長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

香川医療生協での新入職員研修に

きのう(2日)は午後、香川医療生協の
新入職員研修(2日目)で学習会講師のため、高松へ。

 

電車の運賃、値上げされていましたね・・・。ふう。

なにもかも値上げ、値上げ、です。ふう。

 

さて、高松平和病院すぐ近くの研修室にて

13時半から16時半の3時間にわたっての学習会。

テーマは「『問い』をもち、育てあおう」というもの。

 

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3時間もあるし、余裕だわーと思っていて、

余談ふくめながらあれこれしゃべっていたら、

な、なんとレジュメの3分の2ぐらいしかできず。

すみません。しゃべりすぎました。

結局、休憩はさんで2時間半も話し、

感想交流30分ということに。あわわ。

 

参加は30名ほどで、

リハビリ職員がいちばん多く、ついで看護師と続いていました。

30名以上入職するなんて異例のことだそうです。

同期の仲間たち、切磋琢磨しながら、

成長していってほしいですね。

 

 

で、講義の中身はというと・・・。

 

 

「問い」をもつということは、

言葉で考えるということ。

考えながら仕事をする。

 

でも、これが意外に難しい。

仕事が忙しかったり、

慣れてくると、考えないで仕事をする(できる)ことも。

 

考え続ける姿勢をもってほしい。

 

そして、民医連という組織は、綱領をもっている。

綱領は理念であり、また羅針盤でもある。

羅針盤とは、航海中に嵐が来たり迷ったりしたときに、

自分たちの進むべき方向を指し示してくれるもの。

 

だから、民医連の綱領を学び、

ときどきでいいので、自分の仕事と照らしあわせて、

考えてほしい。

 

てな話から始まりまして(いや、もっと余談があったのですが)、

まず参加者に民医連綱領のなかにある、

「人権」という言葉の意味を考えてもらうことにしました。

 

参加者それぞれが、「人権とは」と聞かれての

「とりあえずの回答」を小さな紙に書いてもらい、

それを回収し、読み上げながら、

「人権」について深めました。

(これだけで50分ぐらい時間を費やした)

 

30人もいれば、だいたい人権を語るべきときの

キーワードって、出てくるんですよね。

「自己決定できる」「人間らしく生きる権利」「生存権」

「生まれたときから、亡くなるまであるもの」「平等」

「各々に価値があると認めること」「尊厳がある」

「侵すことのできないもの」「誰もがもっている」

などなど、出されたキーワードをもとに、

憲法の条文などもチラホラ語りながら、人権について

深めあいました。これはなかなか良かったと思います。

 

休憩をはさみ、

高松平和病院がかかげる

「いつでも、どこでも、誰もが、安心してかかれる医療を」

というスローガンに注目。

 

では、患者さんの立場にたって、

「安心して医療にかかれる条件とはなんだろうか?」

とまた質問をなげかけ、

小さな紙に書いてもらい、同じように読み上げながら

ホワイトボードに書き込みながら深めあいました。

 

ここでも、いろんなキーワードがだされ、

それぞれについてコメントしながら、問題意識を

広げてもらうような学びをしていきました。

 

「しっかりとした設備や医療人がいること」

「誰もが平等にかかれる」「お金があまりかからない」

「その人にあった治療ができる」「説明がわかりやすい」

「スタッフの笑顔」「患者さんの話を聴く姿勢がある」

「身近にある」「知識や技術があること」

などなど。

このキーワードをもとに、アドリブふまえ、

あれこれあれこれと・・・。

 

こういう学習会は、こちらも発見があって楽しいですね。

 

そして講義は「健康とは?」に話の軸を移し、

WHO(世界保健機関)が1986年に提唱したオタワ憲章に

ついてふれ、健康づくりに欠かせない、健康の前提条件を考えました。

オタワ憲章では、

(1)平和 (2)住居 (3)教育 (4)食糧 (5)収入 (6)安定した環境

(7)持続可能な資源 (8)社会的公正と公平

という条件をかかげていますが、トップに来るのが「平和」で

あることを強調。

 

また、健康の社会的決定要因についての考え方について説明。

そして、民医連綱領にもある

「生活と労働から疾病をとらえる」とはどういうことか?を解説。

目の前の患者さんや疾病の把握と同時に、

いかにその背景・環境へのまなざしをもつかが問われている、

と強調しました。

 

具体的に、「雇われて働いている人の現状」について

おおざっぱに解説。

非正規労働者の増大、低賃金、不安定、

正規労働者の長時間労働、

全体として貧困と格差の拡大によるストレスの増大、

社会保障の貧弱さ、

あがったばかりの消費税の問題などなど・・・

 

こういう労働環境・社会問題の背景をしっかり視野に入れ、

人びとの健康問題を考えることの大事さを語りました。

 

で、ここまで話してきて、タイムオーバー。

残りの話は「レジュメを読んでおいてください・・・」ということに。

すみません。はい。

 

 

みなさん、午後の眠たい時間に、

ずっと座学でおつかれだったと思います。

でも最後のグループ発表では、

みなさんいい感想を言ってくださいました。

ありがとうございました。