長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

ジャンプ、詰むや、魔女、コーヒー、急に、白ゆき

最近読み終えた本。
とくに仕事での課題学習もないため、軽めのもの中心です。


『ジャンプして、雪をつかめ!』
(おおぎやなぎちか作・くまおり純絵、新日本出版社、2020年11月)

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児童文学。両親の離婚を機に、東京から青森に
引っ越してきた小学5年生。
雪と寒さと貧乏な暮らしに悪戦苦闘しながら、
次第に都会にはない人間的つながりのなかでたくましくなっていく。


『詰むや、詰まざるや~森・西武vs野村・ヤクルトの2年間』
          (長谷川晶一、インプレス、2020年11月)

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1992年、1993年のプロ野球日本シリーズ「西武対ヤクルト」の
激闘14戦を総勢50名の証言で紐解いたノンフィクション。
森と野村の知将対決。これぞ野球。おもしろすぎる。
こうした名勝負はもう見られないだろうなあ。


『魔女狩り』(森島恒雄、岩波新書、1970年)

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出版から50年。買った本は65刷。ベストセラーだ。
しかし内容は、魔女裁判のおぞましさ、残忍さ、
宗教と権力の狂気をリアルに。
拷問による自白強要と処刑の叙述は、2度と読みたくない。
だが異端を徹底的に排除することは、過去の話ではない。


『コーヒーはぼくの杖~発達障害の少年が家族と見つけた大切なもの』
         (岩野響・開人・久美子、三才ブックス、2017年)

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発達障害をもった響くんが、
珈琲焙煎を「自分の杖」とするまでのお話。
父と母と響くんの語りが交差しつつ進む。
“ふつう”への葛藤を経て、道を見いだす家族の姿に共鳴。


『急に具合が悪くなる』(宮野真生子・磯野真穂、晶文社、2019年)

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ほぼ同年齢の若き哲学者と文化人類学者の往復書簡。
宮野氏が乳癌からの転移による「死」を意識しながらの展開に。
偶然と必然、選択とは、不運と不幸など、
おふたりの関係深化とともに。理屈とあいまいさが同居。


『白ゆき姫殺人事件』(湊かなえ、集英社文庫、2014年)

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ミステリー小説。殺人事件と犯人仮説をめぐる関係者の証言で構成。
しかし芥川の「薮の中」のよう。
人によって事実の見方が変わり、人物評価もコロコロ変化する。
なにが真相なのか? 後半最後の展開で、え!?となった。