『古くてあたらしい仕事』(島田潤一郎、新潮社、2019年)
を読み終える。
久しぶりに「本らしい本」を読んだなあという読後感。
著者(ひとり出版社を営む人)の仕事への姿勢や、
文体から伝わってくる人柄に、背中を押された。
勇気がわいてきた。
ぼくもマイナーな仕事してるから。
1人ひとりと向き合う、ていねいな仕事をしたい。
以下、自分用のメモ。
「本が部屋に1冊増えることによって、さっきまでの
ぼくと、いまのぼくとはなにかが変わっている」(17P)
「人生でもっとも大切なのは、人から必要とされる
ことだ」(31P)
「ぼくは、ぼくを必要としてくれる人のために仕事を
してみたいと思うようになっていた」(32P)
「お金はとても便利で、万能な尺度であるから、多くの
人が採用し、その評価額をもとに、いろいろなことを
計測したり、企画を立てたりしているが、それは数ある
物差しのひとつでしかない。世の中には、お金以外の
尺度がたくさんある。数値化できない尺度は、それ以上
にもっとある」(38P
「ぼくが尊敬していた会社の先輩は、ぼくにひとつの
金言を与えてくれた。それは、真面目にちゃんと営業
してまわれば、1日1回必ずいいことがある、という
こと。…たいせつなのは、怠けないこと。ずるをしない
こと。そうしていれば、なんであれ、結果はでる」(55P)
「(若い)彼らを信頼しなければ、未来は真っ暗だが、
彼らを信頼すれば、未来はいつでも明るい」(186P)
「最初にひとりひとりの生活があるのだ。最初にかけ
がえのない個人がいて、その人の家族がいて、友人が
いる。彼らと話し、ともに出かけ、食事をする。彼ら
をどう思い、彼らのためになにをしようと思うか。
そういうきわめて個人的なことが、文章となり、本と
なることで、永遠の命を持つ。ぼくがつくりたいのは、
そういうものなのだった」(207P)