長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

進歩とはなにかを考えた

【進歩とはなにか?】

来週、民医連の
近畿地協医学生担当者ゼミナールで
講義をすることになっています。

ぼちぼち準備を始めているのですが、
このゼミナールでの獲得目標が、
「医学対担当者の仕事は、『社会進歩
につながっている』事を実感する」
となっています。

講義内容は
「ものの見方・考え方」ですが、
この獲得目標のことが気になっていて、
最初にその話をしようかなーと
思っています。

まず第1のポイントは、
「進歩とはなにか?」という問題です。

第2のポイントは、
「つながっていることを実感する」とは
どういうことか? という問題です。


今回は、第1のポイントについて。

「進歩」とよく似た言葉に「進化」が
ありますが、
これは一般的には生物学で使われる
用語で、その環境その環境に適応
するように、自らの個体のありようを
変化させていく、という意味に使われ
ます。モグラであれば前足を発達
させるかわりに目が退化する、
という具合です。地球上の生物は
多様な進化をとげ、数百万という
種に分化しています。

これにたいして、「進歩」という言葉は、
おもには人間社会において使われる
言葉です。環境に適応しつつ、環境
そのものを変革していく、という
意味あいで使われます。

森宏一さん編集の
『新装版 哲学辞典』(青木書店)には、

「進歩とは人間の生活が全般的に
よりよい状態へ移りいくことを意味する
ことができる。この思想は・・・(略)
人間の力で社会の生活を改善して
いく見通しが生まれて初めて発生する」

と説明されています。

ここで、さらに思考が必要なわけですが、
では、人間の生活が「よりよい状態」に
なる、ということは、どういうことか、
という問題設定が生まれてくると思います。

「よりよい生活」とはなにか、という
価値基準を、私たちはしっかり持たないと
いけないといけないわけです。

リニア新幹線を走らせて、より早く
東京に行けるようになる、ということが
「よりよい状態」という価値判断も
あるわけです。
原発を再稼動することが、「よりよい」
と考える人もあるわけです。

この価値基準の「ものさし」となるのが、
私は、日本国憲法だと思います。
ですから、私なりに「よりよい状態へ
移りいく」という言葉を言い換えれば、
日本国憲法の価値や理念が
人びとの努力により実現されいく社会、
ということです。

これによって、医学対の仕事が
社会進歩につながっている、
という糸筋を見いだすことが
できるのではないかと思います。

(以上、中途半端ですが考えメモおわり)