長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

この夏は難しい理論書を読もう

最近読み終えた本。
ここ1か月ぐらいです。理論書がないね・・・。
この夏は難しい本よもっと。


『身体へのまなざしーほんとうの看護学のために』
         (阿保順子、すぴか書房、2015年)

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ケアする人間とケアされる人間。身体の相互浸透。
ではその身体とは何か? 臨床の実践知もふまえての考察。
清拭の手の力のエピソードが印象深い。


『ココ・シャネルという生き方』(山口路子、新人物文庫、2009年)

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シャネル入門書のよう。読みやすい。
彼女への評価はさまざまだろうけど、
世間の常識に迎合しない生き方は強い。

「あたしは誰のものでもないのよ、と言える
喜びはすばらしい。あたしの主人はあたし」
といえる強さ。


『まんが 人体の不思議』(茨木保、ちくま新書、2017年5月)

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「小宇宙」ともいうべき複雑で神秘にみちた人体。
そのしくみと働きについて漫画で描いた入門書。
産科医である著者はユーモアたっぷり。
生物進化や医学史も織りまぜつつ、
ほほお!という発見の面白さが貫かれている良書。


『余暇という希望』(薗田碩哉、叢文社、2012年)

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「暇こそは、無為であるが故に人を未知の可
能性に向かって開く舞台となり得るのだし、
また無益であるが故に何ものにも束縛されな
い人間的な自由の糧となり得る。暇という時
間こそ人間の生きる支え、あるいは生命の原
動力なのだ」


『精神科ナースになったわけ』(水谷緑、イースト・プレス、2017年4月)

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漫画。精神科病院に勤めている看護師の視点から、
患者の状態や内面をていねいに描く。
精神疾患の患者さん、ケアする側の姿勢など、
なるほどと感じた。とてもよい。ソワニエ授業で紹介した。

 

 

『「人間の尊厳」を考えるための練習問題』
      (岸邦和、幻冬舎ルネッサンス新書、2015年)

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間違いも散見されるが、「尊厳」という難しい
概念を考えるための材料にはなるかな。
「お互いを人間として認めあう」
「人として扱う」「人間らしさ」…。
人間への洞察がいずれにせよ必要なのね。


『アキラとあきら』(池井戸潤、徳間文庫、2017年5月)

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まあ面白かったですけど、ちょっと経営者視点が
強かったので、池井戸作品のいつもの胸アツ的な
興奮はあんまりなかったような。
700ページこえるなかなかの分量でした。


『18時に帰るー「世界一子どもが幸せな国」オランダの
           家族から学ぶ幸せになる働き方』
       (1more Baby応援団、プレジデント社、2017年6月)

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オランダよい。日本と違いすぎてめまいがしますけど。
労働時間も自分で決められる。
何が幸せか、価値を置くかの選択ができる社会。


『“生きる”を支える看護ー西淀病院発・希望の医療』
 (矢吹紀人著・淀川勤労者厚生協会編、日本機関紙出版センター、2017年7月)

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10のエピソードはどれも温かくじんとくる。
困難を前にして前向きな葛藤ができる力。
どんな人間観で患者に寄り添うのか。
理念のたしかさとチーム力を感じた。