をするにしても、自分自身がワクワクするような
ビジョンを持って、目的達成できるプログラムを作っていきたい。

■最後に行った目的達成プログラムづくりで、具体的な行動、めざすことを
整理して明らかにする方法がわかった。実践していきたい。

■改めて、誰でもできるように伝えていくこと、言語化がとても
大切だなと思いました。言語化されるとこんなにも目が覚めるような
学びの楽しさに出会えるのかと感動でした。何をするにも、特に
運動は自分一人ではできないから、目的とビジョンが共有されてると
一人一人の力を最大限に発揮できるだろうと思いました。集団で
議論すると深まる体験をできました。今回学んだものを実践してこそ
本当に自分のもの(自分が使える)になるのかなと思います。
何度でも何度でも学んだことを確認していきたいです。こういった
研修をみんな求めていると思います。もっと場をつくってほしいです。
そして自分も伝えられる側になれるよう学びたいです。

個人的なことから普遍がみえる

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
                  (プレイディみかこ、新潮社、2019年)を読み終える。

f:id:benkaku:20200309133551j:plain

プレイディさん、安定のおもしろさ。読みやすさ。

11歳の息子さんとの会話が羨ましい。
こんなに対等な議論ができるのが、さすがだなと。
英国の地べたの雰囲気の一端も知れて、興味はつきない。
個人的なことを書いているのに、それが自然と普遍につながる。
ぼくもこういう文章書きたい。

そしてこの本、高校2年生のめいっこが
ウチに来ていたとき熱心に読んでて、
「何読んでるの?」から始まり、
「え!それ読みたかったんよ!」と借りたもの。
赤ちゃんの頃から知ってるめいっこの成長が、これまた嬉しい。

3月は「種まき開拓大作戦」

3月に入って、突っ走っている。
94期岡山労働学校の成功がゴールである。

労組訪問は、なかなか行けていなかったところもふくめ、
どんどん進めている。

そしてキーマンになる人と会う時間を意識的につくる。
とにかく今は、アポをとって会いに行く。
これをひたすら積み上げていく時期。

そこに意識を集中している。
3月のスローガンは「種まき開拓大作戦」だ。

「彼らを信頼すれば、未来はいつでも明るい」

『古くてあたらしい仕事』(島田潤一郎、新潮社、2019年)
を読み終える。

f:id:benkaku:20200303121354j:plain


久しぶりに「本らしい本」を読んだなあという読後感。
著者(ひとり出版社を営む人)の仕事への姿勢や、
文体から伝わってくる人柄に、背中を押された。
勇気がわいてきた。
ぼくもマイナーな仕事してるから。

1人ひとりと向き合う、ていねいな仕事をしたい。


以下、自分用のメモ。

「本が部屋に1冊増えることによって、さっきまでの
ぼくと、いまのぼくとはなにかが変わっている」(17P)

「人生でもっとも大切なのは、人から必要とされる
ことだ」(31P)

「ぼくは、ぼくを必要としてくれる人のために仕事を
してみたいと思うようになっていた」(32P)

「お金はとても便利で、万能な尺度であるから、多くの
人が採用し、その評価額をもとに、いろいろなことを
計測したり、企画を立てたりしているが、それは数ある
物差しのひとつでしかない。世の中には、お金以外の
尺度がたくさんある。数値化できない尺度は、それ以上
にもっとある」(38P

「ぼくが尊敬していた会社の先輩は、ぼくにひとつの
金言を与えてくれた。それは、真面目にちゃんと営業
してまわれば、1日1回必ずいいことがある、という
こと。…たいせつなのは、怠けないこと。ずるをしない
こと。そうしていれば、なんであれ、結果はでる」(55P)

「(若い)彼らを信頼しなければ、未来は真っ暗だが、
彼らを信頼すれば、未来はいつでも明るい」(186P)

「最初にひとりひとりの生活があるのだ。最初にかけ
がえのない個人がいて、その人の家族がいて、友人が
いる。彼らと話し、ともに出かけ、食事をする。彼ら
をどう思い、彼らのためになにをしようと思うか。
そういうきわめて個人的なことが、文章となり、本と
なることで、永遠の命を持つ。ぼくがつくりたいのは、
そういうものなのだった」(207P)

