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長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

連載「チラシ・ニュースづくりの基礎知識」 (10・最終回)

「ニュースづくりの基本(4)-レイアウト」

 

【レイアウトは、料理でいえば盛りつけ】

 

 ニュースや機関紙は、いくら記事の内容や素材がよくても、「見た

目」で敬遠されてしまうことがあります。字ばかりのものであったり、

余白がなく窮屈であったり、美的にバランスが悪かったり、読む流

れを上手につくれていないものなどです。 レイアウト作業は、料理

でいえば盛りつけの役割を果たします。素材をおいしそうにみせる

文化や技術です。大切なことは、原稿を書いてくれた人や、取材に

応じてくれた人への「思いやり」「感謝の気持ち」です。記事を最良の

状態で読者に提供する、その仕上げとしてのレイアウトを怠らない

努力です。

 レイアウト上タブーとされているものもありますので、それらを知っ

ておくだけでも、かなり上達するはずです。たとえば、1本の罫線が

左端から右端につっきってしまう「ハラキリ」。ページをまたいで文章が

続くときに、そのページの終わりを句点にしてしまう「泣き別れ」。画面

いっぱいに情報を入れ込んでしまう「埋め尽し」。写真と文字が近す

ぎて文字が読みづらく圧迫感も増す「ニアミス」などなど。『レイアウト

デザイン』(南雲治嘉著、グラフィック社)などを参照ください。

 

 大手新聞や商業雑誌などは、レイアウトという面でもプロの技がかい

ま見れるものですので、それらのものを「レイアウトの視点」で読むこと

も訓練になります。私もレイアウトに困ったときは、おしゃれな雑誌など

のレイアウトを真似することがあります。真似することで、だんだんと

自分なりのレイアウト技術が磨かれていくと思います。

 

【さまざまな効用と、楽しむ心がまえ】

 

 10回におよんだ連載もこれで終わりです。「伝えたい気持ち」があり、

コツを体得すれば、チラシもニュース・機関紙づくりも、かならず上達し

ます。「苦手だから」といっていつまでも手を出さずにいれば、そうした

力はいつまでたっても培われません。

 チラシやニュースづくりの基本を学んでおくことは、じつはそれ以外の

「効用」もあります。たとえば学習会や会議のレジュメづくりです。「そん

なものにコツがあるのか」と問われれば、はっきり「ある」と答えられます。

レジュメも「伝える媒体」のひとつでです。私は常日頃から、「読みやす

いレジュメ」「美しいレジュメ」というものがあると考えています。レジュメ

づくりも、じつは「伝えたいという思い」が表れてしまうものなのです。

 また、人に話をすることにも、共通するものだと思います。「どうやっ

たら人に伝わるのか」をチラシやニュースづくりを通して考え続けること

は、学習会の講師や会議での報告など、人に話をするときにも、「どう

やったらわかりやすくなるのか」「人の心を動かすには」などのヒントを

得ることにつながっていきます。そんな「効用」もぜひ楽しんでみてください。

 

「人に伝える」ということは、やっぱり難しい。終わりのない、完成のない

課題です。でもなにより「楽しい」ことでもあります。コミュニケーションが

成り立つということは、人間の根源的喜びのひとつだと思います。多くの

人とをつながりあう喜びを味わえる媒体として、チラシやニュースづくりを

楽しみ、チャレンジし続けていきましょう。