長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

家事労働とジェンダー問題で討論白熱!

昨夜は、91期岡山労働学校の第6講義、
「家事労働時間とジェンダー問題」でした。
参加はとうとう8名に!

内容が超面白いだけに残念です・・・(やっぱり毎週言っている)。

きのうのグループ討論も
はげしく盛り上がっていました。白熱です。
それぞれ家庭文化や環境が違いますからね。
その違いがおもしろいんですよね。


以下、講義の概要です。

一。家事労働の私的体験記と考察
 
1。親と同居時代(18歳まで)
 2。ひとり暮らし時代(18歳~28歳)
 3。結婚してから
 4。介護生活を体験して

二。家事労働を、具体的に分類してみよう
 
1。『AERA』5月30日号に掲載された「家事育児100タスク表」を参考に
 2。介護労働は具体的にどんなものがあるだろう
  ◇大きく分けて<生活援助>と<身体介護>

三。家事労働の役割負担をいびつにする要因
 
1。有償労働の長時間化
  ◇残業大国ニッポン。とくに正規労働者の長時間労働が野放しに。
  ◇『18時に帰る』(プレジデント社)より。
 2。ジェンダー規範
  ◇ジェンダーとは、歴史的・文化的につくられた男女の性別役割分業論
   *ひらたくいえば『女なんだから○○』『男なんだから○○』という
    意識や行動。女性差別撤廃条約(1979年発効、日本は1985年批准)
    のポイントはジェンダー否定。
  ◇しかしジェンダー規範が色濃く残る日本(あらゆる場所で)
  ◇家事育児を「やっているつもり」の旦那へ見せた執念の分担図
                      (「SELECT」2016.2.7)
  ◇家事労働は女性に集中。2015年国民生活時間調査より
                     (NHK放送文化研究所)
  ◇「子育てだけ」が招く社会的孤立。育児責任の集中。ワンオペ育児。
 3。家事労働ハラスメント(尊厳を奪う)
 4。企業にとって都合のいい「女性の労働力」活用
                   -背景にある財界の戦略
  ◇雇用の調整弁としての女性の労働力の活用
  ◇女性の肩に「家庭責任」を一手に背負わせてきた

四。家事労働時間と人生の時間
 
1。家事労働を「苦役」と感じないためには(1人ひとり違うと思いますが)
  ◇負担の集中を避け、分散・分担する。
  ◇納得してやるためには―話しあい。その繰り返し。
  ◇家事を楽しもうという心構え
   ■前提条件は「ゆとり」があること。忙しいとき家事は「苦役」に
    なりやすい。
 2。労働時間・余暇時間・生活時間のバランス
  ◇そのバランスを、自分でつくりだしていく。変化に対応する。
  ◇人生の時間において、なにが大事なのかは、時々で変化するし
   比重も変わる
  ◇労働時間を制限すること、調整できることが最大のポイントに。



感想文をいくつか紹介。

■家事労働はなかなか平等になりませんね。「疲れ
て帰ってつくりたくない」なんて甘えたことを言う
夫。私は疲れててもいいのか?! まだまだだなあと
思うが、介護は存分にしてもらおうと思っている。

■家事をしてくれる人と結婚しようと思いました。
いろんな家庭の話を聞けてよかったです。女だから
男だからという意識をもたないようにしたいです。

■オランダいいなぁ。日本はおかしい! いつになっ
たら暮らしやすい国になるのでしょうか。オランダ
行こうかな・・・。育児も大変だけど、介護はもっと
大変。社会的な保障も充実してなくて、どちらも
お金次第。格差! 「子育てが招く社会的孤立」、
まさに味わいました。ほんと辛いです。

■全員違った家庭環境でおもしろかったです。やはり
家事はケンカの元ですね。「苦役」になることが
多いのは労働時間が長かったり疲れてるからじゃない
かな。大変。

■家事労働から、ジェンダーを考えることができて
楽しかったです。