長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

読書記録

バッタを、抑止力、哲学する、弱者の、人間は

最近読み終えた本。『バッタを倒しにアフリカへ』(前野ウルド浩太郎著、光文社新書、2017年5月) これ、めちゃくちゃ面白い。若き昆虫学者がアフリカのモーリタニアへ。砂漠の国で悪戦苦闘のバッタ研究。楽天的かつ柔軟、学者としてのバイタリティーにも刺激…

『社会権―人権を実現するもの』を読んで

『社会権ー人権を実現するもの』(竹内章郎・吉崎祥司、大月書店、2017年3月)を読み終える。 超要約・超翻訳すれば、社会権の確立なしに私たちの自由はない、ということになるだろう。しかし、「社会権が、制度としても社会意識・社会文化としても、そして思…

中国人の、今日も1日、君がここに、仕事と暮らしを

最近読み終えた本。『中国人の本音―日本をこう見ている』(工藤哲、平凡社新書、2017年5月) 毎日新聞記者で、中国総局に5年間勤務した経験をもとに、中国人のリアルにせまる。日中はお互いをもっと知るべしと強調されていたことに共感。生活・文化レベルで…

この夏は難しい理論書を読もう

最近読み終えた本。ここ1か月ぐらいです。理論書がないね・・・。この夏は難しい本よもっと。『身体へのまなざしーほんとうの看護学のために』 (阿保順子、すぴか書房、2015年) ケアする人間とケアされる人間。身体の相互浸透。ではその身体とは何か? 臨床の…

ユマニチュード(人間らしさ)

『ユマニチュード~なぜ、このケアで認知症高齢者と心が通うのか』 (イヴ・ジネスト、ロゼット・マレスコッティ著、 本田美和子日本語監修、誠文堂新光社、2016年)を読み終える。 人間の尊厳の問題から、それがケアの理論と技術につながっているということ…

余暇学。いい学問である。

『余暇学を学ぶ人のために』(瀬沼克彰・薗田碩哉編/日本余暇学会監修、世界思想社、2004年)を読み終える。 「労働の後に入手する余暇という考え方でなく、余暇は独自な存在意義がある」に強く共感する。平日余暇、週末余暇、季節余暇、年に1度程度の長期余暇…

どちらで、最賃、モモ、知の、時計の、10万年史

最近読み終えた本。『どちらであってもー臨床は反対言葉の群生地』(徳永進、岩波書店、2016年) 一極の言葉で覆って「正しさ」「正解」を言い切ろうとする風潮にたいする臨床からのアンチテーゼ。臨床の場にかぎらず、反対言葉入り乱れるのが私たちの日常だし…

残業、いのち輝く、ともに、いじめの、ミライの

最近読み終えた本。『なぜ、残業はなくならないのか』(常見陽平、祥伝社新書、2017年4月) 若干、立場や視点に違和感がある部分もあったけど、こんにちの日本の残業問題、働き方改革を考える論点整理になる。自分の持ち時間(人生や生活の)を強く意識するとい…

男性問題、正社員消滅、心の鍛え方、わがままに

最近読み終えた本。このペースだと、今年は去年の半分ぐらいしか本読めないですね。『男性問題から見る現代日本社会』 (池谷寿夫/市川季夫/加野泉 編、はるか書房、2016年) 男性のジェンダー問題を扱った本はまだ少ないけど本書はかなり全般的で良い。育…

さて、これから春だ。読書をするぞ。

長らくアップしていなかった読書記録。2月は『資本論』をひたすら眺める日々。3月に入ってもなかなか読書スペースはあがらず。ということで、以下最近(ここ2か月ほどで)読んだ本。時間がないのでツイッターで書いたものをそのまま貼り付け。■『対米従属…

人はなぜ、ベルリン、子規と漱石、マチネの

最近読み終えた本。2017年も系統性のない乱読になっていくのでありましょうか。『人はなぜ学ばなければならないのか』 (齋藤孝、じっぴコンパクト新書、2016年11月) 腰を落ち着けて学ぶことの大切さ、自己形成・自己更新のための学びなど、学ぶことの一般的…

『この6つのおかげでヒトは進化した』

『この6つのおかげでヒトは進化した ーつま先・親指・のど・笑い・涙・キス』 (チップ・ウォルター著、横山あゆみ訳、早川書房、2007年) を読み終える。 おもしろかった。ああそうなのか、の発見もたくさん。でも10年前の本だから、進化過程の研究成果の更新…

遠い空、永い言い訳、修羅、患者のカルテに、荒野、呼吸、介護

最近読んだ本。これで2016年は146冊。目標の年間150冊まであと5日で4冊・・・。いけそうだが微妙。『遠い空ーシベリア抑留記・病床雑記』(岡本良三、静山社、1988年) シベリア抑留を体験し、退職後ALSを発症した著者。「子や孫のために」と自身の体験をパソコン…

