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長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

『世界の憲法集』(有信堂・第3版)より労働基本権部分のメモ

世界18か国の憲法の労働基本権部分をメモ。

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これ眺めていると、

「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする
権利は、これを保障する」

という、日本国憲法28条の労働基本権規定がいかに「すごいか」が
わかります。明確に、なんの制限もなく労働三権を保障しています。
美しいほどシンプルです。

しかし、世界的にみて稀有なこの28条を活用しきれていないのが
日本の現状なのです。挽回したいです。

■ちなみに手持ちの第3版は2005年刊なので変わっている可能性は
ゼロではありません。

*  *  *  *  *  *  *  *  *  *

≪アメリカ合衆国憲法≫ 記述なし

≪イタリア憲法≫
第39条[組合およびその労働協約締結権]
1.組合の組織は、自由である。
2.組合には、法律の定めるところにしたがい、地方または
 中央の官庁に登録する以外の義務を課すことはできない。
3.組合の規則が民主的基礎に立つ内部組織を定めることは、
 登録の条件である。
4.登録された組合は、法人格を有する。登録された組合は、
その登録組合員の数に応じて統一的に代表され、労働協約を
 結ぶことができ、これは関係する職種に所属するすべての
 者に対して、強制的効力を有する。

第40条[ストライキの権利]
 ストライキの権利は、これを規制する法律の範囲内で行使される。

≪インド憲法≫ 記述なし
≪オーストラリア連邦憲法≫ 記述なし
≪オーストリア連邦憲法≫ 記述なし
≪1982年カナダ憲法≫ 記述なし

≪スウェーデン憲法≫
第17条[労働組合と雇用主の権利]
 労働組合、雇用主または雇用主団体は、法律に別段の定めがある
 ときもしくは協定によるときのほかは、ストライキ、ロックアウト
 その他の同様の措置をとる権利を有する。

≪スペイン憲法≫
第7条[労働組合、使用者団体]
 労働組合および使用者団体は、各々固有の経済的、社会的利益の
 擁護および促進に貢献する。その結成および活動の遂行は、憲法
 および法律を尊重し、これに反しない限り自由である。組合および
 使用者団体の内部組織および活動は、民主的でなければならない。

第28条[労働組合の自由、ストライキ権]
1.何人も、自由に労働組合を結成する権利を有する。軍隊または
 軍事施設その他軍事的規律に服する団体については、法律により、
 この権利の行使を制限または禁止することができ、公務員について
 は、職務の特殊性に応じて、法律で制限を加える。労働組合の自由
 は、労働組合を結成し、自己の選択する組合に参加する権利、なら
 びに労働組合連合および国際労働組合組織を結成し、もしくは
 これに加盟する権利を含む。何人も、労働組合に加入することを
 強制されない。
2.労働者が自己の利益を守るためストライキを行う権利は、これを
 認める。この権利の行使を規律する法律は、不可欠な社会的役務の
 維持を確保するために必要な保障を定める。

≪大韓民国憲法≫
第33条[勤労者の団結権等]
1.勤労者は、勤労条件の向上のために、自主的な団結権、団体交渉
 権および団体行動権を有する。
2.公務員である勤労者は、法律で定められた者に限り、団結権、団体
 交渉権および団体行動権を有する。
3.法律の定める主要防衛産業体に従事する勤労者の団体行動権は、
 法律の定めるところにより、これを制限し、または認めないことが
 できる。

≪中華人民共和国憲法≫ 記述なし
≪デンマーク王国憲法≫ 記述なし

≪ドイツ連邦共和国基本法≫
第9条[結社の自由]
3.労働条件および経済条件の維持および改善のために団体を結成する
 権利は、何人に対しても、またいかなる職業に対しても、保障する。
 この権利を制限し、または妨害しようとする取り決めは無効であり、
 これを目的とする措置は、違法である。一段の意味における団体が、
 労働条件および経済条件を維持し改善するために行う労働争議に対し
 ては、第11a条、第35条2項および3項、第87条a条4項および第91条に
 よる措置をとることは許されない。

