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長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

「神瀬さんの強さとしなやかさの理由がよく分かるお話でした」

きのう(12日)は、
90期岡山労働学校「こんな人に会っちゃった教室」の
第4講義「客室乗務員として、労働者として」が行われ、
17名が参加しました。

講師は日本航空キャビンクルーユニオンの神瀬麻里子さん。

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神瀬さんは、3年前にも岡山労働学校で
講演をしていただいたことがあります。
今回は教室テーマもふまえ、
神瀬さんのまるごとヒストリーを語っていただきました。
ちょっと時間が短くて申し訳なかったです。


以下、講義の概要です。


【JALの労務政策と事故の歴史】
 
神瀬さんは、1977年にJALに客室乗務員として
入社。また2010年の大晦日に不当な解雇をされるま
での簡単な経歴を紹介され、JALの航空機事故の
歴史や異常な労務政策、安全をまもる労働者のたた
かいがまとめられている、DVD「明日への誓い」
(13分)を参加者と一緒にみました。
 1985年の御巣鷹山の事故にいたるまでも、多くの
航空機事故を起こしてきたJAL。航空機史上まれ
にみる大惨事を起こしたJALは、その後「絶対安
全」を誓うも、バブル期に放漫経営に走り、安全は
二の次、そして会社にものを言う労働者へは卑劣な
分断政策を行ってきました。そして2兆円を超える
経営破たんを起こしますが、あろうことかベテラン
のパイロットと客室乗務員の首切りを行います。労
働組合でがんばっていた労働者への露骨な首切り政
策でした。不当解雇撤回を求める裁判闘争が起こさ
れ、支援の輪は日本中に広がります。
 神瀬さんは、いまJALの職場がおちいっている
状況、ILO(国際労働機関)が、この不当解雇の
問題に注目をしていて、日本政府に対しても勧告を
おこなっていることを紹介され、今後のたたかいの
重要性も語られました。

【なぜこんな人になっちゃったのか?】
 
神瀬さんは、なぜ自分が社会のさまざまなゆがみ
に憤り、不当なこと理不尽なことに「おかしい」と
言い続ける人間になったのかということを、自分史
をふりかえりながら、自分に影響を与えたものにつ
いて語られました。家族の背負ってきた戦争の歴史、
小学生の頃から本が好きでさまざまな本を読んでき
たこと、感化を受けた映画のこと、そして親友のS
さんとKさんのこと・・・。まさにこれらの出会いや
機会があわさって、いまの神瀬さんが形作られてい
るのだという、納得のお話でした。

【入社してからの体験。そしてこれから】
 
JALに入社して最初は、労務政策のしかけもあ
り、たたかわない労働組合に加盟した神瀬さんです
が、当時たたかう労働組合である日本航空客室乗務
員組合には8割をこえる客室乗務員が加盟しており、
地上勤務や訓練をへて空を飛び始めると、まわりの
先輩客室乗務員たちから労働組合への強い勧誘を受
けたと述べられました。そしてたたかう労働組合に
加盟した神瀬さん。これまでのたたかいで、女性の
権利拡大が大きく進んだ一方で、95年からは客室乗
務員の契約制度が導入されるなど(今年に入り長年
の運動が実り入社時から全員正規職員に)というこ
とも。
 さいごに、不当解雇撤回裁判で最高裁はろくに審
議もせず自分たちの訴えを棄却したが、行われてい
るマタハラ裁判のこと、JALの不当労働行為を認
定した裁判のこと、契約制度の撤回など、嬉しいこ
とも多かった2015年だったことを語られました。自
分のこと、まわりの人のこと、職場のこと、社会の
こと。すべてつながっていて、1つひとつの言葉に
しっかりとした意志を感じる神瀬さんの講義でした。


以上。


神瀬さん、終了後の「なごみ」にも参加いただき、
みんなの「空のおもいで」を楽しく交流しました。
ありがとうございました!


参加者の感想文をいくつか紹介します。

■JALの話を聞くなかで、自分のことに置きかえて
聞いていると、くやしい、辛いという思いになるの
はもちろん、こんな簡単な言葉では片づけられない
と思いました。権力によって弱者が泣き寝入りする
のではなく、声なき声を形にして行動にしていく
スゴサを感じています。

■生きていくなかで、その人の生き方を変えてしまう
貴重な出会いが何回かあって、とてもドラマチック
だなと思いました。もっといろんな人の話を聞きた
いと思いました。マタハラ裁判の人はがんばってほ
しい!!人事とは思えません。ヒドイ!

■裁判というのは判決がすべて・・・と思っていたけど、
神瀬さん達のたたかいを知っていくと、「おかしい」
ということに対して言い続ける、行動していくこと
自体が「おかしい」ことをなくしていく力なんだな
と分かりました。あんなに悔しい不当判決の4倍う
れしいことを挙げられる神瀬さんの強さとしなやか
さの理由がよく分かるお話でした。

■本来、現場に詳しいはずのプロの客室乗務員やパイ
ロットの人たちを何だかんだ理由をつけて不当に解
雇するのは本当に意味がわからなくて、そういう人
材を軽く見ているのは人の命も軽く見ているいい加
減な企業だなと感じました。

■神瀬さんのことはFBで知っていましたが、ご両親
のことや、おいたち、友だちのことなど神瀬さんの
人となりを知りますます親しみを感じています。
JALの不当解雇を早く撤回させて、人間らしい生
活ができるよう、私たちも協力しないといけないと
思いました。