長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

今年も子守唄と書かれました・・・。

土曜日(11日)は、もろもろの家事労働の合間に、
今年度のソワニエ看護専門学校
「ものの見方・考え方」授業のレポート採点。
「自分のことを見つめ直した時間になった」という感想が多い。
手について、言葉について、「わたし」について、
生活や労働について、人権について…。
そして自分の見つめ直しを通じて他者への見方が変化している。嬉し。

ところで・・・、今年もいました。

「長久先生の声が子守唄のように聞こえて…」という学生さん。
レポートのなかで「寝てしまいすみませんでした」と正直に書いていて、
まあ、かわいいもんです。

ぼくの授業では、後半になるにつれ、寝てしまう学生さんが増えます。
まあ授業の工夫も必要ですが、客観的にみて、
ぼくの授業はいちばん「息抜き」「リラックスして受けられる」時間だと、
ぼくが学生だとしても思います。
看護学校って、ほんと覚えないといけないことが多すぎますから。

学生さんが寝てても、ぼくは注意しません。したことがないです。
寝ている理由がわからないからです。

体調が悪いのかもしれない。
昨夜、他の授業の課題を一生懸命やっていて睡眠時間が少ないのかもしれない。
学校のあとバイトをしていて体が疲れてるのかもしれない。
たんにぼくの話に興味が向かないのかもしれない。

11年もソワニエに通ってますから、学生さんが本当に様々な
思いや生活や夢を抱えながら毎日授業に来ていることを知っています。

今年度のレポートでも、「食費が月1万円できついです」と
書いていた学生さんがいました。親御さんの仕送りを受けながら、
カツカツの生活です。バイトもしなければならない。

「寝ている学生=やる気のない学生」という
単純な見方は絶対にできません。
学生さんのさまざまな背景やたいへんさに寄り添えて、
背中を押してあげられる授業がしたいなあと、いつも思います。

たとえ15回の授業中、10回寝てても、残り5回の授業で
「あの授業があったから、いまこう考えることができる」
「こんな気づきができるようになった」と思ってくれたら、
それでいいんです。そんな授業がしたいです。