長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

消費税は人権問題

どのメニューも350円。

学習協の事務所近くにあるうどん屋さんである。

 

障害者の方々が営んでいる。

うどんをつくり、お店の切り盛りふくめ元気に働いている。

就労支援の意味もある、うどん屋さんだ。

 

少しでも応援になればと、時々食べに行く。

今日も、お昼を食べに行った。

明日から消費税8%。

しかし、どこにも「値上げ」のお知らせはなかった。

 

あたりまえだが、うどんの原材料ふくめ、

諸経費のほとんどが値上げになるだろう。

経営は大丈夫だろうかと心配になる。

 

これまでも、「この値段ではギリギリだろうなあ」と思っていた。

障害者の方々の工賃は、

おそらくびっくりするほど安いだろう。

 

ここには、ベースアップなんて文字はない。

 

苦しくなるのはお店の経営だけではない。

彼らの暮らしのなかで、今回の増税は、あまりに重くのしかかる。

 

「消費税は、同じ税率だから公平」なんて言われることもあるが、

まったくちがう。

 

よく考えてみてほしい。

収入が低い人は、生活がカツカツなので、

収入すべてが消費にまわる。貯金する余裕などない。

だから、消費税の負担率は税率どおり、ほぼ8%である。

 

1000万の収入がある人はどうだろう。

余裕があるので、たとえば600万しか消費にまわさず、

400万円貯金したとする。

単純計算で消費600万円×8%で、48万円。

1000万の収入にたいして、48万円の消費税だから、

税の負担率は4.8%になるのだ。

 

かなり単純化して説明したけど、収入が多ければ多いほど、

一般的傾向として税の負担率が下がる。

これが消費税である。おかしいのである。

 

そして、うどん屋さんは、「利益」から消費税を払うのではない。

利益があろうとなかろうと、

売り上げにかかってくるのが消費税なのである。

法人税と違い、赤字だろうがなんだろが、消費税は取られる。

消費税が払えずに廃業する業者の方がどれだけいるか。

 

税金とは、人びとの人権をまもり、

人びとの幸福追求を後押しするために使われるものだろう。

そうであってこそ納得するし、払う価値がある。

 

税金が人を苦しめ、廃業や自死に追い込み、

人間としての尊厳を奪っていく。

 

これは、税金ではない。

 

消費税は、国家的収奪としかいいようがない。

 

うどん1杯350円。

障害者の方々が働くことという尊厳を回復できる契機となっている

ささやかなうどん店の営みに、なぜ税金が重くのしかかるのか。

 

消費税は国会財政の問題である前に、深く人権問題である。

 

安倍政権を早く終わらせたい。