きのう(14日)午後は、
ソワニエ看護専門学校での2回目の授業。
「人間の手について」でした。
まあ、毎年なんですが、
手について考えることなんてないから、
学生さんにとっては新鮮だったようです。
以下は、レジュメの概要です。
二。「手」をつかって生きている
1。人間の手はどんな働きをするか
◇手はどんなことができるでしょうか。あげていきましょう。
2。人間の手はどのようにして生まれたか
◇人類が誕生したのは約600~700万年前・・・アフリカ
◇人は、手をつかって生きている
◇道具の使用が手の発達をうながした
◇情報の伝達、道具の使用、他者との媒介
◇手にまつわる言葉ー日本語は「手」をたくさん使っている
三。手と心、そして看護と「手」
1。手をどう使うのかはその人しだい。人生の歩みは、手の歩みでもある。
◇『わたしの手はおだやかです』
(アマンダ・ハーン文、マリナ・サゴナ絵、谷川俊太郎訳、にいるぶっくす)
2。手と心―手仕事の不思議
3。看護と「手」
◇生命力を高める看護の手の力ー触れることによる心理的効果を握
4。人間だけが「手をつなぐ」
5。「あたりまえ」のなかに、大事なことがみえてくる。
学生さんの感想文をいくつか紹介。
■普段あたり前に使っている手について、あまり
考えたことがなかったのでとても新鮮な気持ちに
なりました。手はにぎるだけで相手の不安をなく
し、はげますことのできる、いいお薬だと思いま
した。
■本日の授業は“手”についてだった。人の手ができ
ることをメモしていくごとに、自分の中での“手”
にまつわる出来事やエピソードを思い出すことが
できて、温かい気持ちになれた。人の生命を救う
ことも、捨てることも、人の手によって行なわれる
と改めて思った。ちょっと哲学的なことばっかり
を考えた1コマだった。
■普段何気なく色々な作業をしている手。今まで
「手」についてここまで考えたことがなかったけ
ど、私がいつもこの手で何をしているのかな?と
考えた時に、毎日の1つの行動が気になった。
学校が終わって、子どもを迎えに行って家まで
帰る時。駐車場から玄関まで少し距離があって、
両手は荷物でふさがっているのに、子どもからは
「ママ手つなご」と毎日言われる。でも両手は
荷物でふさがっているし、「もう1人で歩いて」
ということもあるけど、子どもからしたら「手を
つなぐこと」はすごく安心することなんだろなと
思った。子どもから求められている手。色々な
ことを考えさせられました。
■人間の手でできることはとても多く、手だから
こそできることがあります。私は、私の手を使っ
て、誰かを苦しめるのではなく、助けたいです。
誰かの支えになりたいです。
■「世界は手を基準に作られていると言っても過言
ではない」なんて考えたこともありませんでした。
本当に?と思って身のまわりを見ると本当にそうで、
驚きました。手について考えることは日常ではない
ので、改めて手があることのありがたさやすごさを
感じることができました。
■ひとつむぎの手を読んでみたいと思った。自分の
手が急に偉大に思えてきた。魔法やパワーが出せる
わけではないが、人の命を救える手だと思った。
■私は大学生の時に、胃カメラの検査をしました。
初めてだったし、何か病気が見つかったらどうし
ようと不安でした。検査の最中にも吐き気におそ
われて逃げ出したくなりました。その時に、「大
丈夫 大丈夫」と背中をさすってくれた看護師さん
の手に励まされ、いやされて、何とか乗り切るこ
とができました。本当に不安な時の手ってすごい!
と思いました。
■「わたしにふれてください」という本を先生が
読んでいるのをきいている時、色々な思い出や
感情がよみがえってきたのは、自分が過去にふれ
あうことによってたくさん感動してきたんだと
いうことを思い出すことができたからです。この
感動の体験を忘れず看護師になった時、いかして
いきたいです。