長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

ナースの私にできること

最近読み終えた本。 

 

『幸せをつくる、ナースの私にできること

―3・11東日本大震災 看護師3770人を被災地へ』

(石井美恵子、廣済堂出版、2013年3月)

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震災時、日本看護協会の「災害支援ナース」派遣の

陣頭指揮をとった著者。

的確な判断力と底知れぬ情熱にまず脱帽しました。

そしてつねに論理的です。

 

また、どんな相手の立場にも、きちんと立つことができる人。

災害時の心構えとしても学ぶことも多かったです。

 

いや、災害時だけでなく、運動論としても読めるかも。

いろいろ参考になるところがありました。

 

 

 

以下、本書よりメモです。

 

「頭では冷静になろうと思っていても、現地に着いて

被災者の悲惨な状況を見ると、テンションが上がって

しまう。その興奮状態のまま発言し、行動してしまう

ことが、被災者をさらに傷つけることにつながる」

 

「まず、『助ける者』と『助けられる者』にはそもそも

立場に不均衡があるという前提に立ってください。

人は、援助を求め他者に頼ることは、弱さや失敗を

自白しているようなものと感じることがあるのです」

 

「被災地には静かに入り、静かに観察し、被災した

人たちに役立つことを見つけたら、静かにそれを実行

する。これがいちばん望ましい災害支援だと私は思っ

ています」

 

「私がいないと回らないシステムなんて、そんなものは

システムじゃない」

 

「むしろ周りの人間が、その我慢を賞賛することで、我慢

を強要していることにつながっているのではないか? 

『そんなに我慢しなくていいんだよ』と言うべきなのに、

逆に、彼らの忍耐を賞賛している」