最近読み終えた本。
正月は怠けましたが、1月は15冊目標。
がんばります。
『犯罪と刑罰』
(ベッカリーア著、風早八十二・五十嵐二葉訳、岩波文庫、1959年)
刑法の原理を説いた18世紀啓蒙主義者の古典。
初版はフランス革命より25年も前だそう。
この時代に、すでに死刑や拷問の廃止を強調するなど、
随所で現代日本にも通じる警鐘がある。
ところどころにディドロの「評注」があるのにもびっくり。
しかし、啓蒙主義って、やっぱりすごいと思いますよ。
社会変革の時代は、たたかうスタンスは唯物論なんですよね。
特定秘密保護法が成立し、
刑法の原理も崩される情勢になっています。
読まれるべき古典ですね。
「刑罰が国民の1人に対する暴力行為にならないためには、
それは本質的に公然、じん速、かつ必要なものでなければ
ならず、与えられた一定の事情のもとで通用することができる
刑罰のうちでもっとも軽くなければならず、また犯罪に比例した、
法律によってはっきり規定されているものでなければならない」
(198P「結論」部分より)
『何者』(朝井リョウ、新潮社、2012年)
小説としてもおもしろい。新しい感覚の作家。
直木賞受賞作。
大学生たちの就活を柱に話は展開されるのだけれど、
著者が若いということもあり、その感覚が上手に表現されている。
Twitterなどの表現・交流手段も交錯させつつ、
就活の内実や学生たちの苦悩も。良作。