長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

「お金もち」と「資本家」は違う!のですね

きのう(31日)の夜は、
第86期岡山労働学校「超入門! 資本論教室」の
第4講義でした。14名参加。

 

テーマは「商品とは何か―あわせて貨幣論も」。

いよいよ『資本論』の中身に。

概念がたーくさん出てきて、「難しい」の感想も多数。

労働の二重性も、なかなか理解がたいへんのようです。

慣れるしかないかと・・・。くりかえしです・・・。

 

きのうは同じ時間帯に、となりのとなりの会議室で

JAL不当解雇撤回裁判の原告激励集会が

行われていて、前期記念講演をされた神瀬麻里子さんも。

 f:id:benkaku:20131031175215j:plain

開始前の激励集会の会場雰囲気。

10分ほど講義を中断して、

激励集会が終わった直後に、みんなでご挨拶に。

こんな臨機応変もしております。

 

 f:id:benkaku:20131031202650j:plain

グループ討論のようすです。

 

 

【以下、第4講義の概要です】

 

はじめに:今日のポイント

     ①資本主義社会の「富」の一般的な形態である「商品」の本質をつかむ

     ②商品交換が複雑に発展してくると「貨幣」が生まれてくる

 

一。商品とは

 1。『資本論』冒頭の一節

 

   ◇私たちは、商品(他人がつくりだしたモノやサービス)に囲まれて生活している

 

 2。商品とは何か-その二つの性質

  ①使用価値について

  ②価値について

 

  ◇二つの性質をあわせもたない場合は商品にはならない

  ◇まとめ。商品は、使用価値であると同時に、価値である(二重の性質)。

 

 3。商品の価値の大きさはどうやって決まるか

◇その商品にふくまれている価値の大きさが、商品の価格(ねだん)を基礎づける

 

    「商品の価値の大きさは、その商品を生産するのに社会的に必要な平均労働の分量(=労働時間)によってきまる」

 

4。商品を生み出す人間労働自体の二重性

  ◇マルクスも自慢した「発見」

  ◇使用価値をつくる「具体的有用労働」

  ◇価値をつくる「抽象的人間労働」

 

二。貨幣とは何か?

 1。“お金”の魔力

  ◇お金さえあれば・・・・!?

  ◇金は、人生を狂わし、人を惑わす・・・

 

 2。商品交換の発展から生まれた「貨幣」

  ◇商品の価値の大きさをあらわす「等価物」

  ◇商品交換の不都合から必要とされる一般的等価物

  ◇貨幣の発生

 

   *なぜ「金」が?ーその自然的性質に理由が

    ①どんなに分割しても融合しても均質であること

    ②化学的変化がおきにくく、くさったり破損することが少ないこと

    ③もち運びや保管がしやすいこと

    ④少量で大きな価値をもつため、少量の金で他の多くの商品と交換できること

 

  ◇私たちが使っている「お金」

 

三。貨幣の機能と、貨幣の資本への転化

1。貨幣の機能

  ①価値の尺度

  ②流通手段

  ③貨幣(貨幣蓄蔵・支払手段・世界貨幣)

 

 2。「お金もち(貨幣蓄蔵者)」と「資本家」は違う

  ◇お金の増やし方が違う

  ◇貨幣所有者は、市場で「労働力」商品を発見するー資本への転化

 

 3。資本とは何か

  ◇私たちが労働力を売るのは、「金もうけ」のためではない

商品 - 貨幣 - 商品  が私たち(労働者)のお金の流れ

  ◇これに対して、資本家が労働者の労働力を買って商品生産をする流れ

   貨幣 - 商品 - 貨幣  ということ

この運動の目的は、貨幣の増加、つまりより大きな貨幣(価値)の獲得にあること。 資本=自己増殖する価値のこと。

 

    では、なぜ「はじめ」より「おわり」の貨幣が大きくなるのか?(次回に)

 

 

以上。

 

 

感想文を少し。

 

◆言葉を正しく理解するって大事ですね。とっても

難しいです。「お金もち」と「資本家」は違う!のですね。

 

◆以前経済学教室で一度学習したことでしたが、

やっぱり難しかった。言葉に慣れない…。日常生活

でも商品の本質を意識してみると何か見えるのかなあ。

 

◆価値は目に見えない! 概念をとらえるのが大事。

労働力も目に見えない!

 

◆商品、使用価値、価値とか、基本をきちんと

おさえておきたい。

 

◆使用者と労働者では、立場が違うということが

スタートとゴールで全く違うことがわかった。

(商品―貨幣―商品 or 貨幣―商品―貨幣)

来週の団交がんばろうと思った。