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長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

「いきいき労働組合活動」(レジュメ)

講師活動

きょう(10日)のお昼は、倉敷医療生協労組の
玉島病院支部でお昼休み学習会。
テーマは「いきいき労働組合活動」でした。以下レジュメです。


はじめに:労働組合活動は、自分の時間や労力をつかう。活動を維持・
     推進するために組合費も必要。「自分の時間」「自分の労力」
     「自分のお金」をともなう活動。「大切なもの」と天秤にか
     けられる宿命にある。だから「納得」と「楽しさ」も必要。

1。労働組合とは
 ◇労働条件というのは、生活の質と働き方に直結(連動)している。
  *いくら賃金をもらうか、働く時間はどれぐらいか、自分の希望
   する日に休めるか。
  *休憩時間、仕事量、残業代、職場環境、配置転換、安全衛生、
   有給休暇、研修機会・・・。
  *職場内の雇用形態とその比重。ハラスメントや差別はないか。
   働き続けたいと思えるか。
  *妊娠・出産・育児にさいして、安心して休暇を取ることができるか。

 ◇労働条件にこだわることは、自分の生活や人生にこだわるということ。
  他人まかせにしない。
 ◇労働条件は交渉で。でも労働者はひとりでは交渉できない。
 ◇雇われ組の先輩たちは、200年前から「みんなで交渉」「みんなで
  団結」をつみ上げ。
  *労働基本権(憲法28条-団結権・団体交渉権・団体行動権)に
   結実。憲法は一方的に労働組合に肩入れ。人権を守る組織として
   不可欠だから。

2。活動に困難はつきもの。困難のない活動などそもそもない。
 ◇簡単にいうと相手が強いから
  *単純にいって使用者のほうが立場が強い。さらに働き方や社会
   保障は政治にも規定されている。政府・財界が相手。「社会的
   力」「政治的力」。金がある。マスコミも影響下に。
 ◇職場の仲間の認識がバラバラ。温度差。
  *学校で教えてくれない労働組合、人権感覚、異議申し立てをする訓練。
  *労働組合への認識があいまいだと、自分の大切な時間や労力をそこに
   割くことにならない。
 ◇集まるための「時間」「体力」「心のゆとり」が少ない。職場の多忙化。
 ◇「活動のための訓練」を私たちはほとんど受けていない
  *みなの前で自分の思いや意見を表明する訓練。・・・機会がない。
  *「この署名お願い」「ダンコー行こうよ」「こういう企画があっ
   て・・・」「役員になってくれないか」。人を組織する(オルガナイ
   ザー)訓練も学校で教わらない。みな初心者。
  *労働組合活動の「技術」も誰も教えてくれない。団体交渉、集会、
   学習活動、ニュースづくり、会議の運営、職場討議のあり方・・・。
   1つひとつが手探りで、継承もたいへん。
 ◇人権感覚は磨かなければ麻痺していく
  *人間は劣悪な環境でも、「慣れる」「順応する」ことができる。
   適応力が高い。人間らしさの「基準」「限度」は、気をつけない
   とスルスル下がっていく。あきらめる。考えない。「折り合い」
   という名の「がまん」。異議申し立てにはエネルギー必要。
  *「しょうがない」「どこもこんなもんだ」「働けているだけで幸せだ」
 ◇活動が紆余曲折・ジグザグするのは必然。
  *でもそのなかで自分たちの力も磨かれ蓄えられる。ぶつかりあい
   のなかで成長。「うまくいかなかった」ことのなかに成長の芽を。
   「うまくいった」ことのなかに次への課題を。
 ◇活動の「たいへんさ」は、人間らしい生活や働き方を求める途上での
  たいへんさ。
  *たいへんだからこそ、集団で活動する。たいへんさの分散。

3。要求をなにより大事にする
 ◇「要求」が生まれる必然性=労働者の立場。雇われる・使われる・
  労働条件決定権なし。
 ◇表出しにくい「思い(言葉)」こそキャッチしようとする姿勢を大事に
  *不満・おかしさを言葉で表現することで、論議の土俵にあがる。
   共通認識になる。
  *聴く姿勢と具体的手立て。安心して思いを出せる場を身近に。
 ◇「おかしい!」と当事者が声をあげることが大事
                ―「学び」と「集団」に支えられて
  ■第1段階・・・「これはおかしい」と気づけること。
  *労働法を知る。先人たちが「これ以下ではダメ」と獲得してきた
   最低限のライン。8時間労働、有給休暇、男女平等、さまざまな
   諸権利・・・。
  *世界のすすんだ「働くルール」を知る。ILO条約。バカンスが
   人権となっているヨーロッパ。同一労働同一賃金。均等待遇。最
   低賃金の水準。
  ■第2段階・・・「おかしい」ことを、自分の言葉で言えること。
  *力関係のなかで「言えない」ことが多い。そうした訓練の機会も
   少ない。
  *要求への確信(正しいことだという認識)と、仲間の存在が決定的。

   「私は子どものころは、勇気は個の中から出てくる、本質的に
   個に根ざしたものだという気がしてきました。でも今は、それ
   は大きな取り違えで、勇気というものは個人のものではなくて、
   もっと社会的なものかもしれないと思うのです。つまり、仲間
   がいるからこそ勇気が出てくるというのがありますよね。そう
   いう意味で運動の大切さを感じます」
   「そうは言っても個人はそんなに強いものじゃないんだよなあ。
   “ひとりひとり”じゃ無理なんだよなあといつも思うのです。1人
   で突出したことをやらなくてはならない、それができない自分
   はダメだと責める。そういうやり方では運動は進まないような
   気がしています」
    (ノーマ・フィールド、『女性のひろば』2012年6月号より)

4。きっかけをたくさん準備。学びの場をつくる。そもそも論を大事に。
  組織者を育てる。
 ◇集まりたくなる場を手間ひまかけてつくる―労働組合の原点、力の源泉。
  *集まる場を身近に。気軽に。「また来たい」「楽しい」「ほっと
   する」場に。
 ◇「きっかけ」「たまたま」(偶然)を周到に、たくさん準備する。
  *きっかけは不純でもよい。思わぬことに出くわす。人との出会い。
 ◇学習活動は労働組合において決定的な役割をもっている
                ―知る機会が圧倒的に少ないから
  *教育はすぐに成果出ず。継続と繰り返し。待つ力。じっくり。
   ねばり強く。
  *そもそも論を大事にする。そもそも労働組合とは、働くとは、
   賃金とは、労働時間とは、社会とは、団結とは、人権とは・・・。
   立ち返る。くりかえしが自信に。
 ◇職場で労働組合の活動を目的意識的にすすめる人(オルガナイザー
  =組織者)をつくる
  *不満やグチを要求へ。人と人を結ぶ。対話を組織する。行動提起。
   動きをつくる人。

5。つながりあいながら「たたかう」
 ◇資本(とくに大企業で組織されている財界)は社会的力を持っている。
 ◇労働者も社会的な力で対抗しなければ、たたかえない(バラバラでは
  勝てない)。
  *地域でつながりあい、産業別(医労連)に結集し、全国的に団結を
   強める。春闘は「いっせいに」要求をあげ、たたかうことに意味が
   ある。
 ◇ただ、最初から全体像やつながりは認識できない。認識を発展させる
  必要。
  *「団結を広げたい」「政治的なたたかいも」という動機で労働組合
   に入る人はほとんどいない。まずは自分(たち)の身近な要求から
   出発。そこから認識を発展させる。

さいごに:自分の経験や思いを軸に、労働組合の大切さや情勢を語ろう。
     熱をもった「わたしの言葉」が必要。