長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

和歌山で組織づくりとものの見方を語る

土曜日(17日)の午前中は、和歌山生協病院の会議室にて
和歌山民医連看護役責者研修交流会の講師仕事でした。
看護の役責者のほか、公開講座ということで
事務の方も参加されていて、40人ぐらいだったでしょうか。

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「人間発達ができる組織づくり~看護とものの見方の角度から」
がテーマでした。
わさわさと90分語りまくりました。
みなさん真剣なまなざしで聴いていただき感謝です。

いつものような話でしたが、講義の概要を以下に。


はじめに:私と看護。

一。立ちどまり、「問う」力
 
1。ものの見方・考え方?
  ◇哲学の姿勢―自分と自分のまわりの「そもそも」を説明したい。
   ■ゆとりとは

 2。「そもそも」を問うことを意識的に行う、組み込む。
  ◇じっくり考える間もなく、どんどん日常は動いていく
  ■私自身の最近の経験から
  ◇病院にはさまざまな立場の「考え方」「視点」が存在する。
  ◇「ちょっとまてよ」「そもそもこれは」「何のために」
   「自分たちの立ち位置は」
  ◇ナイチンゲールの言葉より(『ナイチンゲール著作集』現代社)

 3。民医連医療・看護・介護を支え・補強する「ものの見方」
  ①現象から本質へ。結果から原因へ。木も森も見る。
   ―認識の深化への努力。
  ②憲法の人間観―「個人の尊重」(13条)「個人の尊厳」(24条)
  ③矛盾がある

二。育ちあうための哲学
 
1。教育、育つ主体と環境
  ◇どんな組織でも人間の集まりである以上、「教育」という営みがある。
  ◇種を植えれば芽が出、やがて成長する。主体内部の力。
  ◇しかし、適切な土壌や水分、環境を整えなければ、枯れてしまう危険も。

 2。育てる側としての構え
  ◇育てる人以上に、自分が自分の成長に貪欲か。自己投資しているか。
  ◇問題意識を聞く。場をつくる。議論する。納得を引き出す。
   信頼される。尊敬される。

 3。育ちあう場の前提条件は、民主主義(表現の自由が前提。参画と尊重)
  ◇自分の言葉をもって、議論や意思決定に参画すること。
   1人ひとりが尊重されること。
  ◇しかし、組織のなかにはさまざまな「力」が働いている
   (そしてそれはなくせない)
  ◇「~しあう」関係性(積み重ねにより培われる)