長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

戦後70年につき…

最近読み終えた本。
戦争とか歴史とか、いまはもっぱら
そんな本ばかり読んでいます。


『谷口稜嘩聞き書き 原爆を背負って』
(久知邦、西日本新聞社、2014年)
「赤い背中」で知られている被爆者、谷口
すみてるさんの被爆体験とその後の反核
平和運動の歩みを丁寧に聞き書きしたもの。
やはり、「空白の10年」を経て被爆者が語り
始めるところは、涙なくして読めない。


『ユダヤ人の歴史』
(R.P.シェインドン、入江規夫訳、河出文庫、2012年)
ユダヤ人に関する歴史をわかりやすく書か
れている。地域別にも理解しやすい。国を
持たないユダヤの苦難や歴史のなかでの受難。
イスラエル建国から現代における問題構造まで。
まったく複雑。歴史は具体的。


『戦争とたたかうー憲法学者・久田栄正のルソン戦体験』
(水島朝穂、岩波現代文庫、2013年)
日本軍の経理部将校として満州、ルソン戦を
体験した久田栄正の体験を軸に、日本軍の
特質と戦争の本質にせまる。フィリピン戦への
知識は少ないと痛感。地獄の戦争体験が憲法
へとつながる。


『新編 あの戦争を伝えたい』
(東京新聞社会部編、岩波現代文庫、2011年)
新聞連載されたものをまとめた1冊。
ひとつひとつの記事は短く、若干物足りなさも
感じるが、日本の引き起こしたアジア太平洋
戦争について、多角的に学べる。記憶と継承の
課題は、より今日的問題。


『ナチスの時代ードイツ現代史』
(H.マウ・H.クラウスニック著、内山敏訳、岩波新書、1961年)
昨年まで36刷のロングセラー本であることを
かんがみると、基本的なところを押さえたナチス
ドイツの通史になっているのだろう。たしかに
歴史教科書的な読み物であった。


『ドイツは過去とどう向き合ってきたか』
(熊谷徹、高文研、2007年)
政治の場で、教育の場で、司法の場で、民間の
取り組み、過去との対決・今後の課題、という
5本柱。まあ、いつも日本との違いに羨望の
眼差しなんですが、あらためてドイツから学ぶ
ことは多い。この差はどでかい。