94期は「変わる、変える! 働き方教室」です。

3月になった。

コロナ収束の見通しはたたないが、
5月14日(木)から始まる94期岡山労働学校の
募集を今日から本格的にスタートさせる。

今期の内容は、「変わる、変える! 働き方教室」。
いつものように、
全9講義+ふれあいコンパの、10回のカリキュラムだ。

ときどき、毎週あって10回ぐらいはキツイ、
と言われることがある。

でも、労働学校での学びの効果を確保するには、
最低これぐらいのカリキュラム量が必要だと思っている。
つまり、「得られる成果」から逆算してカリキュラム量を
決めている。5~6回では、学びや交流が深まる前に
終わってしまう。ここは絶対に譲れない線なのである。

そして内容は、いま社会的関心の高い“働き方”である。
93期は10年ぶりに30名以上の受講生で
こちらの想像を超える成果があったが、
94期はさらにステップアップする。50名が目標である。

そして数にこだわると同時に、
募集活動を通じて、関係性が広がり、
1人ひとりと丁寧に対話できるような活動をしていきたい。
そのための準備も、いろいろ考えている。

最近、ひとり出版社を営む人の本を読んでいるなかで、
「(若い)彼らを信頼しなければ、未来は真っ暗だが、
彼らを信頼すれば、未来はいつでも明るい」という言葉に出会った。
もちろん、私もそう考えているけれど、
あらためて背中を押してもらった気分。

いま世界的にも、課題を克服する闘いの中心にいるのは、
若者である。ローカルな岡山の地でも、必ず変化は起きるし、起こせる。
そう信じて、あらゆる手立てを1つひとつ、積み上げていきたい。

ゴールは明確。
5月14日(木)、50人以上の参加で教室を満杯にし、
心響きあう学びの場をつくる。

今日から、ギヤチェンジ。

f:id:benkaku:20200302103138j:plain



【94期岡山労働学校カリキュラム】
①5/14(木) 第1講義 「雇われて働くということ―労働者って?」
②5/21(木) 第2講義 「労働時間のそもそも―8時間労働の意味」
③5/28(木) 第3講義 「生活と賃金―人間らしい暮らしをつくる」
④5/30(土) ふれあいコンパ(実費負担)
⑤6/ 4(木) 第4講義 「休日・余暇を考える―有給休暇は人権です」
⑥6/11(木) 第5講義 「これって差別!?―雇用形態をめぐって」
⑦6/18(木) 第6講義 「社会保障と働き方―生活と民主主義を支える」
⑧6/25(木) 第7講義 「変える力は何か―労働組合で未来をつくる」
⑨7/ 2(木) 第8講義 「仲間増やしのレシピ(1)―私を語る」
⑩7/ 9(木) 第9講義 「仲間増やしのレシピ(2)―運動にワクワクを」

*講師はすべて長久啓太(岡山県学習協事務局長)


【募集要項】
期間:2020.5.14(木)~7.9(木)基本時間:18:30~20:30
会場:岡山市勤労者福祉センター(岡山市春日町5-6)
受講料:7,000円(県学習協会員5,000円、学生・障害者2,500円)
    単発参加は1回1,500円〔会員1,000円、学生・障害者600円〕
修了資格:全10回のうち、6回以上出席の方に修了証書をお渡しします。
≪お申込み・お問い合わせ先≫ 岡山県労働者学習協会

