長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

「真実に近づこうと努力すること」

先週木曜日(13日)の85期岡山労働学校
第5講義の報告です。参加は16名でした。


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「知り・考え・行動する―原発問題、避難・移住者の実態から」

というテーマで、

おーい!止めたいママアクションin岡山のみなさんに

お越しいただき、お話をいただきました。

 

以下のような、手書きのレジュメ(新鮮…☆)

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中心にお話いただいたのは、

茨城の守谷市から避難移住してきた橋本洋子さん。

 

橋本さんは、原発の問題を語るときには、

経済問題、エネルギー政策、核廃棄物など、

さまざまな角度から語ることができるが、

「健康被害を伝えずして、原発問題は語れない」という

強い思いがあり、

放射能による健康被害の角度から、お話をしてくださいました。

 

また、岡山には避難登録されているだけで、

950人ぐらいの方が、福島や関東から移住してきていること、

母子のみの避難も多く、経済的にはとても苦しい人が

多いことなども語られました。

 

橋本さんが自主避難を決断したもっとも大きな動機は、

なにより自分と家族の健康問題でした。

それは、橋本さんが以前から関心をもっていた

チェルノブイリ原発事故の健康被害の実相があったからでした。

橋本さんは、チェルノブイリ事故の放射能汚染の実態から

さまざまな健康被害が広範に、長い期間にわたって

深刻になっている現状をさまざまな資料や統計をもとに、

お話をされました。

 

そして、福島第一原発の事故では、岡山もまったく無縁という

ことはなく、やはり放射能の影響があること、

また日本に54基ある原発がさらなる事故を起した場合、

ほんとうにこの岡山も住めなくなる可能性もあることを指摘

されました。

 

橋本さんは、「もしあなたが避難者になったら?」という

ことを想像してほしいこと、

そして避難移住者の人たちへは、

「同情ではなく共感してほしい」と述べられました。

 

講義は後半、「おーい!止めたいママアクションin岡山」の

活動のことに話が移りました。

橋本さんは、岡山に移住してから、あまり目立った行動などは

していなかったのですが、昨年6月、

ちょうど首相官邸前の反原発の行動が大きなうねりと

なっていたときに、「このまま何もしないでいいのだろうか」

「今動かなかったら後悔する」「やれることは何だろうか」

と考えに考え、

「岡山県知事に原発をやめるよう国に働きかけてくれるよう、

その思いを書いた手紙を渡しに行こう」「これなら誰にでもきる」

と思い立ち、ツイッターでそのことを呼びかけたところ、

何人からの方から「一緒にやりたい」と連絡があり、

「ママアクション」の行動へとつながっていたことが述べられました。

 

ママアクションでは、「デモや集会などになかなか参加できないような

人にでも参加できるような行動」というコンセプトのもと、

これまで7回、「県知事に手紙を届ける」という行動を行ってきました。

その行動を通じて、287通の手紙を届けることができたそうです。

 

橋本さんは最後に、

「真実に近づこうと努力することが大事」

「本当かどうかを、自分で考え、調べる」

ことの大切さを強調されました。

 

深刻な原発事故の問題と、

あきらめずに行動するママアクションのみなさんの

行動と思いがストレートに伝わった講義だったと思います。

 

ママアクションのメンバーのおひとりが、

お子さんをおふたり連れてこられていて、

場を和ませてくれました。感謝。

 

これまでまったく学習運動にも縁がなかったみなさんでしたが、

これを機会に、さまざまな交流と出会いが生まれたと

思います。とても素晴らしい時間でした。ありがとうございました。

 


 

以下、講義の感想です。


 

◆はじめ、手紙をよびかけても返ってこなかったが、工夫を

つみかさねて手紙を集めていった、という話は、私も

金曜日に駅前で原発ゼロの行動をしているけど、どう

増やしたらいいのか考えていたので、勉強になりました。

事実というのは知らされていないから知って人にも

話してみることが大切だと思います。今日の話を金曜日の

原発アクションで話したいと思います。

 

◆ママアクション、はじめて知りました。自分もアクション

をおこします。NO NUKESを、自転車にはります。

車にもはります。

 

◆水俣病を引き合いに出されていたけれど、今回も

まさにそのパターンですね。それを実感しました。

政治は少しも変わっていません。むしろ悪くなって

いるかな? チェルノブイリの影響はヨーロッパ全体

に及んでいるのに福島原発の影響がこの狭い日本に

及んでいないわけがない。ほんと岡山はのんきすぎる

とつくづく思いました。

 

◆大変参考になりました。市民団体の方々がやっている

行動にはずーっと注目しています。そして、色々な現場で

一緒に活動していきたいなーと思いました。

 

◆ママアクションの活動に感動しました。

 

◆他人事には考えられない。健康被害が出だして

しまった情報が隠されてしまっていること、原発事故から

様々な情報が隠されたことに矛盾を感じる。一歩

踏み出して行政に訴える姿を多くの人に知らせたい。

 

◆避難すると決めるのに「考えて考えて、調べて調べて

何を一番に大切にするか悩んで避難してきた」という

言葉や「今、何かしなければ心苦しい」という言葉が

とても印象に残りました。言葉の重み、伝える側・聞く側の

思いなど、色々な立場・思いがある中で、何を大切に

するのか(重要視するのか)。健康、真実を知ること。

大切にしていきたいと思います!