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長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

憲法と政治、図解、ラテンに学ぶ、憲法Ⅰ人権

最近読み終えた本。
といっても、最近読書ペースがガクッと落ちた。
9月はたった6冊しか読めなかったという。あーあ。


『憲法と政治』(青井未帆、岩波新書、2016年5月)

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憲法24条の新しい理解もあったし、
学者さんらしい理詰めの展開で歯応えがあり。
自衛隊は戦力の不保持という憲法上の「無」からの出発であるので、
「できること」を1つひとつ立法で確定していくという指摘は、
なるほどそうだと合点。

24条についてメモ。

「なぜ、ここに『個人の尊厳』が書き込まれなくては
ならなかったといえば、戦前の民法に規定されていた
家制度に理由を求められる。戸主は家族の婚姻や離婚
といった、生き方それ自体について関与する権能を与
えられていた。『家』の中に、個人が個人として生き
るための自由が圧倒的に不足していたからこそ、そこ
において個人の尊厳を確認しなくてはならなかったの
だといえる」(33P)

「個人主義を徹底することなく、自由、民主、平等と
いった価値は達成できないのであり、憲法24条が結果
的に純粋に個人主義的な規定になったのは、歴史の偶
然であったとはいえ、日本社会にとっては、まさに必
要なことであったともいえる」(35P)

「個人主義の確立は、日本で道半ばなのである。そう
いう中で、個人と個人との関係で個人の尊厳という言
葉を使っている24条は、日本社会独特の任務を帯びた
規定と解するべきだろう。個人の確立が途上であるか
らこそ、家族よりも個人を強調することが、必要なの
ではないか」(36P)           


『図解 労働の論点』
  (高橋祐吉+鷲谷徹+赤堀正成+兵頭淳史[編]、旬報社、2016年5月)

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うーん、まあ、
資料として手元に置いとくのはいいかも、という感じ。
目からウロコという点もなかった。若い人が読むかなあ。
本のタイトルにもっと工夫が必要。


『ラテンに学ぶ幸せな生き方』(八木啓代、講談社+α新書、2010年)

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エッセイ的読み物なのでサクサクと。
ちがう文化を知ることは、自分のいる環境・価値観・文化を
相対化する大事な方法のひとつ。
そういう意味で、地球の裏側のラテンの人びとから
学べることはたしかに多いと思う。


『憲法Ⅰ 人権』(青井未帆・山本龍彦、有斐閣、2016年4月)

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人権のみにスポットをあてた憲法テキスト。
判例部分はややこしいが、解説は全体的に平易で読みやすいと感じた。
「何かおかしいぞ」を言葉に変換する。それすなわち人権感覚。

以下、自分のためのメモ。

「歴史を紐解けば、じつは≪人が自由であり、人が人であるが
ゆえに人権をもつ≫という考え方は、長年にわたる人々の知的
な営みと闘いの末に得られた、新しい考え方であることがわか
る。そして近代以来、人権の最大の侵害者は『国家』だったの
であり、今日においてもなお、そうである。そこで憲法は、国
家が侵すことのできない個人の権利を掲げ、人権が保障される
ための政治のしくみ(統治構造)を定めている。そのように、
政治を憲法に従わせて人権を保障しようという試みを指して、
立憲主義と呼ぶ」(4P)

「世界人権宣言を具体化し、法的拘束力をもたせたのが国際人
権規約である」(8P)

「日本国憲法を貫く根本的な価値である『個人の尊厳』は、
さらに憲法13条前段に『すべて国民は、個人として尊重される』
という『個人の尊重』原理としてあらわされている。人権とは、
人が個人の尊厳に基づき、個人として尊重を受けつつ、自律的
にみずからの人生をいきるための権利なのである」(9P)

「すべての価値の源泉は個人にあり、国家のために個人が道具
のように扱われることがあっては、決してならない。これが、
憲法が国法秩序における最高の法規範であることの根拠である」
                                                                                       (10P)

「個人主義へのコミットメントには、かつての日本が経験した
全体主義への強い否定が含まれている。1人ひとりの個人には、
自律的に自分の人生を選び取って生きていく力が備わっている
ことを、日本国憲法は大前提としている」(31P)

「国籍離脱の自由は、究極的には、国家のために個人があるの
ではなく、個人のために国家があるという考えをしめしている」
                                                                                     (126P)

「27条・28条は、経済市場において労働者等を勇気づける(em
powerする)こと(労働基本権保障等)を要求しているのである」
                        (176P)