長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

6月に読み終えた本

6月に読み終えた本。
例によってツイッターの記録をそのまま。
(ちなみに上半期は合計59冊でした)


■『沈みゆく大国 アメリカー〈逃げ切れ! 日本の医療〉』
(堤未果、集英社新書、2015年5月)
米国の医療格差はすさまじい。社会保障じゃなくて保険。
民間保険会社や製薬会社が利権を求めて政治に影響力。
次のターゲットは日本。
ほんとうの医療を取り戻そうとする人たちも多数取材。


■『上田耕一郎著作集 第4巻ー理論戦線での提起と探求(4)』
(上田耕一郎、新日本出版社、2013年)
ちょい前の現代政治を学び直している感じかなー。
周辺事態法の議論とか、
今の戦争法案と比較してなかなか勉強になるのでありました。


■『私の身体は頭がいい』(内田樹、文春文庫、2007年)
内容は本の表題でほぼいいつくせてるんじゃないかと思う。
よくわかんないなー、言い過ぎじゃね、と思うところもある。
でも太い線では共感。
自分の身体の賢さから学ばねば、と意識を新たにした読後感。


■『神様のカルテ』(夏川草介、小学館文庫、2011年)
小説の舞台は、偶然にもいま私が向かっている松本。
映画も見たはずだけれど、そこは完全に失念していた。
過酷な地域医療の現場での清涼なる物語。
なんども目頭が熱くなる。
ただちに『神様のカルテ2』を読んでいこう。


■『神様のカルテ2』(夏川草介、小学館文庫、2013年)
映画を見ているので、印象的な場面では
かなりリアルにイメージがわいてくる。
地域医療のなかでの過酷な医師の働き方と葛藤、矜持。
言葉の力。読みやすく、読みごたえもある。
続けて『3』も読んでいきます。


■『丸山太郎ー美しいものが美しい』
(竹下賢一、ほおずき書籍、2011年)
松本民芸館の初代館長・丸山太郎の人物像と歩み、
その哲学を紹介した50ページほどの本。
「美は美術品を眺めるだけに留めず、もっと生活(用)で
活かすことが大切だ」の丸山の言葉に共感。


■『神様のカルテ3』(夏川草介、小学館文庫、2014年)
今巻は医師のあり方をめぐってのお話が柱だったような。
最後の展開は、つまりまだまだ続編があるってことかな。
過酷な地域医療にたずさわりながらも、
登場人物たちの個性が引き立って、飽きさせない。
松本の町の情景描写も好き。


■『スターリン秘史 巨悪の成立と展開3 ー大戦下の覇権主義(上)』
(不破哲三、新日本出版社、2015年5月)
第二次世界大戦。コミンテルンの迷走、ヨーロッパ戦線、
ヒトラーとスターリン、ベルリン会談…。
歴史の真相は、小説以上の驚きをあたえますな…。


■『時短革命ーゆとりある私的生活』(藤本正、花伝社、1993年)
20年以上前の本だからこそ、労働時間短縮の歩みは
現在も遅々として進んでいないことを実感する。
5章「年休とゆとりの創造」、6章「ゆとり時代の長期休暇」、
7章「余暇とは何か」は、休むことの本質と意味がずばり。


■『風のひと 土のひとー医す立場からの伝言』
(色平哲郎、新日本出版社、2012年)
地域とともに歩む医療の立場からの、さまざまな警鐘と発信。
社会的視野のとても広い医師。
長野県の佐久総合病院も、いろいろと興味深い歴史と実践。


■『上田耕一郎著作集 第5巻ー日米安保条約と日本国憲法』
(上田耕一郎、新日本出版社、2013年)
とくに、「占領継続の構造を解明した沖縄基地調査報告書の意義」と
「新ガイドライン立法の核心と全体像」が、
今につながる1990年代後半の議論を振り返るうえで参考になった。


■『戦場ぬ止みー辺野古・高江からの祈り』
(三上智恵、大月書店、2015年6月)
一気読み。同名の映画はもちろん待ち遠しいが
(シネマクレールいつくるの?)、待っているだけでなく、
自分のまわりで何ができるのか強く意識していきたい。
地に足ついた、辺野古新基地建設をめぐるルポ。


■『上田耕一郎著作集 第6巻ーアメリカの世界戦略論』
(上田耕一郎、新日本出版社、2013年)
これにて著作集全6巻すべて読了。
月に2冊ずつのペースをなんとか守る。
「現在につながる戦後日本の政治・理論史」を学んでいる
感覚であった。引き続き、宮本顕治著作集を読んでいこう。


■『イギリス民主主義思想史〔新装版〕』
(浜林正夫、新日本出版社、1999年)
ペリーが日本に来航した頃、イギリスでは
チャーティスト運動が終結していた。そのくらい差がある。
ホッブズが、生きることはたんなる事実でなく権利である、
と主張したのは450年前。でも、必ず追いつく!