昨夜は県労おかやま(岡山市内の労働組合の
常任幹事会で講師。第1回目
これから月イチ全9回(~11月)で労働組合の
基礎的
前段学習なので時間は限られますが。
常任幹事会って、組合の幹部のみなさんが集まる場。
で
そういう問題意識をも
昨夜の議論も参考になったし、今後に活かしていきたい
あわせて、労働組合の多面的・社会的役割をどうみんな
していくのか、しっかり議論したいと思います。
以下、昨夜の20分講義のレジュメです。
一。なぜそもそも論が必要なのか
1。労働組合への認識が「ない」「部分的」な人がほとんど
◇認識をつくっていく過程。自分の経験、他者の姿や行動。
学校教育、マスコミなど。
*まわりに労働組合の活動をしている人が「たまたま」いるかどうか
*学校教育やマスコミの現状では、「労働組合へのたしかな認識」が
つくれない
◇職場でも「いまの姿」しか見えない。先輩たちの歴史は学ば
ないとわからない。
*人間は部分でだいたいの判断をする。しかし部分だけで判断すると
間違えやすい。
◇活動には自分の時間をつかう。生活時間・自分の時間とぶつかる。
時間の天秤。
*労働組合への認識を広げ深めないと、主体的に活動参加する人は
増えていかない。
「労働組合ってなんのためにあるの?」
―人間らしい(ゆとりのある)生活のため。
「労働条件ってどうやってきまるの?」
―ひとりで交渉は無理。みんなで交渉する。
「労働組合の歴史は?」
―イギリスから始まり世界中に。200年以上の先輩たちの歴史。
「労働組合の社会的役割は?」
―ひとりも見捨てない社会つくる。人権守るなんでも屋。
「労働法についてどれだけ知っている?」
―使用者が守らないといけないルールの数々。
2。そもそも論を大事にする
◇「そもそも」とは? → 「問題となる事柄を論じるのに先立って、
その根源にさかのぼって事を説き起こす様子」
(三省堂『新明解 国語辞典』第7版)
*そもそも労働組合とは、働くとは、労働者とは、賃金とは、
労働時間とは、労働法とは、団結とは、人権とは・・・。立ち返る。
くりかえしが自信に。自分の立ち位置確認。
二。決定的に大事な認識は「自分は労働者だ」ということが「わかる」こと
1。労働者って誰のこと?
◇「わかる」とは
*「確信の持てる(客観性のある)判断が下せる状態になる」こと
(『新明解国語辞典』)。
*「労働者」は社会科学の概念。経験だけではわからない科学的な
ものの見方。そうした認識は、「行動」のあり方も変える力に。
◇労働者とは「雇われて働く人」「雇われないと生活困る人」
(生産手段なし。財産なし)
◇ほとんどの人は所得を得るために働く。「働く形」は大きくいって3つ。
①自営業で働く(600万人)、②農林漁業で働く(200万人)
←雇用関係なし組
*自分の「働き方」を決める裁量は自分にある
③誰かに雇われて働く(5200万人)←雇われ組(労働者階級)
*使用者と労働契約。時間を決めて働く(これがないと奴隷に。
雇用関係は人的従属性が強い)。
・「労働者とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払わ
れる者」(労働契約法2条)
*自分の働く力(労働力)を販売。
対価として賃金=よりよく生きるための生活費。
・「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を
充たすべきものでなければならない」(労働基準法第1条)
2。労働条件というのは、生活(ときには人生)と働き方(働きやすさ)を
左右する
◇いくら賃金をもらうか、働く時間はどれぐらいか、自分の希望する
日に休めるか・・・。
◇休憩時間、仕事量、残業代、職場環境、配置転換、安全衛生、
有給休暇、研修機会・・・。
◇職場内における正規・非正規の割合・・・
◇職場にハラスメントはないか、差別はないか、ものが言える
雰囲気があるか・・・。
◇妊娠・出産・育児にさいして、安心して休暇を取ることができるか。
◇きちんとした人員がいて、民主的な風土があってこそ、
いい仕事もできる。
■労働基準法第2条「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場に
おいて決定すべきものである」。ただじっさいは、労働条件を決め
る力(先に提示できる力)は、使用者が持っている。雇用形態、
人事権も使用者に決定力。
■生活に直結する労働条件について、労働者はひとりで交渉
(条件提示すること)できない。
3。みんなで交渉する。みんなで職場と政治を変える。
「自分さえよければ」とならない。
◇そのためには、「労働者の立場」ということを客観的に認識する
必要がある。
◇「みんなで交渉」「使用者が譲歩しなければみんなでいっせいに
仕事拒否」
*雇われ組の先輩たちはこうした「たたかい方」を生み出し発展
させてきた。
*団体交渉とストライキを支えるのが労働組合。日常的に
「みんなの力」を束ね強くする。
*「人たるに値する生活」実現にはこれしかない。だから人権
として獲得。労働基本権。
◇憲法28条をつかう。労働者らしい生き方。
4。組合員学習の基本は「労働者とは」「労働組合とは」を徹底的に
くり返すこと
◇くり返さないと「自分のもの」にならない。スポーツの
「基礎練習」と同じ。
◇労働組合活動の基礎的力を地道につける