長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

宇宙のはじまりから資本主義社会まで

遅くなりましたが、
先週18日(木)の労働学校報告です(汗)。

91期岡山労働学校「時間を考える教室」第2講義には
第1講義とおなじ16名が参加。
ななんと16名中12名が女性。男子もきてね…!

講義は「宇宙(時間)のはじまりから資本主義社会まで」
というソウダイな内容。
みなさんの受けとめや感想がそれぞれで
討論がすごくおもしろいです。かなりいい雰囲気です。

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講義内容の項目は以下です。

一。宇宙の誕生から生命、人類まで(ざっくり)
 
1。ビックバンから始まった
 2。太陽系の誕生と地球誕生は同時期-46億年前
 3。生命の誕生

二。「暦(こよみ)」をつくりだした人類
 
1。1年はなぜ365日なのか
 2。1か月とは何か
 3。1週間とは何か
 4。1日とは何か
 5。1時間はなぜ60分なのか

三。資本主義以前の時間認識
 
1。中世ヨーロッパ
  ◇時計のない時代―教会や修道院の鐘の音(不定時法)
  ◇都市に出現し始めた「大時計」―14世紀頃から
  ◇時間意識の革命
 2。江戸時代の時間認識―「社会全般にみなぎる悠長さ」
  ◇時間は共同体のもの―共同体的集団行動を規定した
  ◇城下町以外の農村部では、こまかな時間意識はほとんどない状況
  ◇鎖国を解いた明治維新により生活の西洋化がすすむ。機械時計も
   一般化する。
  ◇日本人に「分」の単位を生活上で意識させたのは、鉄道の開通。

四。資本主義社会となっての時間認識の変化
 
1。資本主義社会とは簡単にいうと
  ◇商品生産が支配的になった社会のこと
  ◇資本と労働者の関係性のなかで商品やサービスが生まれる
 2。資本主義の発展とともに時間認識にも変化が
  ◇まずは「時間通りに出勤させる」ことが一大問題だった
  ◇資本家は労働者よりも早く時計をもち、時間を管理した。
   時間に使われる労働者の出現。
  ◇鉄道の発達による「全国一律時間」概念の発展と、個人時計の発達
  ◇産業革命後、労働時間の怒涛の延長(次回の講義でさらに深める)
 3。労働時間と余暇時間の明確化


何人かの感想文を紹介します。

■宇宙のはじまりから、人間が時間を認識して生活
していくまで、色々なことを想像したり、感想交流が
できてとても楽しかった。縛られない時間がもっと
増えたらいいなと思う。

■宇宙の誕生、地球誕生のハナシはドラマティーック!
ですね。時間にルーズな私は、時間の概念ができる前の
ゆるーい時代が正直うらやましいです。でも、時間の
概念があるからこそ人間が効率よく時間を使えるように
発展したという面があるのですよね。その中で、労働
時間を少しでも短くして、余暇時間を確保するたたか
いが大事なんですよね・・・と自分にいいきかせるけど、
やっぱり時間の概念がない時代がいい(笑)。

■子どものころ読んだ「モモ」にそんな意味があった
ことにびっくりしました。図書館で借りて読んでみたい
と思います。

■時計のない時代に戻りたいという意見を思ったより
たくさん聞けたのがおもしろかったです。それだけ
時間を自分で支配するのは難しいのかと考えさせられ
ました。

■江戸時代の日本人は、西洋の人からあきれられる
くらい悠長だったという話は目からウロコだった。
鉄道の発展が1分1秒を正確に意識することにつな
がった・・・。もったいない精神と時間の感覚は、江戸
時代にかえった方が良いなあと。

■宇宙の話や人類の歩みの話がもっともっと聞きたい
です。ロマンを感じます。様々な年代、立場の方と
交流できて楽しかったです。これが労働学校の核なん
だと分かりました。学ぶこと多そうです。