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長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

福島第一原発で働く人びとの実態…

きのう(19日)は、おかやま青年革新懇主催の
講演企画『ルポ イチエフ―福島第一原発で働く人びと』
が行われ、39名が参加されました。

青年が全体3分の1と少なめだったのが残念でした・・・。

 

 

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会場のようす。

 

講師は、昨年岩波書店から『ルポ イチエフ』を

出版された布施祐仁さん(ジャーナリスト・『平和新聞』編集長)。

 

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布施さん。

休憩をはさんで、たっぷり2時間以上

お話いただきました。

 

布施さんは、原発事故直後から福島第一原発で働く

作業員の方々を継続的に取材。

これまで70人の方から取材をされた内容を

もとに、原発労働者の過酷で劣悪な労働環境、

ずさんな被曝管理やその後の保障の欠如など、

多くの問題を生々しく語られました。

「廃炉」に向けた課題の大きさと難しさを

あらためて実感させていただいた講演内容でした。

 

 

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じっさいに作業員が着ている

防護服(のようなもの)ですが、

放射線をふせぐものにはまったくなっておらず、

たんに使い捨てできる「紙」であるとのことでした。

 

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マスクも、空気の漏れがないか

「リークチェック」するのですが、

当初の現場では作業員への教育がまったく

不十分で、マスクが曇る(空気が入ってしまっている)ことが

多くあったそうです。内部被曝をしてしまうのです。

 

 

布施さんは、現場の労働者のいちばんの

問題関心は、「どれだけここで働けるのか」であり、

不安定な非正規労働者が現場では圧倒的に多く、

法律で決められている「被曝限度」をいかに抑えるのか、

そのために「被曝隠し」や「測定放棄」などが起きている

実態を語られました。

 

原発作業員の重層的下請け構造、

そのなかで、危険手当さえ出ない現場、

ひどいピンハネ、労働者が不足する状況、

など、劣悪な労働環境が、

「廃炉」へむけた障害になっていると指摘。

 

労働者が安心して働ける環境整備の必要性。

とくに賃金・手当ての改善、雇用の継続、住宅、医療の給付

などが必要で、さらにチェルノブイリ事故の経験からも学び、

包括的な保障制度をつくることが大事であると語られました。

 

最後に布施さんは、

作業員の方からいちばん多く聞いた言葉として、

「どうせ俺たちは使い捨てだから」という

ものがあったと紹介。

日本の命運がかかった、過酷な現場で働く人びとに、

こんなことを言われる社会でいいのか、

ということを訴えられました。

 

 

講演のあと、質疑応答や訴えなど。

 

たいへん充実の講演会になったと思います。

布施さん、ありがとうございました。

 

 

以下、参加者の感想文を少しだけ紹介します。

 

◆福島第一原発での労働実態(それでも一部なのでしょうが)が

よくわかりました。こうした取材・報道が労働実態の改善につながる

ことを期待するばかりです。それが、福島だけでなく、日本そのものの

将来にかかわる重要なことだと強く感じました。貴重はお話、

ありがとうございました。

 

◆全く収束できてない状況がよくわかった。また現場で働いている

人達の声を布施さんから聞くことができ、あまりにもずさんな

状況であること、今後の日本の不安を非常に感じた。自分でも

原発について勉強していかなければならないとい思いました。

 

◆具体的な話で、とてもひどい実態がよくわかりました。

こうした実態を国が把握し、東電まかせにしないこと、

利益優先でなく安全に廃炉に向かうために必要なことを

やれるシステムを国がつくりことが必要だと思います。

一般マスコミでは、なかなか報道されない事実を、これからも

取材・報道し続けてください!

 

◆原発の労働者の実態が思っていた以上に劣悪だった。

「原発がないと仕事がなくなる」と他人事のように話を

する人に聞かせたかった。

 

◆原発労働者に多くの若者がいたということ、地元の方が

多いということが印象に残りました。地元を守りたいという

美しい思いを放射能汚染による自己犠牲に向かわざるを

得ない状況が思い浮かび、悲しくなります。事故当初の

特別教育の未実施、その後実施後も教育内容不徹底を

知り、現場の過酷さ、ずさんさに、収束へと本当に向かえる

のかと不安が募りました。被曝隠しと食いぶちを守りたい

現場労働者の関係性を知り、根本にある貧困問題、労働

問題の解決の必要性を感じました。

 

◆実際に現場で作業している方がこれほど劣悪な労働条件

だったとは知らず、過酷な様子がうかがえた。メディアが

伝えていることと、真実のちがいにおどろきを覚えた。

 

◆原発は一刻も早くなくしてほしいと思いますが、そのために

何が必要か、これまでとはちがう視点で考えさせられました。

廃炉に向けて労働環境や医療保障の制度をつくろうという

世論づくりをしていかなくてはと思った。布施さんの取材姿勢、

とても共感しました。

 

◆今日は貴重な話を聞かせて頂きありがとうございました。

原発で働く労働者の実態がよく分かりましたし、彼らがモノの

ごとく使い捨てにされることがあってはならないと思います。

しっかりサポートされ安全な作業環境が整えられ、収束・

廃炉に向けての作業が着実に進んでいくことを切に願うものです。