「今はとてもワクワクしています」

たいへん遅くなりましたが、
21日(金)に行われた核ZERO講座4回目の報告です。
30名が参加。これが最終講義でした。

f:id:benkaku:20200229150756j:plain

いつものように、講義後はグループ感想交流。

おもな内容は、以下でした。


はじめに:核兵器の非人道性=“人間の尊厳を奪いつくすものである”
     ということ(地球規模で)。

一。偽装の被爆国―2枚舌の核政策

 *「唯一の被爆国」という言い方もあるが、いまでは「唯一の
  戦争被爆国」という言い方が一般的。核実験などで、被爆し
  ているのは日本人だけではないため。

 1。日米核密約
  ◇非核三原則(持たず、つくらず、持ち込ませず)の裏で

 2。沖縄と核
  ◇アメリカの占領下で持ち込まれていた核兵器
  ◇ピーク時(1967年)には、沖縄に置かれた核兵器はおよそ1300発。
  ◇核ミサイルの暴発、キューバ危機の際には中国各都市に向け
   発射寸前まで…。

 3。原発と核
  ◇核兵器は、その原料となる濃縮ウランやプルトニウムをつくる
   原発と一体で考える必要
  ◇日本は、47トン(ナガサキ型原爆約8000発分)のプルトニウムを
   ため込んでいる

 4。「核の傘」政策―使うことが前提。だから核廃絶の立場にたてない。
  ◇米国の核抑止力に依存

二。核兵器保有国と核の論理
 1。核兵器の現状
  ◇世界には、現在も14,000発近くの核弾頭が
  ◇各国の状況―アメリカ、ロシア、中国、フランス、イギリス、
         インドとパキスタン、イスラエル、北朝鮮
  ■核保有国どうしの個々の対立はあるが、核兵器を持ち続ける
   という大きな目標では歩調をそろえている。核兵器を所有し
   ながら相手に「持つな」と言っても説得力がない。

 2。核抑止力論は、何をもたらしたか
  ◇核兵器による「おどし」「脅迫」による「平和の維持」
  ◇核抑止力論をのりこえるために
   ―核兵器の非人道性を広げ、国際連帯を

 3。NPT体制の矛盾と進展
  ◇NPT再検討会議の歴史と反核運動

三。核兵器禁止条約と核廃絶への道
 1。核兵器禁止条約(2017年7月7日採択)とその意義
  ◇122カ国の賛成で採択(反対38、棄権16―日本は反対…)
  ◇条約は、発効に必要な50カ国の批准まであと15カ国に
   (2020年2月現在)。
  ◇禁止条約のポイント

 2。日本政府を変えるために
  ◇安倍政権は、禁止条約には署名も批准もしないと表明。
  ◇安倍政権に代わる野党連合政権で、核兵器禁止条約に参加する
   政府をつくることが必要。
  ◇日本が変われば世界が変わる

 3。2020年を飛躍の1年に
  ◇広島・長崎の原爆投下から75年。被爆者の平均年齢は83歳に。
  ◇5年に1度のNPT再検討会議―もっとも大きな核軍縮交渉の場
  ◇3・1ビキニデー、平和行進、8月の原水爆禁止世界大会
  ◇気候変動と核兵器廃絶
  ◇世界を動かしてきた署名
  ◇アメリカ大統領選挙の本格化

 4。平和運動・反核運動について
  ◇平和運動のむずかしさ
  ◇関係性が大事―1人から出発する。でも1人では続かない。
  ◇人間としての豊かさが、活動のなかで花開く

さいごに:被爆者サーロー節子さんの演説

以上。


講義の途中で、ニューヨークのNPT行動に参加する13人に
意気込みや抱負を語ってもらう時間をつくりました。
みなさんの発言で、よりこの日の内容が広がったと思います。

今回の全4回の核ZERO講座は、
参加者も多くて充実でしたが、
それぞれの学びの真剣さが、場の質をおおいに高めました。

やっぱり学習会はおもしろい!


