長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

日本国憲法は“宝物”のように輝いている

きのう(26日)の夜は、

倉敷「ものの見方・考え方講座」の4回目(全5回)。

これまで一番多い11名参加。

 

しかも、福祉保育労のW保育園から

若い保育士さん参加。

倉敷医療生協労組からも20代の青年参加。

地道にがんばるっす。こうした新しい変化があるっす。

 

きのうは、「ヒューマニズムと労働組合」という

テーマでした。1時間ちょい講義。

 

 

ヒューマニズムのことについては、

先日のソワニエで話した内容とかぶるので、

(さらに整理はしましたが)

労働組合のところだけ概要を紹介。

 

 

二。ヒューマニズムと労働組合ーたたかうこと

1。労働組合誕生の歴史―イギリスで生まれ、世界中に広がった労働組合

  ◇世界でいちばん早く資本主義が発達したイギリス…産業革命(17世紀後半~)

   *道具から機械へ(人間中心から機械中心へ…労働時間の延長。児童も女性も)

   *労働者の状態は…(長時間労働、低賃金、首切り自由、無権利、生存権なし)

  ◇個人的な抵抗、「痛み」の緩和策-生きるために

   *盗み、暴動、機械うちこわし… 犯罪として罪に。失敗。

   *パブでの共済活動(共通性理解のめばえ)

  ◇ストライキから労働組合へ(18世紀後半~)

   *ストライキ(いっせいに仕事を放棄する)の発明。経営者と対等に。

    →労働者のたたかいの手段。「数の力」への認識。

    →しかし、当初は一時的・単発的な「団結」だった

   *さらに、恒常的に「数の力をひとつに」―労働組合の誕生へ

   *パブで労働組合が生まれた?-その教訓とは

  ◇団結禁止!の弾圧をのりこえて

   *イギリスでは1799年「団結禁止法」。日本でも1900年「治安警察法」。

 

 2。教訓

  ◇雇われる人と雇う人との圧倒的な経済的力の格差。対等ではない。

  ◇労働者はバラバラにたたかっていては、けっして人間らしく働くことはできない

  ◇労働者は「労働力商品」を大切に、健全に再生産しつづけなければならない

   *安売りNO! 酷使NO! アクシデントがあっても生きていける道YES!

  ◇労働組合は、経済的なたたかいだけでなく、政治的・思想的たたかいも必要

 

 3。憲法が私たちに呼びかけていること

  ◇憲法28条の3つの語りかけ。つくれ・要求せよ・行動だ!

   *なぜ憲法で「労働三権」が保障されているのか。憲法のかかげている

理念や基本的人権の実現のために必要不可欠な労働組合。

その活動。特別に保障する必要。

   *人間らしさを求める「たたかい」の主役

  ◇憲法28条と21条の結合―労働組合民主主義の実践

*集まる、組織を大事に、話しあう、書きあう、表現しあう!

  ◇憲法28条と13条の結合―かけがえのない1人ひとりの生命・自由・幸福追求

   *ひとりも見捨てない職場。ひとりも見捨てない地域。ひとりも見捨てない社会へ。

 

さいごに:ノーマ・フィールドさんの言葉から(『女性のひろば』2012年6月号より)

 

「そうは言っても個人はそんなに強いものじゃないんだよなあ。

“ひとりひとり”じゃ無理なんだよなあといつも思うのです。1人で

突出したことをやらなくてはならない、それができない自分はダメ

だと責める。そういうやり方では運動は進まないような気がしてい

ます」

 

「私は子どものころは、勇気は個の中から出てくる、本質的に個に

根ざしたものだという気がしてきました。でも今は、それは大きな取

り違えで、勇気というものは個人のものではなくて、もっと社会的な

ものかもしれないと思うのです。つまり、仲間がいるからこそ勇気が

出てくるというのがありますよね。そういう意味で運動の大切さを感

じます」

 

以上。

 

 

講義後の感想交流も、

労働組合の経験やたいへんさを交流しあう

こともでき、よい時間になったと思います。

 

 

参加者の感想です。

 

◆大変有意義な講義でした。ヒューマニズムと労働組合が、

どのように結びついていくのかと思っていましたが、見事に

結びついていくことに、感動しました。ヒューマニズムの歴史

から、労働組合の結成までの流れがよく理解できました。

 

◆「集まる」ことができるのは大切だなと思いました。集まる

スペースづくりについて関心があるので、今後も考えていき

たいと思います。歴史の流れの中から、今後に役立つことを

見つけ、どう世の中を変えていけるかを考えていきたいと

思います。

 

◆ルネサンス、歴史で習ったけど、芸術のことしか知らなかった

ので、人間らしさ「ヒューマニズム」の原点なのですね。知らな

かった。人間らしさを求めてたたかった歴史をきいて、たたかいの

中には「封建社会」や「資本主義」という社会のしくみの壁が

あるのだな、と思いました。権利が保障されることが、人間らしさ

をつくっていくのですね。

 

◆人間らしさとは何か、たたかいの中心部隊は労働組合だと

聞いて、とても心に残りました。ヒューマニズムの歴史にとても

興味がもてたので、あとで資料を読み返したいと思います。

 

◆初めて参加させていただいたのですが、今までのように

普通に生活していただけでは聞くことのできない話を聞く

ことができ、本当に勉強になりました。これからもっとたくさんの

集まる場へ行き、色々な人と交流、話を聞く機会を増やして

いきたいと感じました。保育園での組合活動は、集まって“それ

ぞれの思いを聞く“という活動で、それが必要なのか疑問に

思っていた部分があったのですが、その集まることが、少しでも

働きやすい場をつくっていたんだと感じました。人が平等に

生きていく為にも、もっと1人ひとりが憲法を知ること、憲法が

あるのに生活困難な方がいてはならないと思いました。

 

◆ヒューマニズムの歴史については少し難しい部分もありま

したが、こうした角度で学習することは初めてでとても新鮮

でした。今、現場(職場)に合理化・機械化も含め、忙しさが

増しており、「集まる」時間がとても減っています。やはり

集まるところから出発していかなければと改めて感じました。

(そのための工夫がいる。時間・場所など)

秘密保護法が強行採決されて、日本国憲法に逆行している!

と怒りです。

 

◆歴史の流れ、資本主義から社会主義へと進化(?)している

という講義を受け、”もうすぐ明るい未来が来るぞ“と思った

時から35年・・・。まだまだその未来は見えないナァと感じて

いました。しかしグループ討論会のなかで参加された方々から

話を伺う中で、イヤ・・・そうでもないかも、踏ん張り時だが、時代は

確実に変わってきているんだという気持ちに変わりました。

“労働組合”は憲法のなかで特別に大事にされていることに

驚きました。そして日本国憲法は、ヒューマニズムの結晶である

ことを知り、“宝物”のように輝いている様に感じました。大切に

しなくては――です!