長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

7月に読んだ本

■『在宅ホスピスノート』(徳永進、講談社、2015年6月)
著者は鳥取市にある野の花診療所の医師。
著書が出たら必ず読んでいる。受けは影響ははかりしれない。
ホスピスケアは以前から取り組まれていたが、
在宅ホスピスに近年軸足を移しているそう。
「在宅」の意味や医療者の心得満載。

■『マルクスと友達になろうー社会を変革する学び』
(不破哲三、日本民主青年同盟中央委員会、2015年7月)
凝縮して語られていた。でも最近思うのは
「マルクスを語るのは不破さん」みたいに
固定しちゃってる違和感。いろんな人の「マルクスの読み方
活かし方」があっていいし知りたい。

■『ストライキ』(藤本正、新日本新書、1971年)
40年以上前の本。労働運動の歴史において、
ストライキというたたかい方が密接不可分ということが
よくわかる。ヨーロッパのなかでも、ストライキ傾向の
強い国そうでない国があるのが興味深い。
ストライキのルネサンスが必要だなあ。

■『「こども哲学」で対話力と思考力を育てる』
(河野哲也、河出ブックス、2014年)
やっぱ哲学っておもしろい。ぼくはマルクス主義の
哲学から出発して、哲学史も少しだけかじったけど、
この本は哲学のそもそもの姿勢や方法論をテーマに。
参考になるとこ多し。ぜひ取り入れていきたい。

■『医と人間』(井村裕夫、岩波新書、2015年2月)
ソワニエの授業の冒頭している「読書日記」11冊目。
ips細胞、新しいがん治療、脳の発達研究など
「医学の最前線」部分も勉強になったけど、
後半の「医療の現場から」は、医のあり方や本質を
多面的に考えさせられる内容。

■『実践労働組合講座第1巻 労働組合の活性化と日常活動』
(全労連・労働者教育協会編、学習の友社、2015年7月)
悩み多き組合活動。全国各地の実践経験も紹介しながら、
日常活動の視点、組織拡大・強化、要求実現、
社会を変える活動のヒントになる1冊。岡山県学習協に在庫あり。

■『マルクス「資本論」 発掘・追跡・探究』
(不破哲三、新日本出版社、2015年7月)
マルクスの未来社会論、恐慌論、社会変革の主体的条件の探究。
マルクス自身の猛進かつ曲折もあった研究過程をていねいに
追跡するという不破氏の探索は、マルクスの読み方を昨今大きく
変えてますね。

■『宮本顕治著作集第1巻 1929~33年』
(宮本顕治、新日本出版社、2012年)
文学方面はまったく歯がたたず。しかし時々「どきっ」とする
言葉や指摘に出くわすのがミヤケンさんの文章の特徴。
がんばってあと9巻、今年中に読みたい。

■『宮本顕治著作集第2巻 公判闘争の記録』
(宮本顕治、新日本出版社、2012年)
1933年、特高警察に逮捕され拷問を受けつつも、さまざまな
制約下にある裁判機構のなかで言論と道義にもとづく
たたかいの記録。まあ、ミヤケンさんの強靭さときたら、
ちょっと信じられません。

■『友だちの数で寿命は決まるー人との「つながり」が最高の健康法』
(石川善樹、マガジンハウス、2014年)
一気読み。著者は30代前半の予防医学研究者。
社会疫学研究に立脚しつつ平易で読みやすい。
すべてに同意ではないが、感覚的に「わかる」。
目からウロコの発見多数。おすすめ。