以下、参加者の感想です(一部分)。

■最後のサーロー節子さんの「“抑止力”とは軍縮を
抑止するもの」という言葉が、核心をついているの
がよくわかりました。普段の生活では核兵器廃絶に
向けて少しずつ進んでいるというのが実感しにくい
ですが、世界は確実に1歩1歩進んでいる。自分の
知識を時々アップデートしていかなければならない
し、それによって自分自身の未来への希望も明るい
ものになるなと思いました。

■ニューヨーク行動に参加される方たちの言葉が
すばらしかったです。報告会が楽しみになりました。
核兵器禁止条約の批准国が増えていくのも楽しみ
です。ICANのホームページでよくみています。
身近な人たちがニューヨークへ行くことを話題の
きっかけにして、世界の核兵器の状況に関心を広げ
たいと思います。サーロー節子さんの演説もあらた
めて感動。これも広げたいです。

■この講座に参加して、まだまだ知らないことだらけ
だと実感しました。何より被爆された方々の証言は
本当に胸が痛くなり、重く苦しいですが、勇気をもって
話してくださることに敬意を表して向き合うべきだと
思いました。カタカナの「ヒロシマ・ナガサキ」が、
悲しい記憶のままで終わらないような世界平和をこれ
からも目指して勉強、活動につなげたいです。

■わかりやすく「核抑止力論」が幼稚であることが
理解できました。小型化され、性能をあげることで
ますます白熱していく核軍拡。1日も早く過去の遺物
として葬りたい。「核兵器禁止条約」発効のための、
1年にしたいと思います。

■核ZERO講座を通して、与えられた情報、受け身
では本当のことがわからない。誰かの意見ではなくて
自分の頭で何が正しいのか考えられるように、広く世間
を知る必要があると思った。

■今回の学習でNPT再検討会議の今までの流れが
理解できました。4回の学習を終えて、最後にサーロー
節子さんのノーベル平和賞授賞式での演説全文を読んだ
時に、今までの学習内容がすべてそこに書いてある、
と思いました。実際に被爆を体験しながら、今まで強く
生きてこられた心の叫びを感じ、とても心に響きました。

■配布された資料に載せられた多数の被爆者の勇気ある
証言が、講座の質に厚みを与えていた。これらの証言を
ヒバクシャ国際署名をとるさいや、対話の場面などの
さいにも参考にしたい。

■全4回を終えて、核ZEROに向けても希望が持てたし、
NPTニューヨーク行動を終えたあとに、自分がしていき
たいことも道筋が見えた。今はとてもワクワクしています。
ここで学んだことやNYで学んだことを必ずカタチにして
いきます。

 

マルクス、男が、目標達成、ブッラク企業の

最近読み終えた本。


『マルクス 弁証法観の進化を探る~「資本論」と諸草稿から』
          (不破哲三、新日本出版社、2020年1月)

f:id:benkaku:20200228151045j:plain

これまで読んできたものとのダブりも多いけど、
マルクスにも歴史ありだなあとしみじみ。
不破氏の研究がなかったら、マルクスの読み方もずっと
浅かったんだろうなと。ありがたいこと。


『男が働かない、いいじゃないか!』(田中俊之、講談社+α新書、2016年)

f:id:benkaku:20200228151105j:plain

男性学の立場から、男性をしばるジェンダー規範を問い直す。
平易で読みやすいが、深みがイマイチで、知的刺激はなかった。
入門編。


『目標達成の技術』(青木仁志、アチーブメント出版、2012年)

f:id:benkaku:20200228151129j:plain

5月開校の労働学校にむけてのギアチェンジ本。
去年もこのての本たくさん読んだけと、原理原則はほぼ同じ。
つまり普遍的な技術があるということ。
「曖昧な思考からは曖昧な結果しか生まれない」。考え抜き、実践したい。


『ブラック企業の社員が猫になって人生が変わった話(モフ田くんの場合)』
                 (清水めりぃ、KADOKAWA、2019年)

f:id:benkaku:20200228151149j:plain

94期岡山労働学校の募集、準備に仕事をシフトしていて、
学びもこちらにシフト。ぷぷって笑う場面多し。
猫さま最高。ブラックな働き方のシュールな面もさまざま描く。

コロナで次々と予定がなくなる

例年、3月は講師仕事が少ないのだけれど、
それでも7つ学習会の予定があった。
今日、そのうち2つが中止と連絡あり。
残りも微妙ですね。

うちの母親が中旬に岡山で同窓会があって、
そのついでに相方を見舞いに来る予定だったのも、
同窓会が中止に。来岡もとりやめに。

3月21日から予定していた「行っとこうツアー」も厳しいな。