「働き方改革」、あなたが、キラーストレス

最近読み終えた本。『「働き方改革」という名の“劇薬”ー労働者本位の働くルールの確立を』 (井上久・伊藤圭一・今村幸次郎・寺間誠治・河村直樹 ・中村和雄著、学習の友社、2016年12月) 時機にかなった内容だとは思う。ぜひ学習が広がってほしい。でも女性の…

ALS闘病記を中心に

最近読み終えた本。引き続き、ALSの闘病記を中心に読み進めています。いずれも10年・20年・30年前の闘病記。書いた患者のみなさんは、2016年に読まれるとは思って書いていないでしょうが、先人たちが書いてくれた書物がどれだけ後の人の学びとなり、また励ま…

怒り、「日本会議」史観の、在宅医療日記

最近読み終えた本。『怒り(上)』(吉田修一、中公文庫、2016年1月) 映画はみてないけど、原作をじっくり読もうかと。たんたんと、3つの場所と人間関係を描きながらすすむ。下巻はあっと驚く展開になる予感。『怒り(下)』(吉田修一、中公文庫、2016年1月) さま…

病気、99%、文学部、沖縄戦、立憲主義、74歳、今日が

最近読み終えた本。時間がないので、ツイッターでの紹介文そのままです。はい。こんなぼくを許してください。『病気と家族』(徳永進、集英社文庫、1996年) 鳥取在住の臨床医である徳永さん。これまでも数々の著作から学んできましたが、これはかなり若いとき…

輝け我が命の、死にゆく

最近読んだ本。『輝やけ 我が命の日々よーガンを宣告された精神科医の1000日』 (西川喜作、新潮社、1982年)克明な闘病記。死に直面したとき、生の愛しさ、生の質が凝縮される。書くことが揺れ動く気持ちを支え、思索と問いを深いものにしている。『死にゆく…

文化と政治、「死の医学」、逝かない身体

最近読んだ本。『文化と政治を結んで』(不破哲三、新日本出版社、2016年10月) 宮本百合子論、本と私の交流史、文学論、水上勉さんとの交友、宗教者との懇談、木下順二さんとの対話、益川敏英さんとの素粒子対談…。政治家であると同時にこれだけの幅広さをも…

君の名は。、「建築」で、マルクスの旅

全国学習交流集会の報告はまた後日っていうことで、とりあえず週末に読み終えた本3冊です。『小説 君の名は。』(新海誠、角川文庫、2016年6月) せつない。だから美しい。映画もみたくなった。『「建築」で日本を変える』(伊東豊雄、集英社新書、2016年9月) …

憲法と政治、図解、ラテンに学ぶ、憲法Ⅰ人権

最近読み終えた本。といっても、最近読書ペースがガクッと落ちた。9月はたった6冊しか読めなかったという。あーあ。『憲法と政治』(青井未帆、岩波新書、2016年5月) 憲法24条の新しい理解もあったし、学者さんらしい理詰めの展開で歯応えがあり。自衛隊は…

看護の質、松代、暮らし、生死、せっかち、ヒポクラテス

最近読み終えた本。『ルポ 看護の質ー患者の命は守られるのか』 (小林美希、岩波新書、2016年7月) 制度が仕事を歪めてしまっている典型。看護師が「診療の補助」業務に追われ、看護ができない状況。さまざまな問題が見えてくる良書だが、最後は当事者の声が…

親子関係のみえにくさ―「共助義務」のリスク

『健康で文化的な最低限度の生活(4)』(柏木ハルコ、小学館、2016年9月)を読み終える。 3巻目に引き続き、生活保護の扶養照会がメイン。親子関係の見えにくさ。それを他者が判断する難しさ。自民党の改憲草案では「家族の助け合い」が義務化されていますが、…

『遅刻の誕生』

『遅刻の誕生ー近代日本における時間意識の形成』(橋本毅彦+栗山茂久編著、三元社、2001年) を読み終える。 明治後、近代社会となった日本はいつ頃から「時間をまもる人」を意識的につくりだしてきたのか。鉄道、工場労働、学校教育、時計普及など関連分…

塚本監督は『野火』になぜこだわったのか

『塚本晋也「野火」全記録』(塚本晋也、洋泉社、2016年8月)を読み終える。 昨年、映画館でみた塚本晋也監督の『野火』。太平洋戦争のフィリピン・レイテ島での日本兵の苦悶と徹底した戦場の非日常性を描いている。あまりの凄惨な戦場の描写に、見終わったあ…