≪フィリピン共和国憲法≫ 記述なし

≪ブラジル連邦共和国憲法≫
第8条[職能団体および労働組合結成の自由]
 以下の事項を遵守する、職能団体および労働組合の結成は、自由である。
1.法律は、労働組合の設立に対して、権限ある機関への登録を除いて、
 国家の許可を要求してはならない。労働組合組織に対する政府の干渉
 および介入は、禁止される。
(以下省略)

第9条[ストライキ権の保障]
 ストライキの権利は、保障される。この権利行使の当否およびその行使
 によって擁護すべき利益について決定することは、労働者の責任である。

≪フランス共和国憲法 第四共和国憲法≫
前文の途中に
 何人も、組合活動により自己の権利および利益を守り、またその選択
 する組合に加入することができる。同盟罷業の権利は、これを規律する
 法律の枠内において行使される。すべての労働者は、その代表者を介
 して、労働条件の集団的決定および企業の管理に参加する。

≪ベルギー国憲法≫ 記述なし

≪ポーランド共和国憲法≫
第59条[団結権]
1.労働組合、農民の社会=職業団体および使用者団体に結集する自
 由は保障される。
2.労働組合ならびに使用者およびその団体は、とりわけ集団的紛争を
 解決する目的で交渉する権利、および労働協約その他の協定を締結
 する権利をもつ。
3.労働組合は、法律において定められた範囲内において、労働者の
 ストライキおよびその他の形態の抗議を組織する権利をもつ。法律
 は、公共の福祉を理由に、一定の種類の労働者について、または一定
 の分野において、ストライキの実施を制限し、またはそれを禁ずる
 ことができる。
4.労働組合および使用者団体に結集する自由ならびにその他の組合の
 自由は、ポーランド共和国を拘束する条約によって許されるような法
 律的制限のみを受けることがありうる。

≪ロシア連邦憲法≫
第30条[結合の権利]
1.各人は、結合の権利を有し、それは、自らの利益の擁護のために
 労働組合を結成する権利を含む。社会団体の活動の自由は、保証さ
 れる。

第37条[労働の自由、争議と休息の権利]
4.連邦法律によって定められた、ストライキの権利を含む解決手段の
 利用による、個人的および集団的な労働争議の権利は、承認される。



【補足として以下もメモっておきます】

≪世界人権宣言 1948年採択≫
第23条
4.すべて人は、自己の利益を保護するために労働組合を組織し、及び
 これに参加する権利を有する。

≪国連・経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(A規約)1976年発効≫
第8条
1.この規約の締約国は、次の権利を確保することを約束する。
 (a)すべての者がその経済的及び社会的利益を増進し及び保護するため、
 労働組合を結成し及び当該労働組合の規則にのみ従うことを条件として
 自ら選択する労働組合に加入する権利。この権利の行使については、法律
 で定める制限であって国の安全若しくは公の秩序のため又は他の者の権利
 及び自由の保護のため民主的社会において必要なもの以外のいかなる制限
 も課することができない。
 (b)労働組合が国内の連合又は総連合を設立する権利及びこれらの連合又は
 総連合が国際的な労働組合団体を結成し又はこれに加入する権利
 (c)労働組合が、法律で定める制限であって国の安全若しくは公の秩序の
 ため又は他の者の権利及び自由の保護のため民主的社会において必要な
 もの以外のいかなる制限も受けることなく、自由に活動する権利
 (d)同盟罷業をする権利。ただし、この権利は、各国の法律に従って行使さ
 れることを条件とする。
2.この条の規定は、軍隊若しくは警察の構成員又は公務員による1の権利の
 行使について合法的な制限を課することを妨げるものではない。
3.この条のいかなる規定も、結社の自由及び団結権の保護に関する1948年
 の国際労働機関の条約の締約国が、同条約に規定する保障を阻害するよう
 な立法措置を講ずること又は同条約に規定する保障を阻害するような方法
 により法律を適用することを許すものではない。