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長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

憲法の心に耳をすます~連載9回目

毎月、山口県の医療生協健文会の機関紙
「健康のひろば」に連載している憲法の話、9回目です。

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 憲法がこの国の最高法規である根拠のひとつは、
「簡単には変えられない」ところです。ふつうの
法律よりも「重み」があるのです。

憲法を変えるには高いハードルが
 
憲法96条に憲法改正の手続きが規定されてい
ます。「各議員の総議員の3分の2以上の賛成」
をへて国民に対して「これでどうですか」という
発議をすることができ、さらに国民投票において
「過半数の賛成」が必要とあります。
 普通の法律は、衆議院と参議院の過半数の賛成
で作成や改正が行われます。国民の代表が国会議
員ですから、国会で賛成多数になればそれで成立
します。あえてもう一度国民に意見を聞くことは
しません。
 ところが憲法だけは、衆議院・参議院でそれぞ
れ3分の2以上の賛成を得なければ発議できない
という高いハードルに加え、念には念を入れて、
国民に「この改正でよいですね」と確認の手続を
課しています。ずいぶん慎重です。

国民の人権を保護するため
 
想像してみてください。普通の法律と同じよう
な手続きで憲法改正が可能であれば、ときの政権
の意向でコロコロ憲法が変わってしまいます。
「やっぱり軍隊を持てるように」「個人の尊重と
いうのはやめましょう」「表現の自由も制限を」
「生活はすべて自己責任で」など、国民の人権に
関わる問題が簡単に変えられてしまう危険がある
わけです。権力の横暴や暴走から国民の人権を保
護するために、憲法は簡単には変えることができ
ないのです。
 自民党は1995年の結党当初から、憲法改正
を目指してきました。そのかん、自民党はほとん
ど政権与党でした。なのにいまだに改憲を成し遂
げられない。これって、ものすごいことです。ど
んなに憲法無視の政治が続いても、憲法そのもの
は変えることができないでいる。最終的には憲法
に制約を受けるのです。
 安倍首相の改憲への執念はあなどれませんが、
私たちには、それを阻止できる力があります。次
回は連載の最終回です。私たちの「不断の努力」
の中身について考えてみたいと思います。