長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

感想文用紙に関するイチ考察

先日の長野での講演のなかでも
「いい感想文用紙って?」の一文をレジュメに書いていました
(詳しくは話せませんでしたけど)。
感想文用紙、テキトーに作ってませんか? と。

で、日曜日の広島で頂いた
「はたらく女性の中央集会」の資料を
事務所でパラパラと見ていたら、
「参加者アンケート」という感想文用紙が入っていました。
この感想文用紙を題材に、ちょっと考えてみたいと思います。

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■まず目についたのは、全体会や分科会にたいする
アンケートのところ「イ.よかった ロ.普通 
ハ.よくなかった」です。私は、こうした3択とか
4択とかのアンケートは、数字や傾向を出すだけで、
主催者側の自己満足ともいえ、まったく意味がない
と思っています。そもそも「普通」とはいったい何
か? 学習会の評価で「普通」とは。これだけで1時
間ぐらい議論が必要な難題です。「普通」はあまり
見かけませんが「まあまあ」とか、「あまり良くな
かった」とか、とてもあいまいで評価のしにくいワ
ードをのせてくる感想文をよく見かけます。疑問です。

■違和感の2点目。土曜日の全体会では、アーサー・
ビナードさんの記念講演のほかにも、オープニング
での合唱や、被爆ピアノ演奏、被爆証言などが、プ
ログラムなどをみるとあります。この感想文用紙で
は、「全体会に対する感想」スペースはありますが、
書くスペースも小さいですし(講演の感想を書くス
ペースも狭い)、せっかく広島らしい企画を並べて
いるのに、それらに対する感想や受けとめが細かい
ところまでわかりません。せっかく集会のためにご
尽力いただいた演奏者や証言者に対しての敬意が足
りないのではないか、と思いました。

■違和感の3点目にして最大の点。この感想文用紙
は、「63」のところを変えれば、来年も、再来年
も使える内容になっているということです。斜めに
ものを考えるクセのあるワタクシは、「これ、去年、
いやもっと以前から、数字だけ変えるだけで、使い
まわしているのではないか」という疑いも芽生えて
きてしまうのです。つまりどんな感想文用紙にする
のか、参加者のどういう声をひろいたいのか、運動
を前進させるためのステップとして、参加者にどん
な意見を出してほしいのか、の意欲がまったく感じ
られないのです。ただ数字を変えるだけ。せめて、
「講演に対する感想」ではなく、「アーサー・ビナ
ードさんの講演に対する感想」にしてほしかったし、
「来年の集会」ではなくて「来年の仙台での集会」
にしてほしかった。

■私がもし主催者の側で、この集会の感想文用紙を
つくるなら。2日間あるわけですから、1日ごとに
別の感想文用紙をつくります。大きさはA4でなく
A5。感想文用紙の大きさはかなり「書きやすさ」
に影響します。3択とか4択の項目はいっさいなく
して、具体的に全体会や分科会の成否を判断できる
設問を置きます。あと、アンケートが無記名になっ
ているのもよくわかりません(申込みや受付で参加
者全員の名前を把握しているのに)。個人名を書い
てもらって何か不都合あるのでしょうか。誰が書い
たかわからないほうが不都合だと私は思います。


以上、感想文用紙をめぐるイチ考察でした。
日曜日の分科会は楽しかったんですよ、ほんとに。
であるがゆえの、愛のダメだしと思ってください…(笑)。