今日(9日)は10時から
生協労組おかやまの新人研修(正規)で講師仕事。
ここは、2015年度から新人研修を1回だけで終わりにせず、
今日で4回目(同じ人が4回受ける)。これ大事。
ユニオンショップの場合ほっといても組合員で
脱退の可能性がないから教育がおろそかになりがち。
学習を積み重ねないと自分のものにならないしね。
今回は、「要求への自覚と、具体化プロセス」
ということで、まとめ的なお話と要求について考えました。
春闘にむけての具体的な話もいろいろできて
有意義でした。こちらも職場のリアルな話しが聴けて勉強に。
でも1年目の職員のみなさんだから、
まだまだ組合活動や要求へのイメージをつかめない様子でも
ありました。これからの経験が大事ですね。
そしてこの4回の研修会が、どう経験のなかで生かされるか。
以下、簡単な概要です。
はじめに
「『労働組合』とは、労働者が主体となって自主的に労働条件の
維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として
組織する団体又はその連合体をいう」(労働組合法第2条)
一。これまでの「まとめ」的に―労働組合とは
◇「人間らしい生活のために」-労働組合のかかげる旗
*生活はその人らしさをつくる=尊厳。かけがえがない。
生活の中心線は文化。
*生活を支えるのは「お金」「時間」「健康」「人間関係」
「社会的労働」「政治」「平和」
◇労働条件というのは、生活(ときには人生)と
働き方(働きやすさ)を左右する
*いくら賃金をもらうか、働く時間はどれぐらいか、
自分の希望する日に休めるか・・・。
*休憩時間、仕事量、残業代、職場環境、配置転換、安全衛生、
有給休暇、研修機会・・・。
*職場内の雇用形態とその比重。ハラスメントはないか、
差別はないか、ものが言えるか・・・。
*妊娠・出産・育児にさいして、安心して休暇を取ることができるか。
*きちんとした人員がいて、民主的な風土があってこそ、
いい仕事もできる。
◇しかし労働者はひとりで労働条件の交渉(条件提示すること)が
できない。圧倒的に不利。
◇雇われ組の先輩たちは、200年前から、「みんなで交渉」
「みんなで団結」することで、労働条件の交渉を対等に行える
努力をしてきた。労働基本権(憲法28条)に結実。
*「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする
権利は、これを保障する」
◇労働組合は、社会的役割を担っている(期待されている)存在
*立場が弱い人、声をあげにくい人、差別されている人、痛みを
強いられている人を「ほっとかない」組織。最も立場の弱い
労働者をも代表してたたかう。基本的人権の担い手として活動
する「なんでも屋」。1人ひとりの尊厳を守る。仲間を広げる。
大きな背景にある政治とたたかう。そうした社会的役割を期待
するからこそ、日本国憲法は労働組合に労働基本権を無条件で
保障している。いまもっとも必要とされている組織。
二。要求とは?
◇まず言葉の意味から
「必要なものとして、その実現を強く求めること」
(三省堂『新明解国語辞典』第7版)
「必要だ、ほしい、または当然だとして、それが得られるように、
求めること」(岩波『国語辞典』第5版)
*「必要なもの」への具体的自覚のある状態。切実な自覚。
また求める相手が明確。
*がんばればそれを実現できるという見通し、手段や方法の見当も
ある状態。
◇1人称の要求、2人称の要求、3人称の要求
*自分が切実に求めていること
*職場の仲間や自分に関わりのある人が求めていること
*他人のことだけど、ほっとけないこととして「自分の要求」となること
◇自分は「納得」「こんなもの」と思っていても、
他人から見たら「おかしい」となる場合も
*「こんなもの」の基準は個別性が高い
*その基準は、学びや経験によって変化する
―客室乗務員・尾崎恵子さんの経験から
*「痛み」や「苦しさ」も個別性が高い
三。いまの労働条件は、先輩たちが要求して実現してきたもの
1。労働組合をつくった人の話から
◇「仲間がいるからがんばれる」(『学習の友』1995年1月号より)
2。おかやまコープの労働条件も1つひとつが勝ち取られた権利
◇要求は具体的。働くことは、
小さな事柄の集合体(尾崎恵子さんの講演から)
3。歴史を知る、社会を知る、政治を知る
◇過去(先輩たちのたたかい)とつながっている
◇自分の生活や働き方は、社会や政治とつながっている(木も森もみる)。
4。「労働者として成長する」という視点
◇ひとりでは労働条件の交渉ができない
―生活左右。団結せざるをえない存在。
◇自分のこととあわせて、職場の仲間、社会のことも視野に
◇次の世代に何を手渡していくのかという自覚
四。では、具体的に「要求」を考えてみましょう