「非労働時間」(余暇)の過ごし方の発展

『「非労働時間」の生活史ー英国風ライフ・スタイルの誕生』 (川北稔編、リブロ、1987年)を読み終える。 イギリスで労働者階級が増え、労働力を販売する時間とそうでない時間の区別が明確に。「農村的な労働形態では、『労働』と『余暇』は不可分に結合ない…

読書メモ 『時間と習俗の社会史』

『時間と習俗の社会史ー生きられたフランス近代へ』 (福井憲彦、新曜社、1986年)を読み終える。 フランス近代をたどりながら、人びとの生活と時間との関わりがどのように変化してきたのかを考える。とくに第1部が面白い。個人が時計を身につけ始めたのはこ…

第10巻、運命の人、人間の証明

最近読み終えた本。小説は夏休み中に読んだものです。『宮本顕治著作集第10巻ー宮本百合子の世界』 (宮本顕治、新日本出版社、2013年)長い長い中断期間を経て、ついに全10巻読了。ナナメ読みも多かったですけど。昨年読んだ上田耕一郎著作集全6巻ふくめ、買…

字幕屋の気になる日本語、休み方の知恵

最近読み終えた本。どちらも良かったです。『字幕屋の気になる日本語』(太田直子、新日本出版社、2016年7月) 言葉への愛を感じたエッセイ集。読みやすさ抜群。セリフ1秒につき4文字という映画字幕の制限は、想像以上に苦悶の所業。だから鍛えられる。伝える…

あたらしい、恋する、楽しく、はじめての、人民戦線、世界を

最近読み終えた本。いつものように乱読です。『あたらしい憲法のはなし 他二篇』(高見勝利編、岩波現代文庫、2013年) 憲法が公布・施行された1946年~1947年にかけて、新憲法を国民に普及するためにつくられた3つの小冊子をそのまま収録。平易な説明が光る。…

触覚という感覚器官の根源性を考えた

きのうのソワニエ授業で紹介した本。『触楽入門―はじめて世界に触れるときのように』 (テクタイル 仲谷政史・筧康明・三原聡一郎・南澤孝太、 朝日出版社、2016年1月) おもしろかった。触覚という感覚器官が、いかに五感のまとめ役というか、根源になって…

生活優先の、格差と貧困、雑学の、18歳選挙権時代の

最近読み終えた本。『生活優先の原理ー福祉社会への条件』(松原治郎、講談社現代新書、1973年) さすがに古さを感じたが、いくつか問題意識ももらう。生活は、健康で安全に生きられること、豊かに(ゆとりと文化)生きられること、人間的な人生や暮らしを続けら…

川嶋みどり 『「て・あーて」に学ぶ』

さきほどのソワニエ授業で紹介した本。『「て・あーて」に学ぶ―川嶋みどり講演会「今求められる看護の力」によせて』(美須賀病院看護部、創風社出版、2015年) ぼくも著書を愛読してきた看護師・川嶋みどりさんの講演会とその感想などをまとめた1冊。あらた…

ブラックバイト、障害者と戦争、官邸支配、もうひとつの太平洋戦争

最近読んだ本。きのう(18日)の林友の会の講演のために、戦中の障害者の体験手記を2冊読みました。『ブラックバイトー学生が危ない』(今野晴貴、岩波新書、2016年4月) ブラックバイトの定義は、「学生であることを尊重しないアルバイト」。たとえば、「テス…

『「死」と向き合う「おくりびと」たち』

昨日のソワニエ授業で紹介した本。『「死」と向き合う「おくりびと」たち』(中村三郎&Group21、双葉社、2016年5月)■葬儀業界の「ひと」を取材しています。 ・エンバーマー(遺体衛生保全士) ・納棺師 ・葬祭ディレクター ・遺品整理人 ・火葬場職員 ・お墓デ…

『市民に選挙をとりもどせ!』(大月書店)

『市民に選挙をとりもどせ!』 (小沢隆一・田中隆・山口真美編著、大月書店、2013年)を読み終える。 日本の政治と選挙、選挙制度、「べからず選挙法」である公職選挙法、でもこれはできるぞ選挙運動・政治活動、という内容。ほんとに日本は制度として主権者…

『驚きの介護民俗学』を紹介して

今日(7日)のソワニエ看護専門学校での授業で、『驚きの介護民俗学』(六車由美、医学書院、2012年)を紹介しました。 民俗学を専攻した著者が介護職員として、聞き書きを中心に高齢者の記憶と体に染み込んでいる文化や物語を記録する。介護現場は民俗学の…

くちびる、免疫学、日中関係、ホッブズ、時間を

最近読んだ本。相変わらず、なんの系統性もない。『くちびるに歌を』(中田永一、小学館、2011年) 同名の映画を昨年?みて感動。この原作も味わいがあったが、映画は柏木先生の背負っているものを描き、「手紙」の歌詞とストーリーが交差してより感動が深くな…

