長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

「運動なきところに変革なし、という言葉に」

昨夜は社会権講座の最終回(3回目)でした。

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参加は、やはり伸びずに12名。
3回通して女性参加率が高かったのと、
若者も一定数いたので、そこは評価。

きのうは「社会権再生への連帯」ということで、
財源論、富と貧困の相互性・共同性、
エンパワーメントの運動論、という流れ。

運動論では具体的に、障害者の自立生活運動、
そして黒人の公民権運動を紹介し、
客体(変化を及ぼされる存在)から主体(変化を担う存在)に
なるために、組織は戦略的に取り組まないといけない、
ということを最後に強調しました。

この講座で一番勉強になったのは、私。
社会権、めちゃ深まった~。今後に生きる学びになりました。

まだ第2講義の概要活字化もできていませんが、
第3講義もふくめ、時間をつくってまとめます。

何人かの感想を紹介します。

■前回に引き続きとても勉強になりました。富の蓄積が
貧困に蓄積によって成り立つというのが法則としてある
とはいうのには驚きました。「社会や環境を変革しようと
決意した時に初めて当事者となる」という障害者の自立
生活運動についての話では、労働者に関しても同じことが
いえるし、そもそも労働者って社会をよくするための存在
では? とも思い、世の中の人びとの意識のあり方を考え
させられました。

■所得税の最高税率と住民税の最高税率の話で、1974年は
93%と書いてあり、高いと思ったが、冷静に考えると
高所得者にとっては妥当だと気付かされ、数字のマジックは
恐ろしいと思った。エンパワーメントの話では、同じ境遇の
人が集まり、お互いの現状を話し合うことで自分が置かれて
いる状況を客観的に捉えることができるということが紹介
されており、とても共感できた。そのため、社会権を獲得
していくには、労働組合などの国家と個人の間に位置する
団体へ属するのは、とても重要だと感じた。

■財政が厳しいから、社会保障がけずられて仕方ないと思っ
ている人がたくさんいるが、消費税をゼロにしても、富裕層
に40数年前の税率で課税すれば充分に財政がたもたれる事、
運動あるのみという結論でしたが、公民権運動と障害者の
自立生活運動の知っているようで全然知らなかったことを
新しく学べた。

■富の蓄積は貧困の拡大であり、富は、私的所有物化かという
問いを、これからも考えていきたいと思いました。何より、
自己責任論をのりこえるエンパワーメントの運動論、大事だ
なと。運動なきところに変革なし、という言葉に、運動がんば
ろうと思った。