きのうのソワニエ授業で紹介した本。
『触楽入門―はじめて世界に触れるときのように』
(テクタイル 仲谷政史・筧康明・三原聡一郎・南澤孝太、
朝日出版社、2016年1月)
おもしろかった。
触覚という感覚器官が、いかに五感のまとめ役
というか、根源になっているかがわかる。
そして、視覚情報が興隆する21世紀である
からこそ、「触れる」ということの原点・本質
にあらためてスポットをあてることの大事さが
学べる。わかりやすいし、おすすめ。
「テクタイル」とは、「技術に基づく触感の
デザイン」という意味。造語だそうです。
■章のタイトルを紹介。
1。触れるってどういうこと?
2。私たちは外の世界をどのように知る?-科学からみた触覚
3。なにかを感じているとき、いったいなにが起きている?
-共通感覚としての触覚
4。触覚は世界と「わたし」をつなげている
5。実在感をつくりだす―テクタイル・ツールキットの発明
終章。触覚の未来
以下、本書から引用。
「身体性認知科学という分野では、触覚が、私たちの
意思決定や心のあり方に影響を及ぼしているという実
験結果がつぎつぎと明らかになっています。・・・さら
に言えば、触感は、気持ちや判断を変えるだけではな
く、物事を深く理解するためにも必要なのではないの
か」(10P)
「『触る』を意識することは、周囲の世界をもって知
ることができるだけではなく、自分自身の身体の状態や、
心が物事を捉えるやり方についても新たな発見をもた
らすのです」(11P)