長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

学童保育についてメモ

 今夜は、岡山市学童保育指導員労組で学習会講師予定。以前買っておいた『学童保育と子どもの放課後』(増山均、新日本出版社、2015年)をパラパラと眺める。

 以下、15P~16Pに書かれている学童保育をめぐる課題についてメモ。

 1997年の9048か所から、10年後の2007年には1万6668か所へ、そして2015年現在2万5541か所へとその数は急速に増加しているが、今なおつぎのような多くの課題を抱えていることが指摘されている。

 ①量的不足問題(学童保育はまだまだ不足している。潜在待機児童40万人)
 ②大規模化問題(厚生労働省のガイドラインでは適正規模を40人程度としているが、71人以上の施設が1481か所もある)
 ③施設条件問題(平均1人当たり2.59平方メートル、静養室がない、専用トイレがないなど)
 ④指導員問題(年間労働時間2000時間以上、平均入所児童数40人、指導員4.44人、採用資格条件なし70%、7割弱の指導員が平均年収150万円未満、社会保険なし36.5%、退職金なし61.1%、公営で非正規職員が4万1600人、勤続年数1~3年が半数占める、働き続けられない、欠員がある市町村12.8%など)
 ⑤学童保育料問題(2007年調査で、月額5000円未満41.8%、5000円~10000円46.4%)
 ⑥自治体間格差問題
 ⑦国の補助金問題(1施設年間600万円で運営できると想定、国負担額が6分の1)
 ⑧「全児童対策」問題(学童保育ニーズは「特定の子」、「全ての子ども」対策を優先し、学童保育は廃止へ)


 引き続きメモ。16P、学童保育が示す3つの顔。

 ①家庭の代替機能。学校から「ただいま」といって帰ってくる子どもたちを指導員が「おかえり」といって迎える。子どもたちにとって、学童保育所は家庭に代わる第2の家庭であり、指導員は親代わりであり、学童保育はなによりも放課後の子どもの安心の居場所であり生活の拠点である。
 ②放課後の学習の場。多くの学童保育が、学校から持って帰る宿題を活動のなかに位置づけ、親たちも、学童保育で宿題を終わらせてから帰宅することを求めている。
 ③子どもの遊び・文化活動の場。学童保育では、子どもたち自身による遊びを、活動の中心に位置づけて展開しており、子どもの遊びや文化が花開く場となっている。