長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

藤本正『時短革命』よりメモ(下)。

藤本正『時短革命』(花伝社、1993年)よりメモ残り。ぼくも学習協専従17年だから、20年の年に、リフレッシュ休暇とろうかな…(^-^;。

「企業にとっても、従業員が常に柔軟で創造的な発想をもつことを求めているのであり、その能力はリフレッシュ休暇によって、回復し、充電される」

「リフレッシュ休暇は10年ごとに最低1カ月は必要である」

「年休は本来ゆとりある生活のためであって、病気のために使用されてはならない。このことは、ILOの条約でも強調されている。したがって、病気のための特別休暇をつくることは、是非とも必要とされている」

「『仕事も余暇も大事にしよう』それが現代社会の共通した価値観である。忙しく仕事をしているからこそ、余暇が楽しい。『余暇』でエネルギーが満ちあふれたとき、『明日からは一生懸命働くぞ』とはりきるはずだ」

「余暇とは単なる『遊び』の時間だけではない。本来、社会との連帯に生き、自己変革を遂げる『時間』を創造することでもある。その意味でも、社会に生きる自己を主張するための余暇は『人権』である」

「時短の問題は『働くことは悪いことだ』『働くな』ということではない。『働こう』。しかし同時に『人間らしい休息をとろう』『もう、これまでのような働きすぎはたくさんだ』ということである」

「物質的に豊かになった現代社会の私たちにとって、『時間=トキ』こそが貴重である」

「『ゴロ寝』は無趣味な人間の、気の利かない余暇の過ごし方のようにいわれてきた。しかし、そんなものでは断じてない。日本の働く者は、まず、休日、休暇にゴロ寝をするべきなのだ。…『ゴロ、ゴロ』とは、人間の、自己保存本能である」

「あなたには、仕事以外に知的な関心をもつ領域があるのだろうか。…余暇の追求とは、遊ぶ暇、ゴロゴロする時間を拡大することだけではない。本来、人間の知的向上のためでもあるのだ。…自然に『本が読みたくなる』ーそれだけの時間がなければ『余暇』とはいえない」

「個々の企業が大きく発展を遂げるためには、企業のなかに精神的にも生活的にも埋没し、隷属した従業員のみにゆって占められるのではなく、あるときには、企業にとって、きびしい批判者である豊かな判断力と、批判精神をもった社員の存在を必要とする」

「知的批判精神は『学ぶ』ことから出発する。しかし、『学ぶ』ことは『余暇』なくしてはありえない。…企業と離れたところで、社会的実在としての自己の、知的関心の領域で学ぶ…。その『自立した人間』こそ、これからの現代企業にとって、また日本社会にとって、必要」

「その社会の健全さや、みずみずしさは、その社会にある『正義』の分量によってはかられる。『ゆとりある余暇』の喪失は、無数の『正義の使者』の出現を著しく後退させている」

「働く者から知的創造性・批判精神を奪っておいて、真に企業や社会の発展はない。…われわれは、余暇の拡充の問題を、進行している働く者の知的貧困化現象にストップをかけ、働く者の豊かな知的批判精神の形成をはかる問題としても、考えなおさなくてはならない」