長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

バッタを、抑止力、哲学する、弱者の、人間は

最近読み終えた本。


『バッタを倒しにアフリカへ』(前野ウルド浩太郎著、光文社新書、2017年5月)

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これ、めちゃくちゃ面白い。
若き昆虫学者がアフリカのモーリタニアへ。
砂漠の国で悪戦苦闘のバッタ研究。
楽天的かつ柔軟、学者としてのバイタリティーにも刺激を受ける。

なにより、これだけ「好き」なものを持てるって
幸せなことだとも思う。

「憧れた人を超えていくのは、憧れを抱いた者の使命だ」(370P)

「夢を語るのは恥ずかしいけど、夢を周りに打ち明けると、
思わぬ形で助けてもらえたりして流れがいい方向に向かって
いく気がする。夢を叶える最大の秘訣は、夢を語ること
だったのかなと、今気づく」(372P)


『抑止力のことを学び抜いたら、究極の正解は「最低でも県外」』
         (鳩山友紀夫×柳澤協二、かもがわ出版、2017年7月)

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元首相と元防衛官僚との対談。
その当事者でしか語れないことがあってふーむという感じ。
第2章「抑止力とは何か、それは沖縄に必要なのか」が
中心ポイントかなあ。


『哲学する〈父〉たちの語らい ダウン症・自閉症の〈娘〉との暮らし』
             (竹内章郎・藤谷秀、生活思想社、2013年)

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ともに哲学を専攻する研究者であるふたりの著者が、
障がいをもつ娘さんとの暮らしや
そこで感じてきたことを経験的に語りあう。
深い考察と率直な葛藤が入り混じる良書。


『「弱者」の哲学』(竹内章郎、大月書店、1993年)

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これまた深く有意義な学びだった。
能力差による処遇差別を克服するものの論考。

「能力の個別実態的な把握や個体能力論の是非(中略)。
この問題は、社会保障の根本に及ぶだけでなく、
人間観の根幹にも触れるきわめて大きな問題」

この本については、またいずれ
メモなどとってまとめていきたい。


『人間はだまされるーフェイクニュースを見分けるには』
              (三浦準司、理論社、2017年6月)

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メディアリテラシー入門。わかりやすく読みやすい。
そして現代社会に生きる人の必須知識。

「間違った知識には気をつけよ。それは知らないことより危険だ」
(ジョージ・バーナード・ショー)