長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

食べることを哲学してみた

きのう(20日)は、ソワニエ看護専門学校の4回目の授業。

「働くとは」という講義だったのですが、

読書日記で読んだ辰巳芳子さんの本が良かったので、

大幅に内容を変えて、

「人間にとって“食べること”とは」について、

つっこんで考えてみました。まあ、これも哲学です。

(いちおう最後に「働くこと」についてサワリをしましたが)

 

 

「動物と人間の食べることの違いは?」

という質問をじゃんじゃかしていき、学生さんと考えました。

 

 

以下、学生さんの感想文です(一部)。

 

◆私の実家は農家です。小さい頃から田んぼに囲まれて

育ち、農はん期になると手伝いをしていました。やはり、

自分で食べ物を育てていると愛情が芽生えました。そして

何よりもおいしい。食べ物を食べる時、「この食材はどこか

らきたのか。誰がつくってくれたのか」ということを想像して

食べると、ご飯がよりいっそう美味しく感じられます。子ども

たちに農業体験をさせる機会がもっと増えればいいと思う。

 

◆辰巳芳子さんのスープについては、看護概論でも勉強

しました。自分が看護師になったときは、食事についても

気をつかっていきたい。

 

◆人間の「食べる」は本当に動物などとくらべて大違いだと

思います。味を楽しみ、食べることで家族やまわりの人たちと

コミュニケーションをとったり、生きているうえで大切なこと

だと思います。

 

◆普段何気なくしていた食事も、少し掘り下げて考えるだけで、

多くの色を見せ、それに一生をついやす人がいるのを改めて

知りました。また食事も立派な医療だと思うので、看護師を

目指している私は、これからは食事を軽んずることなく生きて

いきたいと思いました。

 

◆食べるというのは昔から誰もがやっていることで当たり前

だから気づかないことが数多くあるんだなと思いました。

その当たり前のことが出来なくなって初めて知るありがたさを

私は今回の授業で思い知りました。

 

◆働く意味にはたくさんのことがあるのだと思いました。

社会人の人もいるだけあってたくさんのいい意見が

でて、勉強になった。

 

◆食事の大切さ、体の状態に合わせた食事をとることの

大切さを学びました。食べないと元気が出ないですし、

よくよく考えることもできません。食事は人間が生きる

源(素)だと思います。私は昔、のどが弱く、何度も手術

しており、固形物をとれない時期が多々ありました。その時

私の母も、私が少しでも食べれるものをと病院の食事で

出る、お米をたいた汁以外に、いつも工夫してあきないよう、

スープを作って持ってきてくれていました。今では、私が

両親によくスープをつくります。私の家族にとっても、スープ

や味噌汁は、欠かせない食べ物です。

 

◆『食』はたんに食欲をみたすだけのものじゃないと思い

ます。食欲以上に喜びや悲しみ、怒りなどいろいろな感情を

満たしてくれます。また、『食』によっていろいろなことが

わかります。ダイエットをしている人は低カロリーなものを

食べたり、世界での貧富の差、文化などなど・・・。また、

『食』が能力になったり、それによって経済になったりする。

とにかく、『食』はいろいろな意味をもっており、その意味は

人によってそれぞれちがうと思います。

 

◆食べるということは人間にとって様々な意味もあり、

文化もあるのでなくてはならないものだと思った。そして

看護師にとっては、患者の回復過程を支える大事な

役割もあるため、相手のことを考える力も必要だと思った。

 

◆1人で朝食や夕食を食べることが多いので、作る料理も

手抜きでバランスが悪いという生活を送っているので、

DVDの辰巳さんの言葉がとても心に刺さった。「自分が

ちゃんと食べないと損する」。今は良くてものちのち体に

不具合が生じてくるので、今何を食べるかが重要だと思った。

思ったように物が食べられない患者さんにとっては、具は

食べられなくても食材の味が染み込んだスープを飲むことで

食を楽しむことができるのだなと学んだ。スープの本を見て

みたいと思った。

 

◆辰巳さんは、ナイチンゲールの講義にもでてきたので

知っていた。看護と食についてすごくくわしい人だと印象が

ある。DVDでスープについて紹介されていたが、食べる

ことができない人にとって、スープなどを「飲む」という行為は

栄養をとることのできる方法の1つである。自分で摂取できる

ことは人としての喜びの1つだと感じた。看護現場においても

そういう人を眼にすることは多いことと思うので、そのことを

忘れないようにしたい。

 

◆スープどれも美味しそうでした。きっと心も体も温まりそう

ですね。辰巳さんは全国の子どもたちに「自分の手で育てた

ものを、自分で調理して食べる。そうすることによって心が

豊かになる」ということを教えてらっしゃいましたが、本当に

その通りだと思います。私自身野菜など育てて食べたことが

ありますが、収穫したものを食べたときに、「食べ物」によって

自分は生かされていることをいつも実感します。

 

◆動物と人間の食べるとは考えてみるとたくさん違いが

あると思いました。人間は食べることは楽しみであり、

ストレス解消などということがあるけれども、動物は

生きるための栄養を補うためじゃないかという意見が

あったが「なるほど!」と思った。食べるっていいですね。

そして、幸せですね。今日の授業も発見あり、学びありの

授業でとてもよかったです。