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長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

生協労連「子会社・委託で働くなかまの交流会」

きのう(4日)は午後から大阪に。
生協労連「子会社・委託で働くなかまの交流会」で
講師仕事でした。テーマは「働き方と労働組合を考える」。

ぼくの講義の前に、仕事がある平日の24時間を
どんなふうに過ごしているか書いてみて
交流するというグループワークが。
基本みなさん長時間労働で、ゆとりがないなあという話に。
それを受けての講義でした。


以下、レジュメの概要(かなり省略して紹介)

一。働くことをめぐって
 
1。「働かない」という選択は、ほとんどの人ができない
  ◇私たちの社会は「商品を買う」ということで大部分の
   生活が成り立っている
  ◇お金を手に入れるために「働く」(働く理由の基本線)。
   そしておもに3つの方法がある。
   ①自営業で働く(600万人)、②農林漁業で働く(200万人)
    ←雇用関係なし組
   ③誰かに雇われて働く(5200万人)←雇われ組(これが労働者)
    *「労働者とは、使用者に使用されて労働し、賃金を
     支払われる者」(労働契約法2条)
    *使用者と労働契約。自分の働く力と時間を切り売りする。
     それを使用者は買う。
    *労働力販売の対価として賃金を得る=生活費。

  ■「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を
   充たすべきものでなければならない」(労働基準法第1条)
   *人たるに値する生活って、どんな生活でしょうか?
   *労働力は、自分の生命活動と一体。「身体が資本」。
    かけがえのない「売り物」。
   *適切に労働力を長持ちさせ、再生産できる「働き方」「生活」
    でなければならない。

 2。ゆとりをめぐって
  ◇人たるに値する生活・・・「ゆとり」がキーポイントに
  ◇ゆとりと。
  ◇労働者には違いがいっぱい。目につきやすい。
   でも1人ひとりには「人間の尊厳」がある。
   *尊厳とは、「人間を非人間的に扱ってはならないこと、人間
    としてふさわしい扱いをすべきことを意味する」
      (高橋和之『立憲主義と日本国憲法 第3版』有斐閣)
   *人たるに値する生活を送る権利がある。それは誰にも奪えない。人権。

二。労働条件にこだわる。労働条件は交渉するもの。
 
1。労働条件と生活のゆとり(自分らしく生活する条件)は直結している。

  ■労働基準法第2条「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場に
   おいて決定すべきものである」。ただじっさいは、労働条件を決
   める力(先に提示できる力)は、使用者が持っている。業務内容、
   雇用形態、人事権も使用者に決定力がある。つまり立場が強い。
  ■労働者はひとりで労働条件の交渉(条件提示すること)はできない
   →労働組合が必要。

 2。職場の「おかしさ」に慣れていませんか
  ◇人間は劣悪な環境でも、「慣れる」「順応する」ことができる。
   適応力が高い。
   *「年休とれないのもあたりまえ」「休憩時間が少ないのもあたり
    まえ」「残業代がでないのも・・・」「毎日夜遅く帰宅・・・」「この
    賃金では将来不安だが・・・」
   *人間らしさの基準や限度は、気をつけないと下がっていく。あき
    らめる。「折り合い」という名の「がまん」をする。「しょうが
    ない」「どこもこんなもんだ」「働けているだけで幸せだ」・・・。
    あえて考えない。異議申し立てをすることのほうがエネルギーを
    使う。

  ◇健全な人権感覚は、学びと議論がないと磨かれない。さびつく。
   *自分の生活(人生)や仕事の質を問う。大事にする。息苦しく
    ないか。ゆとりはあるか。労働条件にこだわる。他人まかせに
    しない。みんなが、かけがえのない1度きりの人生を送ってい
    る。だから他人の人権侵害に対しても怒る、ほっとかない。

三。労働組合の意味と最低限の働くルールを知る
 
1。雇われ組の先輩たちのお話(歴史)。

 2。日本国憲法28条の、労働基本権(労働三権)
  ◇「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする
   権利は、これを保障する」
   *使用者と労働者は、労働契約でむすばれる私的関係。ここに
    憲法は介入し、国家に「労働者の団結とたたかいを法的に保
    護せよ」と命じている。一方的に労働者に肩入れ。
   *労働者が「ものが言える」こと-よりよい職場づくりの土台
    であり保障。

 3。知っておきたい働くルール
   (知らなければ法律違反で働かされていても気づけない)
  ◇憲法27条2項。勤労条件の法定主義という。最低限の基準を
   使用者に守らせる。

  ◇働くルールを知る(ごく一部)
   【賃金の原則】
   【一方的な労働条件の変更はしてはならない】
   【労働時間の原則】
   【休日・有給休暇の原則】
   【労働安全衛生について】

 4。要求で団結する。「みんなの要求」をつくりあげ、団体交渉をする。
  ◇職場の状況、それぞれの生活状況、将来不安・・・。
   不満やグチを出せる安心した場が必要。
   *「これはなんとかしたい」の要求を一致させ、会社と交渉する。
    要求する労働者の数が多ければ多いほど、使用者には圧力となる。
   *生協との関係で、子会社・委託はそもそも困難な条件がある。
    矛盾は大きいが団結は難しい。ネットワークを外に広げるねばり
    強い努力を(今日の集まりのひとつの意味)。

 5。労働組合活動は、自分の時間と労力をつかう。活動を維持する
  ために組合費も必要。
  ◇大切な「自分の時間」「労力」「お金」を使う活動。だから納得
   がないと難しい。
  ◇学校で教えてくれない労働組合の役割、労働者を守る法律の数々。
  ◇多くの労働者にとっては労働組合を「知る」ことが最初の1歩になる。
   *たくさんの「きっかけ」をつくることが大事。

さいごに:自分の経験や思いを軸に、労働組合の大切さを語ろう。
     仲間を増やそう(訓練)。あなたには、なにができるだろうか。

以上。


会社には非公然でがんばっているある県の仲間が
参加していたので全体写真はなしです。

おかやまのよく知っている仲間のみなさんが中心で
運営・準備されていて、とても嬉しく。
しかし各県から出された職場の状況はどこもたいへんで
働き続けらる職場をつくること自体が課題。
グループワークでも途切れぬ交流。それだけの切実を感じました。

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終了後の懇親会はわいわい楽しく。
おとなりには生協労連委員長の北口さん!

労働運動ジェンダーでは問題意識が一致。
若者との距離感をスッと縮める人間力。
今月にはコミュニティ・オーガナイジングの
研修セミナーを受けるという柔軟さ。
たぶん産業別労働組合の委員長としては初めてでしょうね。
びば!