長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

ものの見方・考え方 講演整理メモ

今日これからの長野民医連での「ものの見方・考え方」講演。自分のなかでの整理メモ。

ポイント(1)。人間には考える力がある。そもそも何か?を問う力がある。しかし、それには、調べてみる、分け入ってみる、探ってみる、集団の認識の力を借りる、という作業が必要。これは、なかなかエネルギーがいること。

ポイント(2)。認識の出発点はつねに「部分」。現象・結果・今の姿。そして「部分」でだいたいの判断をしてしまう。立ちどまり追求する力を。そこから認識を発展させる作業必要(めんどうくさい)。現象から本質へ。結果から原因へ。木も森も。川の下流だけでなく上流も(過去や歴史)。

ポイント(3)。分け入っていくための前提は、事実から出発すること。事実とは、あるとき、あるところに「起こった」もしくは「あった」ことがらのこと。しかしやっかいなことに、事実と違うことも、人間は言えるし想像できる。事実を隠すこともできる。言葉は考える力だが、両刃のやいば。

ポイント(4)。意図的に事実と違うことが流布されることもある。利害関係がある場合など。事実と違うことを言ったり書いたりして、得をする人がいる。消費税、原発、集団的自衛権…。蜘蛛の巣のように「事実でないこと」が張り巡らされている。少数者が多数者をコントロールする方法。

ポイント(5)。権力者によって不都合な事実は隠蔽されやすい。真実を見抜く必要。疑える力。担保は集団での認識。ひとりひとりの認識には限界がある。ひとりで考えると間違いやすい。話しあう、教えあう、聴きあう、書きあう。仲間がいることの大事さ。本や雑誌、新聞を読む。ネット活用。

ポイント(6)。社会や情勢をみるとき。弁証法という見方。すべてのものは変化の過程にある。変化のしかたにも法則性がある。すべてのものはつながりのなかで存在している。しかし私たちは「どうせ…」という見方をよくしてしまう。こうした見方をしてしまうのは一定の根拠がある。

ポイント(7)。変化の仕方は一直線の右肩上がりてはない。ジグザグ、うねうね、後退や逆流も。「どうせ」と思えば、何もしなくてよいのでラクになる。ゆとりや場がないとそういう見方になりやすい。それは、「どうしたら」「どのように」の問いをしぼませる。

ポイント(8)。弁証法的でない見方は、権力をもつ人の利益と結びついている。現状を本質的に不変のものであるかのように思わせる。競争と分断でバラバラにし、ゆとりを奪い、考えさせない。本質をみせない。歴史を学ばせない。行動のしかたを教えない。ものの見方をめぐるたたかい。

ポイント(9)。変化のしかたにも法則性。停滞・後退をふくみながら、うねうね進む。量の変化はコツコツ。日常の変化は目立ちにくい。視野のスケールを変えてみる(学習によって)。たとえば、100年前の社会を考える。人権、働くルール、参政権、平和…。世界(人類史)は進歩している。

ポイント(10)。動かしているのは無数の人びと。基本的人権は人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果。現実のなかで芽生えつつあるもの、発展しつつあるもの。過去と未来がぶつかっているのが「現在」。発展の見地にたつ。簡単ではないが楽しい努力。集団での認識が大事。

以上、整理おわり。