長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

家事ハラ、古典教室3巻、プラトン『饗宴』

最近読み終えた本。

『家事労働ハラスメントー生きづらさの根にあるもの』

(竹信三恵子、岩波新書、2013年10月)

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良書。

 

「働く裏側には、必ず、家事や育児、介護の労働がついてくる」。

しかし日本社会の根深いジェンダーバイアスにより、

家事労働は女性が主たる担い手に。社会・経済政策の視野の外に。

 

家事労働は基本無償。

だから、家事労働にしばりつけられると、

お金を手に入れる時間がなくなる。

女性は経済的弱者におとしこめられる。

 

家事労働への評価の見直しを。

科学的社会主義の労働力再生産論、

賃金論でも、かならず言及すべき問題。

 

 

 

『古典教室 第3巻』(不破哲三、新日本出版社、2013年11月)

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『フランスにおける階級闘争』への序文、

マルクス・エンゲルス以後の理論史、の講義録。

 

新しい理論的開拓、
大事なことがたくさん、とは思いますが、

まー、ちょっと初級者には難度高いかなと。

これをいきなり「読んで勉強しよう」と

言われても、なかなか蓄積がないと

ついていけないと思う。

 

科学的社会主義の

スーパー初級者むけ本が必要だ。

 

 

 

100分de名著・饗宴プラトン』(納富信留、NHK出版、2013年7月)

 

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まあまあおもしろかった。

しかし、やっぱり原典をじっくり読みたいとも思う。

ソクラテスとプラトンの関係って興味深いわ。

 

「欠乏していると思わない者は、その人が欠けていると

思わない対象を欲求はしないものです」(プラトン『饗宴』)

というのは、

不自由を自覚しない人は自由を欲しない、と同じだね。