『民主主義』(文部省著・西田亮介編) 書評

*『学習の友』6月号に書いた、『民主主義』(文部省著・西田亮介編、幻冬舎新書、2016年1月)の書評です。そのまま転載します。 「そのとき」「その時代」でしか書けないような熱をおびた言葉にでくわすことがあります。本書は民主主義を根本から、その価値…

『国が地域医療を滅ぼす日』(大野健次著)

きのうのソワニエ看護専門学校の授業で紹介した本です。『国が地域医療を滅ぼす日―迫りくるデュオ・ピークスの脅威』 (大野健次、ワニブックス、2016年4月)」 *著者は「笑って死ねる病院」で有名になった、金沢の城北病院の院長です。専門は消火器内科。…

『僕が家庭科教師になったわけ』

きのうのソワニエ授業で紹介した本。学生さんの反応もけっこうありました。もう若い世代はジェンダーの縛りはかなり無くなってきているなという印象です。『僕が家庭科教師になったわけーつまるところの「生きる力」』 (小平陽一、太郎次郎社エディタス、20…

ソワニエ読書日記で紹介ー『さくらのとんねる』

さきほどのソワニエ看護専門学校の授業の冒頭で、この本を紹介しました。『さくらのとんねる 二十歳のえみる』(風見しんご、青志社、2016年4月) 風見さんは9年前、愛娘を交通事故で突然亡くされました。とんでもない苦しみと絶望的な悲しみ。その回想と歩…

1か月ぶりの読書記録更新につき・・・

淡白な紹介になってしまいますが・・・。最近読んだ本です(読んだ順に)。『NO.6 #5』(あさのさつこ、講談社文庫、2009年)ほぼ矯正施設内での展開。若干くどさを感じながらも、さくさく読んでいく。『NO.6 #6』(あさのさつこ、講談社文庫、2011年)理想都市崩壊…

死について考えると… 『このあと どうしちゃおう』

出版されたばかりの、『このあと どうしちゃおう』(ヨシタケシンスケ、ブロンズ新社、2016年4月)を買って読む。 著者の絵本デビュー作『りんごかもしれない』の想像力にも感嘆しましたが、今回の絵本もなかなかの面白さ、奥深さです。亡くなったおじいちゃん…

『「女の仕事」のエスノグラフィ』 中谷文美さんの講義は今週木曜

『「女の仕事」のエスノグラフィ バリ島の布・儀礼・ジェンダー』 (中谷文美、世界思想社、2003年)を読み終える。 インドネシアのバリ島に20か月住みこみ、生活をともにしながら、村の女性たちの「3つの仕事」について調査。「その生活にとけこんで」という…

勤勉は美徳か?、お買物で、侵略と植民地支配、NO.6#123

最近読み終えた本。引き続き、あさのあつこさんの作品を読みちゅう。 『勤勉は美徳か?ー幸福に働き、生きるヒント』 (大内伸哉、光文社新書、2016年3月) いくつか「なるほど」と参考になったが、全体的にはモヤモヤと。著者の立場性があいまいだからだろう…

ハピネス、第9巻、ぼくの住まい論

最近読んだ本。『ハピネス』(桐野夏生、光文社文庫、2016年2月)桐野作品にしては、それほど後味悪くなかったね(^_^;)しかし、専業主婦のママ友世界をよくこれだけリアルに表現できますね。作家ってほんとすごいわ。『宮本顕治著作集 第9巻 1985年~94年』(宮…

『街場の文体論』を読んでのメモ

『街場の文体論』(内田樹、文春文庫、2016年3月)を読み終える。 神戸女学院大学での内田樹先生の最終講義14講の文庫化。なんかねー、わずか800円ぐらいで内田先生の最後の熱量ハンパない講義を学べるって、すんごく得した気分。本ってありがたい。で、内容で…

バッテリーⅤ、Ⅵ、18歳から、十津川警部、被爆医師

最近読み終えた本。『バッテリーⅤ』(あさのあつこ、角川文庫、2006年) この巻もゆっくりじっくり進んだという印象。いよいよ最終巻で最高の相手と試合。どーなりますか。『バッテリーⅥ』(あさのあつこ、角川文庫、2006年) 1巻目を読み始め、10日目で全6巻、…

バッテリー、ブームをつくる、バッテリーⅡ

最近読み終えた本。こういう小説とか軽めの新書だったら、1日1冊ペースで読めるんだけどな~。さくさくと。『バッテリー』(あさのあつこ、角川文庫、2003年) 地元の岡山が舞台ということで、方言も違和感なく読めちゃいました。しかしこの物語、全部で6巻…