長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

自分のためのメモ。インタレスチング。

インタレスチング。

 

(ディドロ・ダランベール編『百科全書』岩波文庫より。

読みやすいように改行しています)

 

 他人を感動させようと欲するものは誰でも、自ら感動

していなければならない。

したがって、同じ根拠から、インタレスチングな作品を

作ろうと熱望している人々に対して、彼ら自らの魂が

活動的であり、インタレスチングをもちうるものでなけれ

ばならぬ、という要求をすることができる。

 冷やかな人間、または瞑想のみにふけっている人間、

または享楽的な対象を味わうことしか考えていない人間、

が何かインタレスチングなものを生産しえようとなどと

あえて主張してみても無駄であろう。

 彼自身が熱をもっていない以上、どうして私たちの心を

温めようなどとあえてしうるのか。

 (中略)

 こうした効果を生み出すためには、自ら行動することを

好み、または他人の行動に参加し、秩序を支配せしめ

無秩序を追放せんとする計画にまじめに参与し、いささ

かでも機会があれば、善のために、または悪に反対して

たやすく燃えたつような魂、要するに、人間性に関する

ことは何一つとしてその人にとってよそごとではありえず、

ハラー氏の美しい表現にしたがうならば、「すべての他人

のうちに自らを見出す」ような魂が必要なのである。

要するに、インタレスチングであろうと欲する芸術家は、

一般的なものであろうと特殊的なものであろうと、自分の

対象とするあらゆる事がらに対してインタレスチングを

もち、彼らが語らしめ、また行動せしめる作中人物の地位

に自らをおかなければならない。そうすれば、すべてが

彼自らの目に対して活気づき、生き生きとして来る。そして

彼は他人に伝えうるような状況のうちに入るのだ。

 このことがすべて偉大な芸術家は哲学者であり、まっと

うな人間でなければならぬ、ということをも証明する。

                     (ズルツェル執筆)