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長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

連載「チラシ・ニュースづくりの基礎知識」(8)

第8回「ニュースづくりの基本(2)―企画の立て方」

 

【企画を考えるスタンス】

 

 ニュースや機関紙の内容は、活動報告だけではありません。

読者に提供したい内容、「次の号にこんなものを載せたい」、

これが企画です。それは、①どういう内容・題材・テーマを扱うか。

②その内容をどういう形式の記事にするか、という2つの角度で

考えていきます。

 企画を考えるというのは、読者に提供したい情報・テーマを考え、

探るということです。したがってニュースや機関紙の編集者に求め

られるのは、運動や情勢と無関係に内容を考えるのではなく、

「いまの組織や運動はどういう状況にあるか」「職場や地域はどう

なっているか」「組合員や組織員は何を考えながら活動している

のか」「いまどんな情報を共有すれば、交流が広がり、組織の団結

が強まるのか」という諸点について、つまり組織や運動の現在と

未来について分析・考察することが求められます。集団でつくって

いるのであれば、編集委員会などでしっかり議論することが大事です。

 

【企画力を高めるのは、議論と問題意識】

 

 企画のアイデアは、「さあ、考えよう」といってパッと出てくるもので

はありません。集団での議論のなかで練り上げることはもちろんで

すが、つねに問題意識をもち日常のなかでアンテナをはることで、

「これだ!」というひらめきが生まれてくるものです。

 自然科学者の井尻正二さんは、『科学論』という著書のなかで、

「直感とは・・・判断力、類推力、抽象力などといった悟性や理性の

働きも圧縮した形でふくんでいる能動的な感性の働きである」と述べ

ています。つねに対象にたいして問題意識をもって考えているから

こそ、ふとしたことがきっかけで直感的ひらめきが生まれてくるのです。

それを支えるのが、日常のなかでの不断の学習・情報収集です。

 

【読者のニーズを尊重しながら、読者をリードする】

 

 読者は、自分の関心・問題意識の範囲内の記事しか「反応しない」

傾向があります。したがって、読者の関心の高い問題・テーマや射程

距離内にある企画は読まれやすいと思います。しかし、「ニーズの

尊重」ということを重視するあまり、「読者におもねる」企画ばかりでは、

読者の問題意識を広げ高めることはできなくなります。

編集者も読者もともに成長するようなニュース。それは、「ニーズを

尊重しながら、読者をリードしていく企画」「いつも同じ内容ではなく、

適度な新しさや刺激をふくんだ企画」。こうした努力の方向性を大事に

することだと思います。

「難しいことは敬遠」する傾向であるならば、その「難しいこと」を

「私たちの問題」としてひきつけて考えられるように角度を工夫する

こと、そしてもちろん、わかりやすくするための努力も欠かせません。

そうしたニュースや機関紙づくりはたいへんですが、読者から「読ん

だよ!」「おもしろかった!」「元気でた!」の反応が返ってくると、喜び

もひときわ大きくなります。その読者の反応を原動力にしながら、さら

に良いものをつくるために、コツコツと努力をしていきましょう。