最近読み終えた本。
『幸せをつくる、ナースの私にできること
―3・11東日本大震災 看護師3770人を被災地へ』
(石井美恵子、廣済堂出版、2013年3月)
震災時、日本看護協会の「災害支援ナース」派遣の
陣頭指揮をとった著者。
的確な判断力と底知れぬ情熱にまず脱帽しました。
そしてつねに論理的です。
また、どんな相手の立場にも、きちんと立つことができる人。
災害時の心構えとしても学ぶことも多かったです。
いや、災害時だけでなく、運動論としても読めるかも。
いろいろ参考になるところがありました。
以下、本書よりメモです。
「頭では冷静になろうと思っていても、現地に着いて
被災者の悲惨な状況を見ると、テンションが上がって
しまう。その興奮状態のまま発言し、行動してしまう
ことが、被災者をさらに傷つけることにつながる」
「まず、『助ける者』と『助けられる者』にはそもそも
立場に不均衡があるという前提に立ってください。
人は、援助を求め他者に頼ることは、弱さや失敗を
自白しているようなものと感じることがあるのです」
「被災地には静かに入り、静かに観察し、被災した
人たちに役立つことを見つけたら、静かにそれを実行
する。これがいちばん望ましい災害支援だと私は思っ
ています」
「私がいないと回らないシステムなんて、そんなものは
システムじゃない」
「むしろ周りの人間が、その我慢を賞賛することで、我慢
を強要していることにつながっているのではないか?
『そんなに我慢しなくていいんだよ』と言うべきなのに、
逆に、彼らの忍耐を賞賛している」