長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

「“人間をかえせ”の意味と重みをはじめて知った」

昨夜(10日)は、
核ZERO講座2020の1回目(全4回)でした。

申し込んでいた人以外にも参加があり
最終的にちょうど30名の参加で有意義な時間になりました。

4月のニューヨークでの
原水爆禁止世界大会に参加される人も9名参加。

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主催者を代表して鷲尾学習協会長からあいさつ。
鷲尾さんもニューヨークに行かれます。

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講座の協賛をしていただいた
岡山県原水協の平井事務局長からもあいさつ。

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「8月6日・ヒロシマー被爆の実相」をテーマに、
パワーポイントを使いながらの60分講義でした。
あつかった内容は以下。

*はじめに―ローマ教皇の新年あいさつ
*なぜ被爆の実相を学ぶのか
*被爆の実相を学び伝える視点
*実相を伝える方法としての手記・語り・原爆の絵
*被爆者の証言の「重さ」について
*原爆の絵について
*当日写真は松重美人さんによる5枚しかない
*原爆はなぜ広島、長崎に落とされたか
*8月6日、相生橋が目標地点
*どういう人たちの上に落とされたのか
*被爆者は日本人だけではない
*原爆投下100万分の1秒-死の放射線
*原爆小頭症について
*『朽ちていった命』から-生命を根底から破壊
*火球と熱線-100万分の1~3秒
*熱線によるやけど
*衝撃波と爆風―10秒まで
*当日死者の48%が建物内での圧焼死
*火事嵐
*「黒い雨」「黒いすす」などの放射線降下物
*入市被曝・内部被曝の脅威
*爆心地の人たちの「死」について-証言から
*爆心直下、島外科病院の「あの日」
*建物疎開学童の悲劇
*峠三吉-仮繃帯所にて
*死体処理にかんする証言
*「1人ひとりの死」「人間らしい死」はあったのか
*原爆供養塔
*きのこ雲の下で1人ひとりの人間は
*被爆の実相普及こそ、核廃絶への最大の力

以上。

たくさんの証言を紹介しながらの講義でした。
被爆者の証言ほど、被爆の実相を伝えるものはありません。
重いですが、その重さをまずはズッシリと受けとめることからしか、
核廃絶への思想と行動は生まれてこないと思います。

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講義後は、全体でひと言自己紹介をしてから、
4グループに分かれての感想交流でした。
老若男女、さまざまな人が参加していて、良い交流になったと思います。

次につながる1回目でした。


以下、参加者の感想文を一部紹介します。

■1人1人の身の上に何が起こったのかを考えることが
大切という話が心に残りました。1人1人のことを考え
ると重くなりますが、思い出したくないと思うくらいの
地獄を経験した人たちの思いを少しでも平和につなげる
よう、受けとめたいと思います。何を言っても軽いので
はないかと思えるほど、あの日を体験した人の、辛さ、
苦しさ、悲しさがせまってくるようです。

■8月6日、広島当日の写真が5枚しかないという事実は
それだけシャッターを切るのにためらわれる光景があった
のだと想像できる。たった1発で人々を焼き尽くす核兵器
の恐ろしさを実感できた。全人類を破滅させかねない兵器
であることに改めて恐ろしくなったし、2度と使ってはい
けない兵器だとの思いを忘れてはならない。自分が今まで
いかに表面的にしか被爆地広島をみていたことに恥ずかし
くなった。

■「人間をかえせ」という言葉の意味と重みをはじめて
知ったような気がします。

■1回目の講義として分かりやすい組み立てでした。広島
の資料館も個人の暮らしに焦点を合わせてリニューアル
していましたが、今日の学習で、被爆した人、その家族、
関わったすべての人の人生に思いをはせることが大切なん
だと思いました。今日学んだことを少しでもいかせるよう
に、家に帰って子どもたちに話します。また職場の仲間
ともアレコレ語り合いと思います。若い方が多く参加して
いることに希望を感じました。

■あらためて原爆の恐さ、すさまじさを感じさせられた。
というか、基本的なことから、もう1度勉強しなおさな
いといけないなと思わされる講義でした。次回からの
講座にグンと興味が湧いてきました。ありがとうございました。

■ヒロシマとナガサキについて、自分なりに学び見聞して
きたことを整理したい思いがあり参加させてもらいました。
長久さんの話は、独自の視点で体系的にまとめられていて、
自分の中で整理がついていないものをつないでくれるヒント
をもらえるものでした。あの日、きのこ雲の下で失われた命、
その命に想いを寄せる想像力を持ちたいと切に想った学習会
でした。

■数だけで見るのではなく、1人ひとりの命がうばわれた
ことを、どれだけ想像できるかが大切だなと改めて思った。
何度も広島に行っているが、ようやく、原爆のおそろしさ
を感じられるようになってきたように思う。また、放射線の
おそろしさを、東海村の事故の方の話をきいて、知った。

■久しぶりに、被爆の実相について学ぶ機会だった。
学べたのは非常に良かった。けど、重かった。この
思いを大切にしたいです。

■来て良かったです。「人の命」について、いま真剣に考え
ているところで、被爆の実相を考えることって、まさに、
真正面から、「命」に向き合うことだなと感じました。
原爆で奪われていく、無差別に、大量に奪われていく命。
心のおいつかないままに、家族の死に直面してしまう。
自分におきかえて考えると、涙があふれてきました。あの日、
たくさんの人が、そこにいた人数分だけ、命が削り取られて
いった。死体の山の光景は、とてもとても想像することは
できないです。被爆した1人1人の記録を、丁寧に何回も、
読み込んでいきます。1人でも多くの人に、伝えられるように…。